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知られざる珠玉の町が多く点在する南西フランス。まるで絵を眺めているかのような美しい風景で心が癒やされる田舎です。初めてこの場所を訪れた時、こんな場所がフランスにあったんだと再認識しました。まさに辺境というにふさわしい田舎。これもフランスの魅力の1つなのです。パリやモンサンミッシュルだけがフランスではありません。むしろこのエリアこそ、究極のフランス旅にふさわしいのではと思うのです。
南西フランスへの誘い
中世の時代サンチアゴ・デ・コンポステーラを目指してヨーロッパ中から巡礼者が集まったエリアがあります。今もその姿は昔のまま、旅人を温かく迎えてくれます。遠くサンチアゴだけでなく、宿場町コンク、奇跡を呼ぶ泉の湧く聖地ルルド、黒いマリアの聖地ロカマドゥールなどへの巡礼者も絶えることはありません。また、時空を超えたような数々の美しい村々は現代の旅人に心の安らぎを与え、魅了します。このエリアこそ、南西フランスなのです。
魅力的なのは風景だけではありません。フォアグラ、トリュフからローカルフードまでの美味しい食事、ワイン、スィーツ、そしてさまざまな工芸品。これらも見逃せません。
雄大なピレネー山脈、荒涼たるカルスト台地、美しい渓谷など、フランスの他の地方では見られない地形のせいで、交通の便は悪く、日本ではあまり紹介されていませんでした。
南西フランスは、はっきり言って超田舎です。辺境といってもいいでしょう。
しかし、だからこそ、南西フランスは訪れる価値があるのです。
パリ、モンサンミッシェル、コートダジュール、プロヴァンス・・・。フランスの大観光地だけがフランスではありません。フランスにもこんな場所があったんだと思えるのが、ココなのです。
フランスが大好きな人にはもちろん、フランスなんて・・・と思う人にこそ、この辺境の地、南西フランスをおすすめします。
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世界遺産&巡礼の町コンクは是非宿泊したい
フランス側に4つあるサンチャゴ巡礼路の中のル・ピュイルート上、ミディ・ピレネーの谷あいに位置する世界遺産のコンク。このの村は聖地に向かう宿場町としてストイックで重厚な、祈りの地にふさわしいどこか霊的な魅力を漂わせています。小さく華やかでもないのに見る者を魅了する不思議な村です。ロマネスク様式のサント・フォア教会の2つの塔を取り囲むような家々が織り成す1枚の絵のような風景。坂道が多く変化に富んだ眺めが魅惑的です。
石の文化のフランスならではの建物で、屋根は灰色の片岩(天然スレート)でできているので全体にグレーの印象を受けるコンクの村。教会の入口にある最後の審判をモチーフにした「タンパン」のレリーフは必見です。
コンクは数ある「フランスで最も美しい村」の1つですが、レベルはトップクラス。ぜひとも日帰りでなく宿泊して、この村の良さを堪能したいものです。もちろん、この町の名物チーズとポテトを混ぜて作ったアリゴにはぜひともトライして。
幻想的な村コルド・シュル・シエル
フランス語で「空の上のコルド」の意味を持つミディ・ピレネーの村コルド・シュル・シエル。標高291mの丘の上にある城砦の村で中世のムードが残る美しい所です。草原の上に雲海がたちこめその上に顔を出す集落の風景は幻想的で雲の上に浮かぶ「天空の町」と呼ばれています。村の中に入ると石畳の坂道が続き情緒満点です。
80体の蝋人形が中世のこの地の暮らしを再現しているイストラマ博物館やゴシック様式の石造りのサンミッシェル教会。砂糖の美術館では砂糖の彫刻や工芸品、コルド名産のアーモンド焼き菓子クロカンやチョコレートをコーティングしたアーモンドのキャラメル「コルドの石」が販売されているのでお土産にゲットしたいですね。
奇跡の村、世界遺産のロカマドゥール
トゥールーズから車で3時間半、フランスらしい丘陵地帯を走っていると、遠くに絶壁に張りつく小さな村が見えてきます。それがロカマドゥール。ロカマドゥールのロカはロックのことで、岩の中にできた教会はキリスト教69の巡礼地のひとつ。聖堂などは聖域になっており、世界遺産に指定されています。かつてたくさんの奇跡を起こしたといわれるこの場所は特に船乗りたちに信仰され、今もそれにまつわるものが残っています。
一つひとつ見つけながら歩くのも楽しいもの。たった100メートルの村のメインストリートにはレンガの家々が並び、かわいらしい街並みです。ロカマドゥールはヤギのチーズでも有名、チャンスがあればぜひ味わいたいグルメです。
崖の上の可愛らしい村サンシルラポピー
南西フランス、ケルシー地方からペリゴール地方にかけては、雄大なピレネー山脈、荒涼たるカルスト台地、美しい渓谷などの起伏に富んだ地形です。サンシルラポピーはそんな地形の中で、ロット川を見下ろす崖の上に築かれた可愛らしい村です。戦火を免れたことから、13~14世紀に建てられた建造物が多く並び、村の中心に位置するサン・シル教会は歴史的建造物に認定されています。
「フランス人が好きな村2012年」にはNo.1に選ばれました。夏には窓辺が花で飾られ、芸術家にも愛されるこの美しい村は、確かにフランスの数ある最も美しい村の中でも最高峰の1つというのは間違いないかと思います。
中世の町サルラとその周辺
ぺリゴール地方の南部の中心地サルラは、17世紀頃の建物が1962年の「マルロー法」(当時の文科相アンドレ・マルローが提唱した歴史的街並み保存のための法律)によって見事に復元された、博物館のような町並みが見事です。中世から17世紀の建築が混在していますが、繊細な装飾の施され建物がいたるところに見られます。また美食の故郷だけあって、フォアグラなどが安く食べられる美味しいレストランも多く、この町での1泊は楽しみが尽きません。
また、サルラ近郊には先史時代の見事な壁画が残された有名なラスコー洞窟の復元版、世界遺産のラスコーIIがあります。複製とはいえ見事に描かれた壁画は感動的。
ドルドーニュ渓谷は肥沃な農地と森林、ゆったりと流れる川の景色で格別です。まるで時が止まったかのような姿でたたずむ村々が続きます。中でもラ・ロック・ガジャックは、岸壁に張り付くような家々の風景がユニークで印象的です。
ヨーロッパ最大級の城壁都市カルカソンヌ
南西フランスにあるカルカソンヌは、ヨーロッパ最大級の城塞都市として知られています。軍事と交通の要衝でありローマ人やイスラム教徒が絶えず侵攻してきた歴史の中で堅固な城壁が建設されてきました。フランス王の時代に城壁は二重に強化されまさに難攻不落の城塞都市となったのです。鉄の落とし格子や跳ね橋の付いた昔ながらの門をくぐると、「シテ」と呼ばれる城壁の内部には中世そのままの世界が広がっています。
サン・ナゼール聖堂やコンタル城などの見どころと共にホテルやレストラン、土産物屋などが軒を連ね、観光客の人気スポットとなっています。夜は美しくライトアップされ限りなくロマンチックなシーンを見せてくれるのです。
「シテ」内は古城ムード満点で雰囲気バツグン。中でも「オテル・デ・シテ」は中庭から城壁を眺めることができ、歴史遺産の一部に泊まっているようで、超オススメ。しかし「シテ」内のレストラン、土産物屋は夕方になるとほとんどがクローズするので、少し寂しいかも。
「シテ」外で宿泊した場合、「シテ」に近い場所ならライトアップが美しいので、この選択もいいかも。
ロートレックの故郷アルビは赤い町
パリ北部のモンマルトルにあるキャバレー、ムーラン・ルージュ。その赤い風車で有名なこの店はパリ人気の観光地の一つです。パリのシンボル・エッフェル塔と同じ1889年に誕生しました。このムーラン・ルージュを語るには欠かせないのがフランス画家、トゥールーズ・ロートレックです。というのはムーラン・ルージュがオープンした際、店のポスター制作を手掛けたのが彼であるからです。そして彼がムーラン・ルージュやほかのナイトクラブのために制作した作品は非常に人気が高く、ロートレックの名をパリで一躍有名にさせました。このころの作品が彼の代表作として知られています。
そのロートレックの故郷こそ、このアルビなのです。
アルビの旧市街は中世の町並みが続き、中でもレンガ造りの赤い家並みが特徴です。見どころは1282年に着工され、まるで要塞のようなサント・セシル大聖堂とトゥールーズ・ロートレック美術館です。2時間くらいで回れる小さな町ですが、気ままな散歩が楽しい世界遺産の街でもあります。
奇跡の泉の湧く聖地ルルド
ルルドは人口1万6千人の小さな街。その小さな街に年間600万人の人が集まります。このルルドでとても貧しい暮らしをしていた14歳の少女の前に聖母マリアが現われ、その場所に泉が湧いたと言われています。泉は今でもこんこんと湧いていて、その水を求めて、奇跡を信じて、多くの人がやってきます。街は神聖な「祈り」の空気に満ちています。
復活祭から10月15日まで毎晩行われるろうそく行列はその祈りが一番大きくなるハイライト。夕暮れの頃ろうそくを手にやってきた何百もの人々が十字架を先頭に歩きます。誰でも参加ができるろうそく行列、多くの人が一生懸命誰かのために祈ります。参加すればそのエネルギーを感じるはずです。
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