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ソーテルヌはフランスの誇る貴腐ワインで、極甘口で蜂蜜のような香味を持ち、デザートワインとして味わいます。そのワインの産地はボルドー郊外にあります。今回、そのプルミエ・クリュのぶどう畑の中に建つ13世紀の古いシャトーをリノベーションしたエレガントな「シャトー ラフォリー ペイラゲ ホテル&レストラン ラリック CHATEAU LAFAURIE-PEYRAGUEY LALIQUE」に滞在し、大好きなソーテルヌを味わいつつ、素晴らしいディナーを満喫しました。その詳細をご紹介いたしましょう。
ソーテルヌのブドウ畑に建つ優雅なオーベルジュ
ボルドー郊外、ソーテルヌのプルミエ・クリュのぶどう畑の中に建つ13世紀の古いシャトーをリノベーションしたエレガントなシャトーホテル&オーベルジュが「シャトー ラフォリー ペイラゲ ホテル&レストラン ラリック」です。
ガラス工芸品やジュエリーで知られるルレ・ラリックが買い取って作り上げたので、とても洗練されていて、エレガント。昔ながらのシャトーホテルのサービスにモダンで快適な設備。もちろんあのルレ・エ・シャトーのメンバーのホテルです。
フロントスタッフの1人のおじさんは片言の日本語を話しかけてきて何かと親日的。どうして話せるのと聞くと、昔パリのニッコーホテルで働いていたことがあるとか。そんな人がいるだけで親密感が湧いてきます。
宿泊したのは40平米の上品なインテリアのスイートルーム。ぶどう畑ビューのお部屋で、家具もリネンもフランス風。クリスタルのシャンデリアはさすがラリック!!バスルームはすっきり美しいけれどシャワーのみ。レインシャワーが幅ひろくドーッと出るので温かくて満足です。
シッティングエリアには額縁のついた格式ある大画面TVが。
ミニバーには大ボトル(ビン)の水やユニークなジュースがフリー。エスプレッソマシーンと湯沸かしポットあり。アールグレイのグリーンティもありました。
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レストランはガストロノミー「ラリック」とカジュアルでも美味しい「テラス」のふたつ
レストランは2軒あります。メインのガストロノミーレストラン「ラリック」はミシュラン2つ星です。料理もサービスも超一流で素晴らしいディナータイムです。
「テラス」はカジュアルなレストラン。ここも想像以上に美味しい料理が出ました。
「シャトー ラフォリー ペイラゲ ホテル&レストラン ラリック」はワイナリーホテルでもあります。ホテルの中で毎日ワインテイスティングツアーが開かれます。(英語のみ)英語は専門用語で聞き取りにくいです。やはりテイスティングツアーは日本語でないとダメだと思いました。説明の後は、3種のワインの味見。白1つと甘口ソーテルヌ2つ。3つのおつまみがついていて美味しく楽しい時間でした。
レストラン「ラリック」は最高にエレガントです。天井は、クリスタル製の「ブドウ畑の空」 を思わせる照明で装飾されており、アール・ヌーヴォーのガラス工芸家 ルネ・ラリックの世界そのものです。料理はソーテルヌのテロワールから生まれるワインにインスパイアされたもの。スターシェフのジェローム・シリングはハーブ入りのソーテルヌソースでフォアグラを漬け込んだり、お肉をやわらかくするためにブドウの搾り汁を利用したりするなど、ブドウが本来持つ力を引き出し、今までにない味わいを生み出しています。
4コースディナー135ユーロの内容とは?
Le Terroire du Sauternais 4コース 135ユーロ
★アミューズ これはメニューには入っていません。ユニークなシャトーのボトルにひっかかるかたちのお皿に3つ載せられて登場。
ここでスターシェフ、ジェローム・シリング氏が出てきて丁寧な挨拶と、お店の歴史を語ります。コンセプトを話し、アミューズを説明。さすがにフランスの2つ星レストランともなると、シェフが挨拶するのが当たり前。日本とは大違いです。シェフは少しアジア系か中東系の入った顔立ちで小柄で物腰柔らかで感じのいい方です。サービス担当も親切でいい人。
アミューズのコンセプトは3つ。
フレッシュ→ライ麦のクラッカーにソーテルヌでソティしたチキンを載せて
酸味のある→ラズベリーで酸味をつけた野菜をパリッとした海苔の上に載せて。
スムーズな→蒸しパンに上に生ハムとか。
★前菜 これもまだメニューにない品です。カリフラワームースにキャビア添え。美しい皿です。
★パン パンには塩入りバターと、プチぶどうの形の、ぶどうを練り込んだ酸味ある黄色いバター
ラリックの料理は目で魅了され、その後味に魅了される
★1皿目・・・キュウリのタルタルと大根のムース泡、ソーテルヌのカンテサンス、きれいな花の飾り、とても美しく不思議な料理。凝っています。
★2皿目・・・色鮮やかな野菜の盛り合わせ、エルダーフラワーを添えて。地中海の野菜とシトラスのパレットをイメージ。一緒に添えられたお皿にはジャガイモのパンケーキの生クリームがけ。
★3皿め・・・ジンとソーテルヌでマリネした卵を載せて リゾット用米のリゾットとブロッコリー。洗練されたリゾットです。いろいろな味が次々と。卵の殻に入った黄身をリゾットにかけていただきます。
★4皿め・・・デザート。柚子のソースをかけたレモンの雲。それにキャビアを添えます。ユニーク。柚子はフランスのレストランでかなり流行っていると実感しました。
家族はLe Grain Noble 4コース 150ユーロを選択。石鯛のテリーヌ風、イカのソティ、仔牛のカツレツ、デザートの4皿でこちらもきれいで美味しい品でした。
テラスのレストランのランチも個性的
カジュアルレストラン「テラス」。文字通りテラスのレストランでランチを取ります。今年のフランスの夏はとんでもなく暑い。パラソルの下でも35℃はありそう。アラカルトメニューは珍しく英語メニューがありました。「テラス」ではミシュラン2つ星のスターシェフ、ジェローム・シリング氏の後継者ともいうべきアレジェンタ・モヨ氏による洗練されたBBQ体験が楽しめます。メニューは世界中のぶどう畑からインスパイヤーされたもの。新世界であるチリ、アルゼンチンなどから旧世界であるイタリア、スペイン、ギリシャまで、いろいろな国の影響を受けた料理なのです。
テーブルを担当してくれたのは、昨夜の2つ星ガストロノミーレストラン「ラリック」でサービス担当してくれた物腰柔らかなおじさん。昼はこちらのレストランで仕事するようです。もちろん2つ星のサービスをしてくれます。
Plate of tapas from around the grobe 地球一周のタパス 20ユーロ 意外とボリューミー。
★石鯛のカルパッチョ・・・少し甘めのソーテルヌのビネガーにグレープフルーツとオレンジ、ネギ乗せ。さっぱりしていて美味しい。
★カマンベルとシェーヴルとサラミをたっぷり大皿に
★小皿にアボガドのペースト
★甘くて美味しいカラフルプチトマト
★バナナのチップス
Varnished yellow chicken from the landers,creamy smoked corn of Cuzco 若鶏のペルー風 20ユーロ 地元のチキンとクリーミースモークのクスコのとうもろこし。2人でシェアしてちょうどよい。野外での炭火焼きのバーベキューが供されます。チキンの味は絶品。
Sicilian Cannoli with ricotta and raspberries 7ユーロ
クリーム包ものシガー風、リコッタとラズベリー添え。
パン(ポテトフォカッチャとバゲット) カフェクレーム ✕ 2つ
お手軽メニューでしたが、満足できる内容でした。おすすめできるレストランだと思いました。