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太陽が燦燦と輝きレモンやオリーブが実る、イタリアの中でも明るいイメージのシチリア島。地中海の島の中でも一番大きく、その歴史も複雑で様々な文化を取り入れてきた島で、本土とはまた少し違う歴史を持ちます。東海岸にはリゾート地、南部にはバロックの町、西部には古代ローマ遺跡、北部にはエキゾチックな都市パレルモがあり見どころが多い島。その全てを1回の旅行で周るにはやはり無駄のない効率のいいルート作りが必要です。ここではその一例として充実したルートをご紹介いたします!
シチリアの玄関口<カターニャ>から
シチリア島にある国際空港はカターニャとパレルモの2つ。今回は東の玄関カターニャからスタートしましょう。カターニャへはローマなどのイタリア国内や、ヨーロッパ、中東各地より空路で入ります。空港からカターニャの街へはバスを利用して約20分。この街は紀元前に造られ、以後ローマ、ビザンチン、イスラムなど様々な文化の中で繁栄を続けてきました。背景に聳えるエトナ山の噴火や大地震をも乗り越え、シチリアの第二の都市となっています。
カターニャでの観光の拠点は旧市街。ここ旧市街には11世紀に建てられた美しいドゥオーモをはじめ華麗なバロック様式の教会が建ち並び、見て回るだけでも豪華さに溜息がこぼれます。旧市街から延びるエトネア通りにはオシャレなカフェやブランドショップも集まるので、ここで一休憩もいいですね。
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東海岸で絶対寄りたいリゾート<タオルミーナ>
カターニャからバスで約1時間10分、東海岸線の美しいリゾート地タオルミーナへ向かいます。カターニャから電車でも行けますが、タオルミーナの駅はいわゆる観光地からかなり遠くなります。タオルミーナの中心は山の上になります。メインストリートとなるのがウンベルト1世通りで、レストランやショップが並び観光客で賑わいます。この通りから脇に入ると見えてくるのがイオニア海をバックにしたギリシア劇場です。
中心部はお店をぶらぶら見ながら歩いても3時間もあれば十分歩けてしまう広さ。路地にはシーフードを店先に並べたレストランも多く夜には素敵な雰囲気です。天気のいい日はロープウエイで麓の海岸まで降り、絵の様に美しいイソラ・ベッラを眺めながらビーチでゆっくりするのもいいですね。夏は水着やサンダルを持参しましょう!
ノート渓谷の美しい<バロックの町々>へ
タオルミーナを早朝に出発、専用車で南下し、世界遺産となっている「ノート渓谷の後期バロックの町々」へ向かいます。1693年1月に起きた大地震によってノート渓谷一帯の町々は破壊されましたが、その後再建により後期バロック様式で統一された美しい町々へと生まれ変わりました。この辺りはいくつかの町を1日で周れる専用車を利用するのが効率もよくおすすめです。
今回はラグーザ→モディカ→ノートと周りましょう。町々は丘や山の斜面に建てられた事もあり坂道や階段が多いので眺めもよく、道は碁盤の目状で、まるで映画のセットの様な整った町並み。
大聖堂など壮麗なバロックの建物に溢れる町で、バルコニーの美しい装飾なども見ながらゆっくり歩いて楽しみたいですね。
古代都市<シラクーサ>で海の幸を満喫
専用車で小さな町々を巡ってから宿泊はシラクーサに。シラクーサは古代遺跡の残る、古代都市。この町は見どころも多いので数泊するのもオススメです。町の中心はオルティージャ島側で、紀元前に建てられたアテネ神殿が姿を変えた美しいドゥオーモを中心に、レストランやショップが集まります。市場ではイオニア海で獲れた新鮮なシーフードも売られ、その場でスパークリングワインと共に生牡蠣もいただけます。
陸地側の見どころと言えばネアポリス考古学公園。ここにはシチリア最大級、紀元前3世紀のギリシア劇場、すり鉢状の3~4世紀の古代ローマ円形闘技場など、ギリシア・ローマ時代の発掘地域として考古学好きにはたまらないエリアです。シラクーサの宿泊は列車移動に備え、陸側のシラクーサ駅付近に。
シチリア最大の文化都市<パレルモ>
シラクーサから列車で約3時間半、シチリア州最大の都市パレルモ。長い歴史の中、様々な国、民族にその身を委ね多様な文化を開花してきたミュージアムの様な都市です。特に注目したいのがイスラム文化との融合様式建築。旧市街に建つカテドラーレ、ノルマン王宮などイスラム色の濃い部分がありながらそれを活かしつつヨーロッパ調に仕立てられた建物に、「世界一美しいイスラムの都市」と語った文豪ゲーテの言葉も頷けます。
世界遺産となっている「アラブ・ノルマン遺跡」に含まれる建物群はパレルモのハイライト。町から少し離れた所にある大聖堂も素晴らしいので是非足を延ばしたいですね。また、新市街はオシャレなカフェやショップが集まり観光スポットもあるのでここでも丸一日、と考えるとパレルモは数泊必要かもしれません。
ニューシネマパラダイス舞台<パラッツォ・アドリアーノ>
1988年に公開されたイタリア映画「ニューシネマパラダイス」。日本でも大ヒットとなり、シチリアの美しい田舎町に憧れる人も増えた傑作映画です。この舞台があるのがパレルモから約2時間のところにある町パラッツォ・アドリアーノ。パレルモから日帰りで行ける距離ですが、公共の交通手段が不便のため、専用車利用をオススメします。
山の上にあるこの小さな町には、映画のロケ地であった広場や教会がそのままの姿で佇み、まるで映画の中に入ってしまったかの様。ニューシネマパラダイス博物館には撮影で使われた自転車や椅子などが展示されていてファンには必見です。また当時映画関係者が食事をしていたレストランなどもあるので半日位ゆっくり滞在するのもいいですね。
緑の丘に美しい神殿が残る<アグリジェント>
緑の多い緩やかな丘陵地の高台に聳え立つ荘厳なギリシア神殿。ここが約2500年前にギリシャ人によって造られたアグリジェントです。観光のハイライトは「神殿の谷」に残る数々の神殿跡。中でもギリシャ神殿建築の最高傑作としても名高いコンコルディア神殿は、美しいドーリス式の円柱を残す価値の高い神殿です。また円柱が残るヘラクレス神殿やヘラ神殿なども周囲の緑とのコントラストが美しく、この風景に古代ギリシャへの思いを馳せさせられます。
アグリジェントへはパレルモより車や列車利用で約2時間、日帰りでもいける距離ですがホテルもあるので宿泊して観光客の少ない朝に散歩するのもいいですね。また、専用車を利用してパラッツォ・アドリアーノと日帰りで一緒に周るのもオススメです。
まとめ
シチリアでぜひ訪れたい都市を「カターニャ」→「タオルミーナ」→「ノート渓谷のバロックの町」→「シラクーサ」→「パレルモ」→「パラッツォ・アドリアーノ」→「アグリジェント」と専用車、列車を使い周遊をご案内しました。日数は各町に何泊するかで変わりますが、最短で5泊あればひとまずこの町々は周れます。私としてはもう少し贅沢に7泊位はオススメしたいところですが。
シチリアではシーフードも美味しく、ワインも作られ、「食」も楽しみです。次の旅先に、太陽の光がたっぷり注ぐシチリアも候補にしてみてください。