南部アフリカにあり、ジンバブエや南アフリカなどと国境を接する国モザンビーク。恐らく日本人のほとんどは聞き馴染みのない国だと思いますが、美しい熱帯のビーチを持つ、アフリカでも指折りのリゾート地です。
遠く離れたこの国ですが実は意外なところで日本とのつながりがあるのです!その歴史は戦国時代まで遡り、あの織田信長とゆかりがあるというから驚かされます。今回はそんな未知の国モザンビークについて実際に渡航経験のある私がご紹介していきたいと思います!記事を読んで少しでもモザンビークという国に興味を持っていただければ幸いです。
モザンビークって、どんな国?
イギリスの影響を大きく受けてきた南部アフリカの国々の中で、異色の国があります。それがモザンビークです。8世紀頃にはアラブの交易都市として栄え、その後1498年にはポルトガル人のヴァスコ・ダ・ガマがモザンビーク島に到達したことがきっかけで、ポルトガルによる長い植民地化が続きました。
そんなモザンビークですが実は日本とも深い関係があり、なんと日本に初めて訪れたアフリカ人はモザンビーク人だと言われているのです。織田信長の時代にイエズス会の宣教師とともにやって来たそうで、その頃のモザンビークはポルトガル領アフリカの首都でした。
モザンビークはそういった歴史から、アラブ、ポルトガル、アフリカ文化が融合した世界でも独特の文化を誇っているのです。
モザンビークは2500kmに及ぶ海岸線があることでも知られています。ビーチとサンゴ礁が美しく、アフリカ大陸の中で海の美しさはトップ3に入ると断言できます。大規模な開発はあまりされていないのも魅力で、中でも透明度の高いバザルート国立海洋公園はおすすめです。
私は小さい時にこの国を訪問したのですが、一番の思い出はこのバザルート諸島での滞在です。美しいビーチ、そしてアイランドホッピングで見たイルカの群れは感動的でした。
また昔から食べることが大好きなので、バッフェで食べたエビも忘れることが出来ません。好きなだけお皿に盛ったエビをコックさんに焼いてもらえるのですが、美味しすぎて大皿に載せた10匹以上のエビを一人で完食してしまいました。そんなこともあり、私にとってモザンビークはエビの印象が非常に強いのですが、日本のスーパーなどでもモザンビーク産の高級エビはよく見られます。
モザンビークの治安、トラブルなど
アフリカの国々は貧富の差が激しく治安も基本的によくありませんが、モザンビークも例外ではありません。ただアフリカの国々の中ではまだマシな方とも言われています。しかしそれでも町歩きは気を付けたほうがいいでしょう。特に大都市である首都のマプトでは、できればガイドさんと一緒に行動するなどの慎重さが必要です。
また2021年7月現在、北部カーボ・デルガード州ではイスラム過激派の武装集団による襲撃が多発していて、危険度3に指定されています。このエリアへの旅行は延期してください。同州の州都ペンバはポルトガル風のコロニアル都市で、周辺のビーチとともに観光開発の途上でしたがしばらくは行けなくなりました。
モザンビーク入国に予防注射は必要ありませんが、この国の医療水準は低いのでそれなりの注意が必要です。一番気をつけないといけないのが、マラリアです。リゾートエリアでもマラリアに感染することがあるので、マラリア予防薬が必要です。蚊に刺されないように長袖に長ズボン、虫よけスプレーや蚊取り線香も必要です。リゾートエリアでは開放的な気分になりがちなので、より注意してください。
モザンビークは南北に長いため気候は場所により異なります。どこでも暑いわけではありません。首都マプトやバザルート諸島は熱帯ではなく、亜熱帯。6月から9月の冬の時期は最高28℃、最低13℃と気温は低めです。この時期は日本の5月から6月くらいの気温と考えてください。
首都マプト
モザンビークの首都であり、美しいビーチが広がるマプト。先述したようにアフリカでありながらアラブやポルトガルの雰囲気も感じさせる、独特の町並みが魅力の場所です。17年に及ぶ長い内戦も今や過去の話。現在のマプトは近代化が一気に進む国の中心都市となっています。リゾートホテルも多いので長旅の疲れを取るにももってこいです。
この町に来たら是非とも訪れてみて欲しいのが、町のシンボル的存在となっているマプト鉄道駅。エッフェル塔で有名なエッフェル氏が1910年に建てたことで知られ、実は世界で最も美しい駅10選にも選ばれています。駅は今も現役で使われていますが、駅舎内には昔実際に使われていた鉄道の設備や器具が展示されており見応えも十分。白とグリーンを基調とした建物はドーム型の屋根が特徴的で、ビクトリア様式の大理石のバルコニーも必見です。
インド洋に浮かぶ世界遺産の島、モザンビーク島
1991年に世界遺産に登録されたモザンビーク島。国名と同じ名前なのでややこしいですが、モザンビーク島はインド洋に浮かぶ細長い島。モザンビークの首都マプトからは北へなんと約2,200km!国内線を利用し、ナンプラ空港からこの島に向かうのが一般的です。本土とは全長3kmの橋で繋がっており、かつてはポルトガルの植民地の中心都市として栄えていました。
現在のモザンビーク島の基礎はヴァスコ・ダ・ガマの航路開拓の際に築かれたもの。日本でも有名なフランシスコ・ザビエルなどの宣教師も当時この島に滞在したのだと言います。一方でポルトガルの植民地となる前はアラブ人との交流も深かったそう。その為モザンビーク島にはポルトガルやアラブ、そしてインドの文化が入り交じったユニークな景色が広がります。
ここでは是非サン・セバスチャン要塞へ足を運んでみましょう。ポルトガル統治時代の現地最高機関であり総司令部が置かれていたこの要塞は高さ12m、幅780mの砦になっていて、ところどころ美しい装飾も施されています。1607年にオランダが侵攻してきた際にはシェルターとして約3か月間この場所に籠城したという歴史もあり、この島で最も重要な建築となっています。
モザンビークへの行き方
首都マプトへは成田発着カタール航空ドーハ乗り継ぎ、成田発着エチオピア航空アジスアベバ乗り継ぎが1回乗り換えで便利です。また南アフリカのヨハネスブルグまで行き、そこから南アフリカ航空でマプトに行くのもポピュラーです。日本からヨハネスブルグへは成田、羽田、関西、中部などからキャセイパシフィック航空で香港乗り継ぎ、成田、羽田、関西、中部などからシンガポール航空、シンガポール乗り継ぎなどが考えられます。
またモザンビークの地方都市へはヨハネスブルグから直行便があり、いちいち首都マプトに寄らずとも向かうことが出来ます。モザンビーク島のあるナンプラ、バザルート諸島のあるヴィランクーロ、ペンバなどに行く場合はそうしたフライトを利用するのも一案です。またペンバへはタンザニアのダルエスサラームからもフライトがあります。
モザンビークのツアー
日本でモザンビークのツアーを扱っている会社はほとんどありません。ファイブスタークラブは年中モザンビークのツアーを取り扱っている数少ない会社の1つです。モザンビークのツアーは、モザンビーク島とマプトを周遊するパターンが一般的ですが、お隣のエスワティニ王国(旧名スワジランド)とのコンビネーションが隠れた人気です。マプトから陸路でエスワティニ王国に入国し、2つの国立公園のサファリも楽しむという内容で、シロサイやクロサイにも出会えるのが魅力です。
せっかく南部アフリカまで行くのでビクトリア滝やケープタウンにも行きたいという人も多いかと思います。その点、ファイブスタークラブではそうした希望を取り入れたアレンジ旅行が得意なので、ワガママも聞いてもらえます。自分なりのアフリカ旅行を組んでみるのもおすすめです。