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日本からもっとも離れた国ブラジル。ブラジルと言えば?という問いにサッカーやアマゾンなどを思い浮かべる人も多いでしょう。もしかしたら「危険」という印象を持っている人もいるかもしれません。
地球の裏側にあり滅多に行く機会のない国の一つではありますが、ブラジルは非常に魅力あふれる国。私は実際ブラジルに訪れた経験がありますが、そこで何物にも代えがたい素晴らしい経験を得ることが出来ました。ここではまだまだ日本人に知られていないブラジルの見どころについてご紹介していければと思います。
ブラジルってどんな国?
面積 | 851.2万平方キロメートル(日本の約22.5倍) |
人口 | 約2億947万人 |
首都 | ブラジリア |
民族 | 欧州系(約48%)、アフリカ系(約8%)、東洋系(約1.1%)、混血(約43%)、先住民(約0.4%) |
言語 | ポルトガル語 |
宗教 | カトリック約65%、プロテスタント約22%、無宗教8% |
治安 | ブラジルの治安は悪いと言わざるを得ません。特にサンパウロやリオデジャネイロといった観光地では スリやひったくりが多いので十分な注意が必要です。 |
備考 | 面積の大きいブラジルは国内で東と西で2時間の時差があります。 リオデジャネイロ、サンパウロなどは日本より12時間遅れ。 マナウスは13時間遅れ、リオ・ブランコは14時間遅れ。 |
南米大陸最大の面積を誇る国ブラジル。芸人さんのネタで「ブラジルの人~聞こえますか~!」と地面に向かって叫ぶ、というのがあるように、ちょうど日本から見て地球の裏側にある国として知られています。距離的には最も離れている国でありながら、日本とブラジルには深い繋がりがあることはご存知の方も多いはず。特に日系移民が多く、ブラジルにはいくつも日本人街が存在していることは有名です。日露戦争後に住み始めた彼らは、現在3世、4世と命を繋ぎ、今では190万人近い人々が暮らしていると言うから驚きです。
ではそもそも何故こんなに遠く離れた地に住みつくようになったのか。それには当時の時代背景が深く関係しています。今から100年以上前、日本は大きな戦争をいくつも経験しました。その中でも転機になったのが先ほども挙げた日露戦争。普通、戦争は敗戦国が勝者に賠償金を払うというシステムをとっていますよね。しかし日本はこの戦争に勝利したものの賠償金を得ることが出来ず、不景気に陥ってしまいます。一方のブラジルはと言うと、ちょうど奴隷制度が廃止になった頃。労働力不足が深刻な問題になっていました。労働者が溢れている日本と、労働者が欲しいブラジル。相互の利害が一致したことで、数多くの日本人がブラジルへと移り住むことになったのです。
そんな経緯もあり、日本とブラジルの仲は非常に良好。政府同士は勿論のこと、最近ではブラジルからの文化輸入も目にするようになりました。特に食文化は良い例で、今やブラジルコーヒーはブランドとして日本で広く愛されています。また一時大流行したタピオカの原料も実はブラジルが原産国。意外な繋がりがあるんですね。
ブラジルと言えば他にもサッカーやサンバなどを思い浮かべる方も多いでしょう。もはや書ききれないほど文化面でも観光面でも魅力のある国ブラジル。旅好きなら一度は足を運ばなくてはならない国の一つなのです!
私にとってのブラジル
これまで実に150ヵ国以上の国と地域を旅してきた私。この話をすると必ずと言っていいほど聞かれるのが「今まで行った国でどこが一番良かった?」という質問。1つには絞り切れないものの、いつも決まって挙げる国が3つ。それがボツワナとスイス、そしてブラジルなのです。
これは個人的な考えですが、旅の醍醐味は「いかに非日常的な体験が出来るか」にあると思っています。上記の3ヵ国はまさにそんな体験をさせてくれる国。その中でもブラジルはどこよりも個性的でエネルギッシュで、一度行ったらハマってしまう国なのです。
私が初めてブラジルを訪れたのは2007年、ちょうど私が11歳の誕生日を迎える時のことでした。この時既に100ヵ国近い国を旅していた私。しかしそれだけの国を訪問していても、ブラジルでの経験は初めてのものばかりでした。雄大でド迫力なイグアスの滝やパンタナールで出会った野生の動物たち、そして一生忘れられない思い出となったリオのサンバショー。そのどれもが「ここでしか体験できない特別なもの」で、幼いながらにいたく感動したことを覚えています。正直これだけの国に行っていると、中には感動を覚えない国もあります。しかしブラジルはいつでも私をドキドキわくわくさせてくれる国の1つなのです。
ブラジルの基本情報
先ほども述べたように南米最大の面積を持つブラジル。その広さはなんと日本の22.5倍にもなり、世界で5番目に大きな国でもあります。アマゾンの熱帯雨林やイグアスの滝など大自然を有するブラジルですが、その広大な土地とは対照的に人口は2億1000万人ほど。その大部分が都市部に集中しています。
そんなブラジルの民族構成は、欧州系が約48%、混血が43%、アフリカ系が8%、東洋系が1%、先住民が0.4%ほどとなっています。欧州系とアフリカ系、そしてその混血が人口のほとんどを占めるというのは他の南米諸国にもよく見られる特徴ですが、ここに東洋系が入って来るのは日系移民が多いブラジルならではかもしれません。
こうした人口割合もあって、ブラジルではキリスト教がスタンダード。そのうちカトリックが65%、プロテスタントが22%を占めています。リオにあるキリスト像が非常に有名なので、きっとこの結果には納得なのではないでしょうか。
また植民地時代の名残で南米のほとんどの国はスペイン語を公用語としていますが、ブラジルはその中でも珍しくポルトガル語が話されている国。観光地やホテルなどでは英語がよく通じるので問題ありませんが、田舎では英語が通じない場合がほとんどですので注意が必要です。
ブラジルの気候
南半球にあるブラジルでは、夏は11~4月、冬は5~7月になります。また面積の大きな国ゆえに、ブラジル国内でも都市によって気候はバラバラ。特に南北は気候差が大きく、一般的にブラジルは日本と逆で北に行くほど暑く、南に行くほど涼しいとされています。広大な熱帯雨林を持つアマゾンはブラジルの北部に広がっているので、北部が暑いというのはイメージがしやすいかと思います。マナウスがあるのもこの北部で、年間を通して気温が20度を下回ることがなく、蒸し暑いのが特徴です。エリアによってまた変わりますが、北部は7~10月が最も雨も少なく過ごしやすいので観光にぴったりです。
一方リオがある南部は北部ほど雨も多くないため、年間を通して快適に観光することが可能です。夏場の1,2月が最も気温が高く30度以上の日が続きますが、6~8月は20度前後と過ごしやすいのが特徴です。朝晩は冷え込むことが多いので、厚めの服を持っていくのがベストです。
そして首都ブラジリアやパンタナールがある中央部はハッキリと乾季と雨季で分かれているのが特徴的。乾季には雨がほとんど降らず、湿度が10%以下の日が続きます。ここでのオススメシーズンは、雨の少ない6~8月。
いずれにしても雨が降れば冷え込むこともあるので、夏場であっても上着を持っていくのが良いでしょう。
ブラジルの治安
ブラジルの治安は決して良いとは言えません。しかしそれも地域差があり、やはり観光客が多く人も密集している都会ほどスリやひったくりといった軽犯罪の発生率が高くなっています。南米の大都市はどこもそうですが、治安は悪いので「安全はお金で買う」と考えた方がいいでしょう。夜間の外出は厳禁です。どうしても外出する際は旅行会社に車の手配をしてもらうのがベター。タクシーも安全とは言えません。
特にリオやサンパウロなどの大都会では人混みに紛れてスリに遭うことも有り得ます。リュックは前で持つ、現金はあまり持ち歩かずパスポートなどの貴重品はホテルのセーフティーボックスに預けておく、夜に出歩かない。これらのことをしっかり守って行動することが大切です。ちなみに私の母はハネムーンでリオのダウンタウンを散策中、真っ昼間にもかかわらずナイフでリュックサックを切られたのだとか。幸い貴重品はリュックの底のほうに入れていたため何も取られないで済んだそうですが、街歩きの際は十分に注意が必要です。
また、現地の人しか知らない「治安の悪い場所」というのも少なからず存在するので、街歩きの前にホテルの人にそういった情報をもらっておくのも一つの手でしょう。
反対にアマゾンなどの大自然が広がる地域ではそういった犯罪の発生率も少ないので、安心して旅を楽しむことが出来ます。それゆえに都会に戻って来た時気が緩みがちなので、最後まで気を付けた行動を心がけましょう。
ブラジルのグルメ
ブラジルと言えば世界屈指の牛肉大国。世界で最も肉牛の飼育数が多いそうで、国民一人あたりの牛肉消費量はなんと日本の6倍にも及びます。その理由は値段にあり、旨味がつまった美味しい牛肉が安価で食べられることから、ブラジルにおいて牛肉は欠かすことの出来ない存在になっているのです。この国に訪れたなら肉料理を食べないと始まりません!
シンプルに焼いたり煮込んだり、ブラジル国内でも様々な方法で食されている牛肉ですが、やはり日本人に一番馴染みがあるのはシュラスコでしょう。串に刺した大きな肉の塊を豪快に炭火で焼き、好きなだけスライスして食べるというこの料理。お店の人が各テーブルにまわって切り分けてくれるのですが、やはり目の前でこういった演出をしてくれるのはテンションが上がります。ブラジルでシュラスコを扱っているレストランに入ると大抵テーブルに置いてあるのがシュラスコのコースター。表が緑色、裏が赤色になっているこのコースターは、実はお店の人へのサインとなっています。「もっとください」が緑、「もう結構です」が赤と決まっていて、これを赤色にしない限りお店の人は何度でもテーブルにやってきてお肉をスライスしてきます。私はブラジルを訪れて初めてシュラスコの存在を知ったのですが、このコースターの仕組みを知らず緑にしたままで、延々と出てくる牛肉に「ノーサンキュー」と断りつづけていたことを覚えています(笑)
また様々な人種が暮らすブラジルでは主食も様々ですが、主に豆とお米がよく食べられています。お米はパラパラとした細長い外米もあれば、日本と同じ品種のものもあって、料理によって使い分けられています。
そのほかにも温暖な気候適していることからコーヒーやカカオ、フルーツの生産も盛んなブラジル。食後には是非本場のブラジルコーヒーを味わってみましょう。
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リオデジャネイロ
サンパウロに次ぎブラジル第二の都市であるリオデジャネイロ。「リオのカーニバル」と言えば誰もが聞いたことがあるのではないでしょうか。世界三大カーニバルの1つに数えられるその華やかなお祭りは、毎年4日間にわたり開催され、街中が熱狂的な雰囲気に包まれます。この時だけは老若男女、観光客を問わず一緒に盛り上がる、まさにリオの一大イベントなのです。
カーニバルやオリンピックのイメージが強いリオデジャネイロですが、実はその景観の美しさから世界遺産にも登録されている街。特にその海岸線が絶景で、グアナバラ湾は世界屈指の景観を誇ります。是非この美しい海岸は、街全体を見下ろせる丘の上から見てみましょう。リオ最大の見どころであるコルコバードの丘はキリスト像は勿論のこと、そこからの眺めも素晴らしく、この街の人気観光スポットになっています。
また、サッカー好きならスタジアムで試合を観戦するのもリオ観光の醍醐味です。魅力の詰まったこの街で思い思いに過ごしてみてはいかがでしょうか。
サンバ
アフリカ系住民の民族舞踊が起源になったと言われているサンバ。ポルトガルの植民地時代にブラジルで花開いたこの文化は、今や世界中で踊られているダンス音楽です。
本場ブラジルではカーニバルの期間だけでなく、劇場でサンバショーを鑑賞することも出来るのです。このショーの良いところはダンサーが客席まで降りてきて一緒に写真撮影にも応じてくれるところでしょう。ショーは夜の10時から約2時間。サンバショーと言っても前座でサッカー少女によるリフティングが披露されたり、カンドンブレ、カポエイラ、タンゴダンスなど様々なブラジルらしい催しが繰り広げられます。
そしてお待ちかね、肝心のサンバはというとやはりド迫力!大きく軽快なリズムに乗せて踊るダンサー達は、皆笑顔で楽しそうに自慢のダンスを披露します。華やかな衣装と美人ダンサーに会場は大盛り上がり。サンバショーはブラジルの夜を彩る最高のエンターテインメントなのです!
一通りダンスを見終わった後舞台に現れたのは小柄な司会者。彼が次々に世界中の国名を挙げていくと、その国からやって来た人が挙手。その様子に、本当に世界中から色んな人がこのショーを観に来ているのだと実感したのでした。そして次に行われたのが各国の歌紹介。「ジャポーン!」と言われて手をあげると言われるがまま壇上へ。ちょうどその場に居合わせた別の日本人観光客2人と「上を向いて歩こう」を歌わされたのでした。
こんな大勢の前で歌うことになるなんて…とやっと席に戻って落ち着いたのも束の間、次に司会者が発したのは「今日バースデーの人!」という言葉。実はこの日ちょうど11歳のバースデーを迎えた私。親に背中を押されて再び舞台へ。私とあともう一人、ノルウェーから来たおじさんが該当者だったようで、会場のみんながバースデーソングを歌ってお祝いしてく
れるという、貴重な経験をしたのでした。
コルコバードのキリスト像
リオデジャネイロの丘に建つ大きなキリスト像。ブラジルの観光スポットと言えばきっと多くの人がこのキリスト像を思い浮かべるのではないでしょうか。「コルコバードの丘」と呼ばれる標高710ⅿの切り立った丘の頂上に建つこの像は、今やこの国を代表するシンボル的存在です。
実は2007年に新・世界七不思議にも選ばれているこのキリスト像。全長38mの像をどうしてこんなに高い場所につくったのか、そもそも何故一般的なキリスト像と違って両腕を広げているポーズなのか、など不思議な点が多いです。
1922年から1931年にかけてブラジルの独立100周年を記念して建てられたこの銅像。なんでも設計の段階ではいくつかポーズの候補があったのだとか。磔にされたキリストなど一般的なデザイン候補があった中で今のデザインに落ち着いたのには、きちんと理由があります。実はこの両手を大きく広げている姿は、ブラジルに住む人の心の温かさやその包容力を表しているのだと言います。「神が見守る街」という意味をもつリオデジャネイロ。まさに街を見守るようにして高い丘の上に建つそれは、この街の人々の心の支えになっているのです。
午後になると逆光で撮影が難しいので、コルコバードの丘を訪れるなら午前中がオススメ。リオ観光の目玉であるためケーブルカーを待つ人で行列が出来ることもしばしば。いずれにしても早めに出かけて空いている時間を狙うのが良いでしょう。
エリア | リオデジャネイロ |
アクセス | 丘の麓の登山電車で20分。(30分間隔で運行) |
営業時間 | 8:00~19:00 |
定休日 | 無し |
入場料 | 登山電車の運賃→往復62~75レアル |
備考 | 午後は逆光になるので午前がオススメ。 |
サルバドール
ブラジル東部の港町サルバドール。1763年リオに遷都されるまで214年という長きに渡り首都として栄えていたこの町には、1570年代以降多くの黒人奴隷がサトウキビ農園の労働力としてこの地に連れてこられました。そのためサルバドールの民族構成は黒人、そして黒人とインディアナの混血が80%を占めています。
ここの見どころはなんと言ってもそのコロニアルな町並み。「黒人のローマ」と称されるほど町には教会やコロニアル建築が多く建ち並び、その分見るべき場所も多いです。
その中でも私が特にイチオシしたいのが、「奇蹟の教会」の別名を持つボンフィン教会。かつて海で遭難しかけたポルトガル船の船長が神に祈りを捧げたところ、ここサルバドールにたどり着いたんだそう。ボンフィン教会はその奇蹟に感謝して18世紀に建てられた教会で、ここで祈りを捧げれば願いが叶うとされています。
実は私の母もここボンフィン教会で祈って願いを叶えた張本人。長年子供を望んでいたもののなかなか子宝に恵まれなかった母。奇蹟が起こることを信じて訪れたのが、このボンフィン教会だったのです。するとこの教会を訪れてから11か月後、待望の子供が誕生。私が生まれたというわけです。
その奇蹟が起きてから10数年経ち、再びこの教会へと訪れる機会がありました。お礼参りを兼ねた訪問でした。教会前にはフィタと呼ばれるリボンが売られており、ミサンガのように手首に巻き付けてお祈りをします。リボンは自分で取ってはならず、自然に切れる時に願いが叶うのだとか。今思えば当時の私は「お母さんの目が良くなりますように」「自分の部屋があるもう少し広いおうちに住めますように」というお願いをしたのですが、現在その願いはそれなりに実現しているように思います。さすがは奇蹟を起こす教会。叶えたい望みがある方は是非この地まで足を運んでみてはいかがでしょうか。
エリア | サルバドール |
住所 | Largo do Bonfim, s/n – Bonfim, Salvador – BA, 40415-475 |
電話番号 | +55 71 3316-2196 |
営業時間 | 無し |
入場料 | <月曜>9:00~18:00 <火~木曜・土曜>6:30~18:30 <金曜・日曜>5:30~18:30 |
定休日 | なし |
入場料 | 無料 |
イグアス滝
先住民の言葉で「大いなる水」を意味するイグアス。ナイアガラやビクトリアフォールズと並んで世界三大瀑布の1つとして数えられていますが、実際のところ他の2つと比べてもイグアスの滝はスケールが桁違い!大小合わせて275の滝があり、最大落差80m、川幅は4kmにもなるというから圧倒されます。
ブラジルとアルゼンチンにまたがるようにして存在するイグアスですが、滝の全体像を見るならブラジル側から見るのがオススメ。毎秒65,000トンという途方もない量の水が流れ落ちる様子は大迫力です。ここでのメインイベントは滝の上に造られた鉄製の展望橋から見る景色。ものすごい轟音と視界が悪くなるほどの水しぶきは、さすが世界最大の名に相応しい。是非滝の雨に打たれてずぶ濡れになりながらそのエネルギーを感じてみましょう。
常に水しぶきが上がるイグアスでは虹もかかっているので、滝と一緒に写真に収めるのがSNS映えもしてオススメです。
しかし滝の迫力という点ではブラジル側よりアルゼンチン側のほうがオススメです。アルゼンチン側にある「悪魔の喉笛」は特に流れが激しいことで知られ、イグアスの滝に行くなら必見の場所。トロッコ列車で滝の近くまで行った後は、トレイルを歩いて滝の真上まで近づきます。そこからそっと見下ろすと、凄まじい迫力の滝を体験できるのです。イグアスの滝はブラジル側、アルゼンチン側両サイドでの観光が必須なのです。
所在地 | ブラジル・パラナ州(20%) アルゼンチン・ミシオネス州(80%) |
位置 | 南緯25度41分43秒 西経54度26分12秒 |
種別 | 段瀑、分岐瀑 |
滝幅 | 2,700 メートル |
最大落差 | 悪魔の喉笛: 82メートル (269 ft) 滝数 |
滝数 | 275 |
水系 | イグアス川 |
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レンソイス
ブラジルでまだ見ぬ絶景を探すならレンソイスは打ってつけでしょう。レンソイスとは雨季にだけ現れる幻の湖のこと。白い砂丘が風に吹かれることで無数のくぼみを作り、そこに雨水が溜まることによって生まれる絶景なのです。なんでもこの砂は水晶から出来ているらしく、日があたることで青く美しく輝きます。この砂丘は東京23区2個分以上の広さがあるそうで、まるで異世界に来てしまったかのような気分を味わえるのです。
しかしここで驚くべきはそこではなく、なんと言ってもこの湖に魚が生息しているということ。先ほども言ったようにレンソイスは雨季にしか現れない湖。当然乾季になれば水も干上がりただの砂丘へと戻ります。それでも毎年雨季になると、湖が出現するのに合わせて魚たちも姿を見せるから驚きです。謎は未だ解明されていませんが、砂に含まれるわずかな水分で乾季を乗り越え、雨季になると孵化する特殊な卵を産むのではないかという説が有力なようです。
なんにせよ、これだけユニークな景色は世界中を見渡してもここくらいでしょう。少し不便な場所にあるため日本ではあまり知られていませんが、非常に見応えのある場所なので一見の価値ありです。
エリア | バヘイリーニャスから北西へ15km |
アクセス | バスは運行されていないのでツアーに参加する必要があります。 未舗装の道路を片道およそ1時間半かけて移動。 |
備考 | 砂丘に湖が現れている様子が見たいなら、5~10月の雨季に行くのがいいでしょう。 |
アマゾン河&マナウス
アマゾンの真っ只中にあり、ブラジルの主要都市の一つでもあるマナウスは、かつてゴム産業で栄えた街です。ここの魅力はなんといっても悠々と流れるアマゾン川。
ネグロ川とソリモンエス川が合流する二河川合流地点はアマゾン観光ハイライトの一つです。川の合流地点の何がそんなに面白いのかと思うかもしれませんが、見て驚き!黒色のネグロ川と茶色のソリモンエス川、この二河川が交わることなく70kmも並行して流れているのです。このコントラストが起きるのは、それぞれの川の流れるスピードと、比重や温度が違うためと言われています。川に手を入れてみると、少しネグロ川の方が温かいように感じるはず。ソリモンエスはアンデスの雪解け水なので茶色く、ネグロは植物の成分が溶け出して、あの黒色になっているのだとか。
ここでの観光は勿論日帰りも可能ですが、せっかくならアマゾンの奥地にあるロッジで1泊してみるのも面白いでしょう。ピラニア釣りやワニ狩りにトライしたり、ジャングルハイキングを楽しんだり、きっと飽きることなく過ごせるはず。朝日に照らされたアマゾン川も違った趣があって感動すること間違いなしです。
エリア | ブラジル北部 |
アクセス | サンパウロから飛行機で4時間ほど リオデジャネイロから飛行機で4時間10分ほど |
備考 | 安全面を考慮して、安いホテルや夜間の外出は避けましょう。 |
パンタナール
イグアスの滝やサンバショーなど、非常にユニークな旅を楽しめるブラジル。しかし当時11歳だった私が特に気に入ったのは、サンバでもシュラスコでもなくパンタナールでのアクティビティでした。
そもそもパンタナールとはブラジル中央部に位置する世界最大級の湿地帯。野生動物の宝庫と言われていて、ここでしか見られない稀少な動物たちとも出会うことが出来ます。パンタナールは比較的交通の便がいい北パンタナールと、道路が無く空路でしか行けない南パンタナールの2つがあります。私は秘境っぽい南パンタナールへと行きましたが、結果この選択は大正解でした。今でこそ動物園の人気者となったカピバラも、元々はパンタナールに生息する動物。私は十数年前この場所で初めてカピバラの存在を知ったのですが、その後何年か経って日本にカピバラブームが来た時はとても驚いたのを覚えています。ネグロ川のほとりではこうした動物たちの姿を何度も見かけることが出来るので、パンタナールに来たらボートサファリは外せません。
そして特に私が一生の思い出として頭に焼き付いているのが、ピラニア釣りです。ピラニアというと獰猛なイメージがあるかもしれませんが、現地では簡単に釣れる魚として親しまれているよう。当時まだ小学生だった私もこのピラニア釣りに挑戦したのですが、釣り針の先に肉片をつけ川の中に垂らすと即ピラニアが!面白いくらいにどんどん釣れるピラニアに思わず大興奮。結局1人で12匹ものピラニアを釣り上げたのでした。そして面白いのはここから。私たちがピラニア釣りを楽しんでいる横でお零れを狙っているのは、なんとワニ!襲ってきたらどうしようと思っていたのも束の間、ガイドさんの取った行動にびっくりさせられます。なんとつい今しがた釣ったばかりのピラニアを針から外し、ワニの方へと投球!すると、じっとしていたワニがいつにない速さで近づいてきて、ガリガリバリッとそのピラニアを食べてしまうのです。こんな経験が出来るのはブラジルだからこそ。他にもジャングルの中の小道や水辺で乗馬体験をすることも可能で、身体を動かしたり非日常的な体験を楽しみたい人にとってパンタナールは最高の場所なのです。
エリア | ブラジル中西部 |
治安 | 良好。ただし拠点となるクイアバという都市は治安が良いとは言い難いので、注意が必要です。 |
サンパウロ
南米最大の都市であるサンパウロ。数多くの移民が暮らすこの街は、まさに「人種のるつぼ」という言葉が相応しい大都会です。なんとブラジル全土に190万人いる日系人のうち、40万人ほどがここサンパウロで暮らしているのだとか。東洋人街なんてものもあり、旅行中和食に恋しくなったらこの街を訪れてみるのもオススメです。街には赤い鳥居やちょうちんが並び、なんだか日本の地方都市のような趣。ラーメン屋などのオーソドックスなお店をはじめ、和菓子店、仏壇店まで多種多様な店が建ち並び、ここがブラジルであることを忘れてしまいそう。
私はサンパウロに滞在していた時、この東洋人街にある「ニッケイパレッセホテル」という宿を利用したのですが、非常に快適に過ごすことが出来ました。いくら旅慣れていると言っても、当時まだまだ小学生だった私。清潔感のある室内は勿論のこと、テレビをつければNHKが流れ、当然のように本格的な日本食が食べられる環境に大喜び!ちょうどその時NHKで流れていたのが将棋の番組。ルールなんて1ミリも分からなかったのですが、ただただ日本語というだけで嬉しくてずっと見ていたのを、今でもよく覚えています。
またこのホテルでは夕飯だけでなく朝食でも和食が堪能できるのが素晴らしく、ご飯やみそ汁、焼き魚、茄子の煮びたし、きんぴらごぼうなどを心ゆくまで味わえます。朝食は完全ご飯派の私はこのラインナップに感激。その旅行で1番の食欲を見せていたそうです(笑)
ホテルのスタッフをはじめ、街のいたるところで見かける日系人。顔は私たちと同じ日本人なのに日本語を喋れる人喋れない人がいたり、性格は完全に南米寄りだったり…遠く離れた異国の地でこんなにも「日本」を感じられるとは、なんだか不思議な気分を覚えるはず。ブラジルの中の「日本」を探しにこの東洋人街に訪れてみても面白いでしょう。
ブラジルへの行き方
ブラジルのゲートウェイはサンパウロとリオデジャネイロです。成田または羽田からアメリカン航空がダラス1回乗り換え。そしてダラスとマイアミでの2回乗継便があり、便数も多いです。ただし、当然2回乗り換え便は所要時間が余分にかかります。
また羽田からデルタ航空のアトランタ1回乗り換え便、成田からユナイテッド航空のニューアーク1回乗り換え便もあります。
日系の航空会社を利用したければ、ラタム航空という南米の航空会社を使うコンビネーション・チケットがおすすめです。この便は成田→ニューヨーク→サンパウロの路線を飛びますが、成田からニューヨーク間はラタム航空ですが、共同運航便扱いで、運行会社はJALになります。成田からニューヨークの往復がJALに乗れるというのがメリットなのです。特にビジネスクラスを利用する日系航空会社の価格は高いだけに、大きなメリットとなります。ただし、難点はニューヨークからサンパウロのラタム航空。機材やサービスに問題はありませんが、機内映画が日本語のものがないのが残念なところです。
南米への行き方はなにもアメリカ乗り換えばかりではありません。カナダのトロントで1回乗り換えてサンパウロへ行く方法も1つの案でしょう。
また変わったルートというと、中東経由も注目されます。成田、羽田、関空より、ドバイ乗り継ぎサンパウロ、リオデジャネイロ行きのエミレーツ航空はサービスが良く人気エアラインの上位常連組です。また成田、羽田よりドーハ乗り継ぎサンパウロ行きのカタール航空は5つ星エアラインに認定されています。成田、羽田からイスタンブール乗り継ぎのサンパウロ行きのターキッシュエアラインズもおもしろいルートです。トルコのイスタンブールに立ち寄れるのが魅力です。
ブラジルのツアー
ブラジル旅行で絶対に外せないのはイグアス滝、アマゾン川、パンタナール、レンソイス、サルバドール、リオデジャネイロの6箇所。しかし広大な面積を誇るこの国。6箇所全部まわろうとすると2週間以上必要になります。9日間, 10日間くらいだと3、4箇所くらいしか周遊できません。それゆえ、どこへ行くかのチョイスを考える必要があります。一応王道で3箇所を選ぶのなら、イグアス滝、アマゾン川、リオデジャネイロで9日間の日程になります。ただし、アマゾン川の観光を日帰りにする場合です。アマゾン川のロッジに滞在する場合は10日間の日程となります。また、この日程に無理をすれば入れられるのがサルバドールです。
アマゾン川のかわりに、パンタナールを入れて、イグアス滝、パンタナール、リオデジャネイロ周遊というのもおすすめです。日本人の知名度としてはアマゾンの方が有名ですが、大湿原パンタナールはアマゾン以上の魅力を持っています。特に未開発の南パンタナールがおすすめで、きっと一生の思い出が出来ること間違いなしです。
レンソイスは辺鄙な場所にあるため、レンソイスしか訪問しなくとも日本から8日間の日程が必要となります。
サンパウロは必見都市というほどではありませんが、南米最大の都市で人種のるつぼが醸し出す独特の雰囲気と、日系人社会の暮らしが理解でき興味深い町です。サンパウロはブラジルのゲートウェイなので、ブラジル周遊の旅で最後に1泊滞在し、帰国するプランもいいでしょう。
まとめ
いかがでしたか?私たち日本人に馴染みの深いブラジルですが、サッカーやコーヒーだけでなく、アマゾンの大自然やサンバのようなユニークな文化、そして願いの叶う教会まで様々な魅力が詰まった国なのです。治安は十分注意する必要がありますが、旅好きなら一度は訪れるべき国の一つです。きっと人生が変わるほどの最高の体験が出来ますよ!