目次
スペイン語のイスラ・デ・パスクアが正式名称、人々から「イースター島」の名前で愛されるこの島は、チリ本土からは3800キロ、最も近い有人の島からは2000キロと世界で最も離れた絶海の孤島です。島全体がラパ・ヌイ国立公園としてチリ政府により登録されており、さらに世界遺産にも登録されています。この島を象徴するモアイ像はその制作目的や運搬方法など未だに真相が判っていません。謎に満ち溢れた島には、モアイが切り出されたラノララク山、15体のモアイが並ぶアフトンガリキ、7体のモアイが佇む夕陽の綺麗なタハイ遺跡など、多くの見どころがあります。
面積 | 163.6㎢(小豆島より少し広い) |
首都 | 国の首都はサンティアゴ、島の中心はハンガ・ロア村 |
言語 | 公用語はスペイン語だが島内はラパヌイ語。ホテルやレストランでは英語も通じる。 |
時差 | -15時間(日本が正午のとき、イースター島は21:00)※サマータイム時-14時間 |
通貨 | チリペソ(米ドル使用可。日本円は使えないので注意) |
イースター島の中心・ハンガロア村とタハイ儀式村
イースター島民約4,000人が全員住んでいるハンガロア村は島ではただ一つの村です。島の西側に沿って長く広がっていて、空港からお店、レストラン、主要ホテルもすべてこの村に集中しています。このハンガロア村から歩いてタハイ儀式村にある3種類のモアイ像を見ることが出来ます。
タハイ儀式村には島で唯一、目の入ったモアイである「アフ・コテリク」や、頭が欠けて胴体だけのものなどが不揃いで5体並ぶ「アフ・バイウリ」、さらにその隣に1体だけ聳え立つ「アフ・タハイ」と、異なる3タイプのモアイを一度に見ることが出来ます。「アフ」とはモアイが乗っている石を積み上げた台座のことで、各部族のお墓の祭壇の役割を担います。最初はこの「アフ」だけが存在していましたが、のちに各部族の権力の象徴として巨大化したのがモアイ誕生の所以と言われています。
圧巻!15体のモアイが立ち並ぶアフトンガリキ
イースター島におけるモアイ観光の最重要ポイントであるアフトンガリキは、島の東部中心のハンガロア村から車でおよそ30分のところにあります。モアイ倒し戦争と津波で打撃を受け、修復不能と思われていたところを1995年に日本の企業の援助により、かつての姿に復元され、現在は15体のモアイが整然と立ち並んでいます。
このアフは全長約100メートル、幅6メートルとポリネシアでは最大級の歴史的遺産です。その上に佇む50トン近いモアイが15体、その迫力ある姿はイースター島で1番かもしれません。また訪れた人が16体目のモアイになりすませるフォトジェニックな場所です。他にも色鮮やかなプカオ(=モアイのかぶっている帽子)や、頭と胴体あわせておよそ8メートルの巨大なモアイが広場に放置されていたり、スケールが大きくて見どころたっぷりのモアイ観光スポットです。
まさに穴場!アナカケンガ洞窟トレッキング体験
島の西海岸にある洞窟、アナカケンガは地元の人でもあまり知らないまさに秘密のスポットです。ハンガロアから車でおよそ30分、かなりの悪路を通り抜けた先にこの洞窟は存在します。草で覆われた小さな穴なので一目で洞窟とは気づかないかもしれません。とても細い入口をしゃがんで入り、懐中電灯を照らしながら暗闇を50メートルほど進みます。その先が二手に別れ、光が見えてきます。その光はスペイン語でドスベンターナス(2つの窓)と言われています。
光の先はいきなりの断崖絶壁で少々危険ですが、足がすくむほどの絶景が楽しめる秘密のスポットです。但し個人で行くには難しい場所にあるのでガイド付きの手配をお勧めします。
モアイの製造工場?を見学しにラノララク火山へ
イースターの南海岸から少し内陸にある死火山のラノララク。ここは島のすべてのモアイが切り出された、いわゆるモアイの製造工場です。首まで埋まっているモアイ、斜面に掘り出し中のモアイ、正座するモアイ、岩肌の製造途中のモアイ、捨てられたようなモアイなど、様々な表情のモアイが楽しめるいわばモアイのテーマパークです。
ラパヌイ国立公園管理事務所がラノララクの入口です。ここから山腹をぐるっと周るようにつくられたトレイル(遊歩道)に沿っておよそ400体の様々なモアイを見ることができます。どれひとつとして同じ顔がないところがポイントで、たとえば昔、日本のコマーシャルで使われたモアイピロピロに馴染みのある人も多いのではないでしょうか。では何故このような形で残っているのか?それは未だに謎なのです。
日本で食べるより美味しい!?日本食の居酒屋「甲太朗」
はるばるイースター島まで来て日本食?と言いたくなりますがここは別格。かつてはハンガロア村の中心にあり、現在は空港からアナケナビーチ方向へ歩いて20分程の場所に移転したため、村から少し遠くなりましたがイースター島に行ったら絶対に訪れるべきお店です。完全予約制かつ12歳以下の子供の入店は不可という大人の隠れ家として地元の人はもちろん海外からの観光客に愛され続けています。
オーナーのフランシスコザビエルさん(本名らしい)は日本で10年近く修行した日本大好きな方で日本語OK。愛息の名前”甲太朗”をそのまま屋号にしています。洒落の利いたザビエルさんのお勧めはマグロ茶漬け。日本で食べる以上に美味しいその味は忘れられません。海鮮丼、にぎり寿司も日本と変わらないリーズナブルな価格なので、物価の高いイースター島においてお得です。
公式ページ | https://izakayakotaro.blogspot.com/ |
住所 | Cam. Vaitea Anakena, Hanga Roa, Isla de Pascua, Valparaíso, チリマタベリ国際空港の近く |
備考 | 完全予約制のお店です。営業日の確認と予約はホームページから。 |
島のパワースポット・テピトクラと北海岸周辺
島民の間で祖先とされる伝説のホトゥ・マトゥア王。彼が上陸した場所と言われているのが、この北海岸です。このエリアの代表的観光スポットは「テ・ピト・クラ」で、ここには地球のヘソという名で親しまれている磁気を持った不思議な球形の石が転がっています。実際に磁気を帯びているので方位磁石を置くと針が回ります。昔の人はこの石に額をつけて考え事をしたと言われていて、現在も島のパワースポットとして注目を集めています。
島で唯一、遊泳可能なアナケナビーチは静かで綺麗なピンクサンドビーチです。後方のヤシの木々はまさに南国トロピカルといった雰囲気を感じます。さらにその後方には頭にプカオをのせたモアイ、通称アフ・ナウ・ナウが佇んでいるのが見えます。その数はわずか4体と非常に貴重な存在です。
イースター島の周り方 オロンゴの儀式村とラノカウ展望台
ラノカウは島に3つある火山のひとつで、最大級のカルデラ湖です。この湖は現在も島内最大の貯水庫として飲料水の供給源になっています。ラノカウ展望台から見るカルデラ湖は訪れる時間によって表情の異なるとても美しい絶景ポイントです。
オロンゴ儀式村は昔、鳥人儀礼と呼ばれる宗教的な儀式が行われた場所で、現在は国定公園になっています。儀式の際に使われた51の石積み式の住居とマケマケ(創造神)などの岩絵が残っています。断崖からの海の眺めはとても美しく、かつて男たちが命がけで泳いでいったという沖に浮かぶ3つの伝説の島も見ることができる観光スポットです。尚、イースター島内は公共交通機関もなく道路事情も良くないことからレンタカーの移動も難しいのが現状です。そのため、村以外のエリアへ行くにはツアーの参加をお勧めします。
まとめ
日本から辿り着くまで時間と費用はかかりますが、生涯に一度訪れる価値のあるイースター島。のんびりした島で治安も良く、お子様連れからご年配の方までシーズン問わず楽しめます。写真で伝わらないリアルなモアイを体感するだけでなく、独特の神秘性に触れるためにイースター島に行ってみたいと思いませんか。