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シベリアには何がある?行きたい!知りたい!見たい!

ロシアの国樹 白樺<バイカル湖近郊>

ロシアの国樹 白樺<バイカル湖近郊>

「シベリア」と聞くと何を思い出しますか?犬のシベリアン・ハスキー(ちょっと古い話で恐縮ですが漫画「動物のお医者さん」に出てくる犬のチョビ君とか?)それとも旅人の憧れ、ロシア横断シベリア鉄道でしょうか?世代によっては流刑地のイメージも強いかもしれませんね。
ちょっと暗い冬のイメージが強いシベリアですが、シベリアへ旅をするならベストシーズンは夏になります。マイナス40℃から50℃にもなる冬の極寒のシベリアもシベリアらしくはありますが、薄着の分荷物も身軽に旅して、青く澄んだ湖や緑豊かな原始林、広大なシベリアを是非楽しんでいただけたらと思います。

シベリアとはそもそも何処でしょう

バガヤビリェーンスキー聖堂<イルクーツク>

バガヤビリェーンスキー聖堂<イルクーツク>

一言にシベリアと言っても、何処なのだろうと思われるかもしれません。なんとなくロシアなのはわかるけど・・・。意外と海外の場所って知っているようで知らないことも多いですよね。簡単に説明しますと、ユーラシア大陸北部、ウラル山脈から太平洋岸に至るロシア連邦領アジアの総称で、ユーラシア大陸のほぼ中央を占めるロシア連邦全土の約57%にあたる980万㎢という日本の国土の約26倍というとてつもなく広い範囲になります。

F144344

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シベリアの主な都市には、その街の美しさから「シベリアのパリ」と言われる「イルクーツク」。イルクーツクの街の中心を優雅に流れるアンガラ川は、まるでハンガリーのブタペストを流れるドナウ川のようにとても優雅で美しい川です。川沿いをゆっくり歩いて散歩をすればウラジオストクやハルビンの原型ともなった美しい街並みを楽しめます。他にシベリア地方の政治・経済の中心地「クラスノヤルスク」や、モスクワ、サンクトペテルブルグに次ぐロシア第3の都市「ノヴォシビルスク」、ロシア有数の工業都市で、ロマノフ王朝終焉の地でもある「エカテリンブルグ」などがあります。

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旅人の憧れ シベリア特急

シベリア鉄道<イルクーツク>

シベリア鉄道<イルクーツク>

シベリア鉄道でウラジオストクからモスクワ迄9.259キロ。稚内から鹿児島間の約3倍の距離を全線走破するには6泊7日かかりますが、旅好きなら是非一生に一度は乗車したい憧れの列車でもあります。たしかに、長い距離を飛行機でスマートに移動するのは簡単ですが、鉄道の旅には飛行機にはない魅力にあふれています。だんだんと変わる車窓からの風景や、その土地のスーパーマーケットでローカルな食料品を買い込んで車内で食べたり、駅に売りに来る売り子さんとのやり取りを楽しんだり、列車で一緒になった方と話したり、駅員さんの制服をみたり、見慣れない文字の切符や、駅の時刻表や時計、古い駅舎など上げればきりがないほど電車の旅の楽しみ方は沢山あります。

シベリア鉄道 車窓からのバイカル湖

シベリア鉄道 車窓からのバイカル湖

シベリア鉄道を全線乗車は時間的に難しくても一部乗車でシベリア鉄道と同区間を走る列車に乗車することは可能です。イルクーツクからモンゴル系ブリヤート人が多く生活するウラン・ウデまでは片道約8時間。バイカル湖沿いを走るので、湖、台地、白樺の木々など大自然を車窓から楽しむ事ができます。是非目的地だけではなく、移動時間も楽しむ旅を体験してみて下さい。

バイカルアザラシに会おう!

バイカル・アザラシ<オリホン島>

バイカル・アザラシ<オリホン島>

バイカル湖は世界最古、世界で最も深く、貯水量も世界一の湖です。シベリア連邦管区のブリヤート共和国とイルクーツク州・ザバイカリエ地方に挟まれた三日月型の湖で、琵琶湖の約47倍にも及ぶ海のように巨大な大きさを誇ります。湖水の透明度は40メートルにもなり、その美しさから「シベリアの真珠」とも言われています。この湖のみに生息する生物も多く、1017種もの固有種を持つため、「東洋のガラパゴス」とも言われ1996年には世界自然遺産にも登録されました。

バイカル湖博物館<リストヴァンカ/バイカル湖>

バイカル湖博物館<リストヴァンカ/バイカル湖>

中でも世界で唯一淡水のみに生息するアザラシのバイカルアザラシは夏のシーズンにはバイカル湖に浮かぶ最大の島オリホン島等湖全体に分布しているので、遭遇するチャンスが!!冬季やアザラシ探しの時間が無い時は、湖観光の起点になる町リストビャンカにバイカルアザラシのいるバイカル博物館や、ニェルピナーリー水族館で、大きなかわいい目を持つバイカルアザラシに会えるので安心してください。

ギネスにも登録!ウランウデ 世界最大のレーニン頭像

高さ7.7メートル ソビエト広場レーニンの頭像<ウランウデ>

高さ7.7メートル ソビエト広場レーニンの頭像<ウランウデ>

シベリアの中でもモンゴルに近いロシア連邦ブリヤート共和国の首都ウラン・ウデという町はロシアの中でもとてもユニークな場所です。ロシア内における共和国とは、ロシア民族以外の民族が郷土としている地域に建てられています。人口の約3割の人が仏教を信仰するアジア系のブリヤート人で、ブリヤート人は顔もモンゴル系で日本人にとてもそっくりの為、ここがロシアである事を忘れてしまいそうになります。
町の中心にはその大きさからギネスブックにも登録されたという巨大なレーニン頭部像があるのですが、頭部だけというのは見慣れないためかなんともおかしくて、写真を見返すたびにくすりと笑ってしまいます。

リンポチェ・バフシャ<ウランウデ>

リンポチェ・バフシャ<ウランウデ>

ブリヤート人はチベット仏教の信徒が多く、市内の高台にはリンポチェ・バグシャ寺院があります。ここは市内全体を見晴らせるとても心地よい場所で、タルチョと呼ばれる5色の旗が風にたなびく様はとても綺麗です。タルチョには経文が書かれており、この旗を飾り、それが風になびく度に、読経したことになるというチベット仏教の信仰の1つになります。

世界無形文化遺産 ロシア古儀式派 セメイスキエの村を訪ねる

古儀式派セメイスキエ<ウランウデ郊外>

古儀式派セメイスキエ<ウランウデ郊外>

ウラン・ウデから南へ車で約50キロ走らせると、独自のカラフルな装飾が施された家々の集落をいくつも見かけます。これらはセメイスキエと呼ばれるロシア古儀式派の人々が暮らす村々です。古儀式派とは、ロシア正教において主流派から外れ、古い様式を守る宗派のことを指します。17世紀に宗教改革のあおりを受けて、ポーランドや南ロシアに逃れた後、18世紀後半に政府の融和政策によって呼び戻されシベリアに移住してきた民族で、独特の信仰、文化、生活習慣を守り受け継いできました。「セメイスキエの文化的空間と口承文化」は2001年にユネスコの世界無形文化遺産にも登録されております。

古儀式派セメイスキエ/伝統的な歌<ウランウデ郊外>

古儀式派セメイスキエ/伝統的な歌<ウランウデ郊外>

セメイスキエの集落の家は色とりどりにペイントされ、窓枠や門には草花や鳥のイラストが描かれるなど、鮮やかな色彩で飾られています。衣装も独特のスタイルを守り、横縞模様のカラフルなエプロンをまるで花嫁さんのように重ねるスタイルが特徴的です。そして、セメイスキエを象徴するのが合唱です。地域ごとに独自の合唱団があり、民族衣装に身を包んでゆったりとしたハーモニーを聞かせてくれます。歌い継がれてきた時間を感じながら旅を噛みしめるのは、景色を楽しむとはまた異なる旅ならではの至福の時間です。

シベリアへ行ったら何食べようかな?

ロシア料理(ぺリメニ)<イルクーツク>

ロシア料理(ぺリメニ)<イルクーツク>

ロシア料理の定番と言えば、「ボルシチ」・「ピロシキ」・「ビーフストロガノフ」などでしょうか。世界一の国土の広さを持つ国ロシアには、まだまだ日本には馴染みの無い料理でも美味しいお勧めの物が沢山あります。実際に食べて美味しかったものは沢山あるのですが今回は2つ紹介したいと思います。
1つ目は、ロシア風水餃子の「ペリメニ」小麦粉と卵をぬるま湯(又は牛乳)で練って作った薄い生地に、肉やジャガイモ、野菜などを一口大に帽子型に包んで、コンソメスープで茹でます。食べ方としては、そのままサワークリームをかけて食べたり、ゆでた後に揚げた揚げペリメニや、コンソメスープに浮かべてペリメニスープなどアレンジメニューが沢山あります。特に茹でたてのつるつる、モチモチ食感がとっても美味しくて癖になります。

バイカル名物オームリ<リストヴァンカ/バイカル湖>

バイカル名物オームリ<リストヴァンカ/バイカル湖>

2つめのお勧めはバイカル湖の名物料理オームリです。オームリはバイカル湖固有の魚なのですが、地物って旅先でなんだか食べておきたくなりますよね。食べ方はいろいろあり、マリネしてサラダや、トマトなどの野菜と煮込み料理にしたり、燻製や、フライ等。味が淡白なのでとても食べやすいです。バイカル湖を眺めながら、シンプルに焼いたオームリにロシア風ピラフ(プロフ)を添えていただけば、自然の恵みを口の中一杯に楽めて、旅の思い出の味になる事間違いありません。

少し余談。。シベリアという名前のパン

懐かしのパン シベリア

懐かしのパン シベリア

突然ですが、シベリアというパンを知ってますか?カステラに羊羹がサンドされた、レトロな雰囲気の菓子パンなのですが、このシベリアパン。名前の由来には諸説あり発祥が謎なのが面白いです。

1、シベリア鉄道説・・カステラの部分を雪原、羊羹の部分をシベリア鉄道の線路に見立てて「シベリア」と名付けたという説。
2、ツンドラ(永久凍土)地層説・・・シベリアパンの断面が、シベリアのツンドラ地層に見えることから「シベリア」と名付けたという説。
3、シベリア出兵説・・・シベリアパンが生まれたとされる大正の時代にはシベリア出兵があり、日本からも多くの人が兵士としてシベリアへ向かいました。その為シベリアは日本人にとって身近な地名で、洋風パンとして名付けられたという説。
4、日露戦争に従軍した菓子(パン)職人が作った説・・・日露戦争(1904年)日露戦争に従軍した菓子職人が考案した説他多数。

今ではあまりみられませんが、大正・昭和の時代にはどのパン屋さんでも売っていたそうです。ジブリ映画の「風立ちぬ」に登場したこともありますし、大手パンメーカーの山崎製パンは、「三角シベリア」「シベリア デラックス」という商品のラインナップがあり、関東を中心に令和3年現在も販売しています。そういえば祖母の家で食べた事あるという人もいらっしゃるのでは?

シベリアをいただきます。

シベリアをいただきます。

せっかくなので私も久しぶりにシベリア購入してみました。
JR小田原駅東口の横町、うらちょう商店街にある大正6年創業の「ブランジェ昇平堂」自家製のあんで作られたシベリアはきめが細かいふわふわの生地に滑らかなあんこがたっぷりです。タイミングが会えばJR小田原駅の売店でも購入できるので観光で訪れた際には試してみて下さい。

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まとめ(最後に)

セレンガ河/眠れるライオンにて<ウランウデ郊外>

セレンガ河/眠れるライオンにて<ウランウデ郊外>

シベリアってなんだか独自の文化があって、一言では言い表すのが難しいのですが、とても興味深い場所です。日本で言うとアイヌ民族のように、世界中には本当に沢山の民族がいて、同じ国、同じ地球の中でも長い歴史の中で人々が守ってきたものに触れる事はなんて有意義な時間なのだろうかと改めて感じました。是非一度シベリアを訪れてみて何かを感じていただけたら嬉しく思います。

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