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スロベニア、スロバキア、どこにある? 5秒以内に答えられたアナタ。TVのクイズ番組に出られますよ。海外旅行に詳しい人でも一瞬どっちがどっちだっけと考えてしまう難問です。ヨーロッパのマイナーなこの2国。観光旅行におすすめなのはどちら? 違いはどこ? 6番対決で争います。あなたもこの争いの審判をしてみてはどうですか?
スロベニアvsスロバキア 共通点は?
スロベニアもスロバキアも民族はスラブ民族系。そもそもスロベニアの国名はスラブ人の土地の意味。スロバキアはスラブ民族の地の意味。スラブ民族を大きく打ち出しているので国名も似てしまいます。国旗も両国ともに、白、青、赤のスラブ3色を使用。国旗も似た感じです。スロベニアはもともとユーゴスラビアの一員でしたが、1991年独立。スロバキアはチェコと連邦共和国を組んでいましたが、1993年に独立しスロバキアが誕生。それ以前はどちらもオーストリア・ハンガリー帝国に組み込まれハプスブルグ家のもとで発展しました。今ではどちらもEUに加盟し、通貨も両国ともユーロを使用しています。
また2国ともスラブ民族の国ですが、どちらもカトリックがメインの国なのも共通点です。
また、観光的にどちらもマイナーな国なのも似ています。スロベニアはクロアチアに行く人がついでに寄る場合が多く、スロバキアはチェコやハンガリーに行く人がついでに行く場合が多いのが特徴です。スロベニアに行きたい!!とかスロバキアに行きたい!!とか考える日本人は少ないのです。
スロベニアvsスロバキア 違いはどこ?
スロベニアはオーストリアの南に位置します。スロバキアはオーストリアの北東に位置します。スロベニアはアドリア海に面していますが、スロバキアは内陸国で海がありません。
スロベニアの人口は約206万人、スロバキアは約542万人。スロベニアの面積は約2万平方キロ(四国くらいの大きさ)。スロバキアの面積は約5万平方キロ。つまり、人口も面積もスロバキアはスロベニアの約2.5倍あるのが違いです。
首都対決 スロベニア4.0点✕スロバキア4.2点(5点満点)
スロベニアの首都リュブリャナ(リュブリャーナ)はルネッサンス、バロック、アールヌーボーなどの各様式に建築が調和した芸術の町。赤レンガが折り重なる旧市街の町並みは可愛く、自然と調和した感じのいい街です。
片や、スロバキアの首都ブラチスラバ(ブラチスラヴァ)も負けていません。ドナウ川に面したこの町は、かつてハンガリー統治下の時代には首都がこの場所に移転されたこともある由緒正しい街なのです。ドナウ川のほとり、丘の上にそびえるブラチスラバ城や旧市街など見どころも数多くあります。
さて、首都対決、どちらも魅力ある街ですが、ドナウ川という背景がある関係でブラチスラバの方が少しいいかな。ということで、スロバキアの勝利となります。
空港対決 スロベニア3.5点✕スロバキア2.0点(5点満点)
ヨーロッパのマイナーな国、スロベニア、スロバキア。空港対決は低レベルの争いです。スロベニアのリュブリャナ(リュブリャーナ)空港は規模は小さな空港。それでも主要ヨーロッパ系航空会社はルフトハンザ航空、スイスエアラインズ、エールフランス、などやターキッシュエアラインズが乗り換え便で就航しています。しかし、中東系のカタール航空やエミレーツ航空は未就航で、点数でいうと3.5ポイント程度です。
スロバキアのブラチスラバ(ブラチスラヴァ)空港はスロベニアよりひどくて、主要ヨーロッパ系航空会社はほとんど就航していません。飛んでいるもののメインはLCCばかり。すごく不便です。点数で言うと2.0点になります。
スロバキアへ行く場合、一般的に不便なブラチスラバ(ブラチスラヴァ)空港を使わないのです。実はもっと便利な空港が他の国にあるのです。それがオーストリアのウィーン空港です。実はウィーン空港からブラチスラバ市内まではわずか約48km,車で45分、もちろん空港バスも頻繁に出ています。成田空港から東京都内よりも近い空港なのです。ウィーン空港まで出れば、オーストリア航空、全日空の直行便がある他、主要ヨーロッパ航空会社から中東系のカタール航空、エミレーツ航空まで選択肢は数多く便利になります。そもそもブラチスラバ市民でも、ウィーンに通勤する人も多いらしいです。仕事はウィーン、家は物価の安いブラチスラバ、毎日国境を超える生活というのもおもしろそう。
空港対決、それぞれの国の空港としてはスロベニアの圧勝ですが、実質的に便利なのはスロバキアといえるでしょう。
大自然対決 スロベニア4.5点✕スロバキア4.0点(5点満点)
スロベニアにはアルプスを挟んでスイスやオーストリアの反対側にある「ユリアン・アルプス」があります。太陽が当たる側のアルプス、つまり「サニー・アルプス」ともよばれ、スイスなどとは違う美しい景色が広がります。代表的な場所としてはブレッド湖が挙げられます。絵のように美しいという言葉がぴったり当てはまる場所です。ユリアンアルプス最高峰の標高2864mのトリグラフ山系の山々と、湖に浮かぶ小島がうまく調和しています。また、ブレッド近郊のボヒニュ湖もブレッド湖に劣らず美しい湖です。
スロバキアにも大自然があります。ポーランドとの国境にまたがるヴィソケー・タトリです。標高2634mのロムニツキー・シュティート峰まではロープウェイで上がれます。本格的な登山から気軽なハイキングまで、冬にはスキーやスノーボードなどを楽しむ旅行者が集まります。
スロバキアの大自然の旅には日本人はほとんで来ていないし、意外と楽しめます。
しかし、どちらがいいかと問われれば、絵のように美しいブレッド湖の光景の方が勝ります。よって、これはスロベニアの勝利です。
洞窟対決 スロベニア5.0点✕スロバキア4.8点(5点満点)
この2国の洞窟対決はレベルの高い戦いです。スロベニアではヨーロッパ最大の大きさを誇るポストイナ鍾乳洞と、世界遺産のシュコツィアン洞窟があります。そもそもこれらの鍾乳洞のあるのが同国のカルスト地方。石灰岩などが侵食されてできるカルスト地形の語源になった場所です。という意味もあり訪問は必須です。ポストイナ鍾乳洞がユニークな点は洞内にトロッコ列車が走り、その後徒歩にて散策するというアプローチです。かつ、そのトロッコが全速力で疾走するのにも驚かされます。
一方、スロバキアにはドブシンスカ氷穴という洞窟があります。約25万年以上前の氷河期から形成され、全長1.5km、深さ112mの洞窟内を氷が覆う世界でも屈指の氷穴です。日本でも氷穴はありますが、総延長153m、深さ最大3.6mの富士山麓の鳴沢氷穴と比較したらそのスケールは理解してもらえると思います。もちろんドブシンスカ氷穴は世界遺産に指定されています。
洞窟対決、どちらが勝ちか?判断に困るところですが、カルストの語源になったという事実にウェートを置き、スロベニアの勝ちとします。
中世都市対決 スロベニア2.5点✕スロバキア4.5点(5点満点)
スロベニアにもマリボルなどのように、オーストリア統治時代の雰囲気を持つ町がありますが、ヨーロッパではよくあるパターンの町なので、わざわざ行くほどでもありません。
反対にスロバキアの中世都市はレベルが高いです。まず第一にバンスカー・シュティアヴニツァが挙げられます。15世紀の鉱山都市で、歴史的な町並みが残っています。また周辺の国のように観光地化していないのも魅力です。
他にも14世紀の城壁と砦と旧市街が残されたバルデヨフ、スロバキア北東の小さな町レヴォチャ、中欧最大級の城スピシュ城とその城下町、かつては工業都市として栄えたバンスカー・ビストリツァなど魅力ある中世都市が数多く残っています。また、そのうち、バンスカー・シュティアヴニツァ、バルデヨフ、レヴォチャ、スピシュ城は世界遺産に指定されています。
というわけで中世対決はスロバキアの大勝利となります。
海辺対決 スロベニア4.5点✕スロバキア0点(5点満点)
海辺対決は勝負になりません。何せスロバキアは海に面していない内陸国なのですから。またスロベニアも基本「山がちの国」でして、わずか45kmしか海岸線がありません。しかし、このわずか45kmのアドリア海の海岸線こそがイタリアの影響を受けた趣のある旧市街と美しい海岸が連なっていて素晴らしい場所なのです。また,スロベニア有数のワインの産地としても知られています。
スロベニアの海辺の町で一番美しいのがピランです。細い半島の先端に位置するこの町はベネチアの影響を大きく受けています。城壁の上からの眺望が最高で、絶景の一言に尽きます。町歩きは本当に幸せな気分になれます。
また、静かな旧市街と活気あるリゾートが同居するイゾラや、ベネチアの香り高い古い港町でスロベニア最大のワイナリーのあるコペルなどの町もあります。
海岸線は短いとはいえ、スロベニアの旅にアドリア海の町を加える必要がありそうです。
まとめ
いかがでしたか?スロベニア、スロバキア。両方ともに旅先の一番の目的地にならないかもしれません。しかし、クロアチアに行くときはスロベニアも。チェコやハンガリーに行く場合はスロバキアも追加する必然性はあると思います。その時はそれぞれの首都だけに行くのではなく、田舎や大自然などをプラスするほうがいい旅になるかと思います。マイナーな国にこそ、思いがけないステキな体験が待っているかもしれません。