目次
新型コロナウイルスの影響でなかなか海外旅行に行くことのできない状況が続いていますが、現地が今どうなっているのか気になりますよね。そこで、今回はエジプトにいる現地スタッフから聞いた最新情報をお届けします。まだ実際にエジプトに旅行に行くことができなくても、現地の様子を知る手がかりになればと思います。
サッカラで大量の棺出土!
長らく考古学の発掘調査が行われているエジプトですが、今でもまだまだ新しい発見があるのが面白いところ。最近では2020年11月、サッカラで100基以上の棺が発見されたと発表されました。サッカラはカイロの南部にあり、階段ピラミッドなどの有名なピラミッドもある場所です。ここでは10月にも59基の棺が見つかったばかりでした。
発見された棺は第26王朝時代のものと推測されていて、黄金のマスクや護符といった埋葬品も一緒に出土しています。保存状態も良く、エジプト観光省は「エジプトで今年最大の発見」としています。これらの木棺はエジプト考古学博物館、大エジプト博物館、文明博物館に分けて展示される予定だそうです。
記者会見の時に、実際に木棺を報道陣の前で開けて見せたそうなのですが、なんだかエジプトらしいですね。今後も新たな発見に期待が高まります。
エジプトのツアーはこちら
新しくできるGEMって何?
エジプトの新たな観光名所GEMをご存知ですか?The Grand Egyptian Museumの略で、新たにオープンする予定の大エジプト博物館を指します。
ギザの有名な3大ピラミッドの近くに建設中で、エジプト考古学博物館の収蔵品を多数展示する予定です。総面積は約48万平米にも及び、世界最大規模と言われています。
これまでエジプト考古学博物館には溢れんばかりの展示品が所狭しと並べられていて、倉庫のような雰囲気もありました。さらに、建物の老朽化もあり、新たにもっと大きな博物館を作ることになったという訳です。
オープンは2020年の予定でしたが、作業の遅れや新型コロナウイルスの影響で2021年に延期されています。ツタンカーメンの黄金のマスクなど、人気の展示品も展示予定となっているので、オープンしたら注目の観光スポットになりそうですね。
エジプトなのにインド!?不思議な観光スポットが初公開
コロナの騒動の最中、2020年7月の終わりごろにエジプトで初めて一般公開された観光スポットがあります。首都カイロのヘリオポリスにあるバロン宮殿です。
約100年前にベルギーの実業家によって建てられたインド風の宮殿で、当時流行した東洋らしい建築物として話題になり、社交界の中心地となっていました。しかし、所有者の死後、バロン宮殿は荒廃し、廃墟のような状態に。近年になってから建築的な価値が見直され、やっとエジプト政府が修復作業を行って、一般公開に至りました。
バロン宮殿のある辺り一帯は高級住宅街や大使館が並び、ヨーロッパ風の建物が多いので、まるでエジプトではない他の国のような雰囲気があります。その中で、さらに異色となるインド風のバロン宮殿。エジプトの観光地なのに古代エジプトでもイスラムでもない、とても不思議な観光体験になりそうです。
ギザエリアにシャトルバスを導入予定
毎年多くの観光客が訪れるギザの3大ピラミッド。今、このギザエリアの整備が進められています。2021年6月頃からは、エリア内の移動は電気シャトルバスのみになる予定で、これに合わせて入り口の場所も変わります。各自の車で入れるのはビジターセンターまで。そこからは混乗のシャトルバスで観光に向かいます。大型バスが30台、8人乗りのバンが20台ほどあり、ビジターセンターの他に5つのバス停を周ります。
また、現地の窓口以外に、オンラインでも入場券を購入可能になります。オンライン購入の場合、QRコードを専用カウンターで提示し、入場券と交換する仕組み。定番のラクダ乗りもチケット制になるそうです。チケットならお決まりのぼったくりに遭う心配は減りますね。スムーズに入場できる有料のファストトラックなども設けるそうです。
9つのピラミッドを一望できるスペシャルパノラマにレストランもオープンして、ギザエリアの観光が一気に便利になりそうですね。
コロナ禍でもいち早く再開したビーチリゾート
エジプトではコロナウイルスの影響で、一時期は国際航空便の発着を停止し、観光地もクローズしていました。しかし、2020年7月1日にいち早くリゾート地域から観光客の受け入れを再開しました。
受け入れを再開したのは地中海沿いのマルサマトローハ、紅海のハルガダとシャルムエルシェイクの3か所。特に紅海はダイバーに人気のスポットで、ヨーロッパからのリゾート客も多く訪れる旅行先です。殺菌消毒などきちんとした対策を行えば、ダイビングもOKとされました。
紅海は透明度抜群で、色鮮やかな珊瑚や様々な魚たちにも出会うことができます。受け入れ再開以降、主にウクライナやドイツ、アルメニア、イギリスやフランスから多くの観光客が訪れ、さらに、2020年7月31日から8月3日までの犠牲祭の期間中にはエジプト人でも賑わったそうです。
エジプトのコロナ対策
ビーチリゾートに限らず、博物館などの各地の観光地も2020年7月1日から徐々に再開し、人数制限などを行いながら営業しています。となると、コロナ対策は大丈夫なのか気になるところ。
エジプトへの全入国者は、航空便出発前72時間以内に実施したPCR検査の陰性証明書が必要とされています。ハルガダやシャルムエルシェイクの空港では到着時に有料でPCR検査を受けることもできます。また、交通機関などではマスク着用が義務付けられ、罰金制度も設けて取り締まりを強化しているようです。
観光地でも対策がされています。例えばギザのピラミッドエリアでは、入り口に消毒液を設置し、入場券売り場では間隔をあけて並ぶよう、足元にステッカーが貼られています。さらに、グループの最大人数を25名に制限し、車両も席数の50%までの使用としています。
日本では帰国後の規制がまだ厳しいですが、エジプトではコロナ対策と両立して観光の受け入れ再開が進められているようですね。