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かつてイギリスの首相チャーチル氏にその緑豊かな自然から「アフリカの真珠」と言わしめたウガンダは、現在も豊かな自然に溢れています。アフリカの中では治安もよく、年間の平均気温が約23度と過ごしやすい気候で、公用語に英語も含まれるため、旅人に優しい魅力的な国です。また、欧米諸国からの旅行者も多いので、サファリの宿も大自然を活かして、かつ贅を尽くしたロッジが多く、受け入れもしっかりしています。ホームステイなどウガンダ人のホスピタリティに触れる旅も可能なので、お好みにあわせて様々なアレンジができる楽しみもあります。
正式国名 | ウガンダ共和国 |
場所 | ウガンダは、アフリカ大陸の東アフリカに位置し、東にケニア、南にタンザニア、南西にルワンダ、 西にコンゴ民主共和国、北に南スーダンとの国境に囲まれた内陸国 |
首都 | カンパラ |
面積 | 24.1万平方キロメートル(ほぼ本州大) |
人口 | 4,427万人(2019年、世界銀行) |
通貨 | ウガンダシリング |
宗教 | キリスト教(6割)、伝統宗教(3割)、イスラム教(1割) |
民族構成 | バガンダ族、ランゴ族、アチョリ族等 |
言語 | 英語、スワヒリ語、(ルガンダ語) |
ブウィンディ原生国立公園・ゴリラトレッキング
ブウィンディ原生国立公園は絶滅危惧種でもあるマウンテンゴリラを間近でみられるチャンスがある場所で、言うなれば「会いに行けるゴリラ」のゴリラトレッキングが有名です。マウンテンゴリラはウガンダだけではなくコンゴ、ルワンダにも生息していますが、ウガンダは観光地としてきちんと整備され、高い確率で遭遇できることで定評があります。
ゴリラトレッキングに参加する為のパーミッションは、ゴリラ保護の観点から枚数が限られており、比較的高額にもかかわらず(2020年10月現在1人あたり95,000円)いつも混んでいるので、予約は早めがオススメです。目の前でみる巨大なマウンテンゴリラは他のサファリと比べ物にならないくらい物凄いインパクトがあり、遭遇の瞬間は心臓がドキドキし、まるで時間が止まったかのように感じます。
場所 | ブウィンディ原生国立公園はウガンダ南西部、コンゴとルワンダの国境近くのアフリカ大地溝帯の西リフトバレーに位置 |
アクセス | ブウィンディ原生国立公園へのツアーはウガンダのカンパラ又はルワンダのキガリから1泊2日が一般的です。 1日目に公園近くの宿に泊まり、2日目の早朝にゴリラトレッキングを行います。 ブウィンディ原生国立公園までの移動所要時間は、ウガンダのカンパラから片道8時間、ルワンダのキガリからは片道4時間。 キガリから行く場合は国境を越える必要がありますのでビザを忘れずに。 ウガンダ・ルワンダ・ケニアの3カ国を移動できる東アフリカ観光ビザが便利です。 |
HP | https://www.ugandawildlife.org/explore-our-parks/parks-by-name-a-z/bwindi-impenetrable-national-park |
備考 | ブウィンディ原生国立公園 世界自然遺産 (1994年) |
ブウィンディ原生国立公園・村の子供達
ゴリラトレッキング入り口の小さな村では、ぶらりとお散歩しているだけで沢山の村の子供達に出会えます。私が訪問した時も、カメラを持っているとどんどん人が増えはじめ、持っていたステッカーを手に「撮影して~」とこちら見る澄んだ瞳。気が付くと楽器を持ってきて演奏し、ご当地ソングを歌い始めてくれました。とてもフレンドリーなのが印象的で、アフリカの独特なリズム音楽と子供たちの歌声は忘れられない思い出です。旅は「一期一会」ですね。
ウガンダは、自然と融合しながらもきちんと整備されたサファリ宿が多く、中にはトラベルアワードで賞をとるような贅沢なロッジも存在します。日本の生活と同じ、いやそれ以上の快適さを味わえます。予算にあわせて、宿のグレードアップも検討したいところです。
キバレ国立公園 ・チンパンジートレッキング
自然豊かな熱帯雨林が広がり、チンパンジーをはじめ13種類の霊長類が生息しているキバレ国立公園は、ウガンダの中でもチンパンジー遭遇率ナンバー1の場所です。ゴリラトレッキングと同様にチンパンジートレッキングもパーミッションが必要になるので予約は早めがおすすめです。
ウォーキングサファリは、サファリカーに乗ってのサファリとは全く異なり、自分の足で歩いて動物を探します。まるで本当の探検家になった気分で、わくわく、ドキドキ感を楽しめます。私と一緒にウォーキングサファリに参加していた欧米人の方は全身探検隊ファッションで、まずは形から、と楽しんでいらっしゃいました。
また、野生のチンパンジーは動物園のチンパンジーの優しい顔とは異なり、凛々しくスマートにみえました。ちょっとワイルドでイケメンなチンパンジーに出会いに、キバレ国立公園へ行ってみませんか?
場所 | ウガンダ南西部にある国立公園。ルウェンゾリ山地の東に位置し、南西のクイーンエリザベス国立公園と隣接 |
アクセス | カンパラからは車で5~6時間程度かかるのでキバレ国立公園周辺ロッジでで1泊し、翌朝トレッキングに参加します |
HP | https://www.ugandawildlife.org/explore-our-parks/parks-by-name-a-z/kibale-national-park |
備考 | チンパンジートレッキングもゴリラトレッキングと同様にパーミッション取得の為旅行会社を通しての手配が便利です |
ヴィクトリア湖に接したマバンバ湿地帯でハシビロコウを探す
アフリカ最大の湖ビクトリア湖は、ウガンダ、ケニア、タンザニアの3か国に囲まれた世界第3位の広さを持つ湖です。その広さは九州の2倍ほどの面積があり、海のような大きさです。その中でも特にウガンダの国際空港のあるエンデべにほど近い、ビクトリア湖のマバンバ湿地帯には動かない鳥として有名なハシビロコウが生息しています。動かない理由は、魚が水面に上がってくるのをじっと待っているから。これには驚きです、まるで鳥界の徳川家康ですね!
湿地帯に到着したらカヌーに乗り、パピルスの生い茂る湿地帯を進みながら目を凝らしてハシビロコウを探します。出会えるか、出会えないか、こればかりは運次第。船長さんも一緒になって探してくれます。見つけた瞬間ももちろん感激ではありますが、探しているときのわくわく感もハシビロコウ探検の忘れられない思い出になります。
場所 | ビクトリア湖北岸のエンデペ半島の北西マバンバ湾にある湿地帯 |
アクセス | カンパラから車で1時間半(57キロ)空港のあるエンテペから車で約1時間強(50キロ)首都カンパラから日帰り可 |
HP | https://rsis.ramsar.org/es/ris/1638?language=es |
備考 | マバンバ湿地帯は「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約(ラムサール条約)」に2006年に登録されています。 |
クイーンエリザベス国立公園 ボートサファリ
クイーン・エリザべス国立公園は、ウガンダ西部コンゴ国境に接している国立公園です。公園内にはエドワード湖とジョージ湖という2つの湖が広がっていて、2つの湖のはカンジカ水路によって結ばれています。ボートサファリに参加すると、数えきれないカバの群れや、600種類を超える鳥達、ゾウの親子、大きな口を持つワニなど次々に動物が現れて、シャッターチャンスの連続です。
主な哺乳類はゾウ、ライオン、レパード、ハイエナ、バッファロー、ウォータバック、ウガンダコブイノノシシなどサファリカーに乗って王道の陸上サファリも楽しめます。ところで、サファリをしているとふと視線を感じる時があります。カメラ越しに動物と目が合ったものなら「今、私のことみてたな!」と思わずにはいられません。
サファリってもしかしたら“動物たちを見に行く”ものではなく、彼らに“見られに行く”ものなのかもしれませんね。
場所 | ウガンダ南西部のコンゴ共和国国境にあるエドワード湖とジョージ湖周辺が指定された国立公園、 コンゴ共和国側はヴィルンガ国立公園に指定されている |
アクセス | カンパラからは車で5~6時間程度かかるのでクイーンエリザベス国立公園周辺に宿泊が必要 |
HP | https://www.ugandawildlife.org/explore-our-parks/parks-by-name-a-z/queen-elizabeth-national-park |
備考 | ゲームドライブ、ボートクルーズ、トレッキング、バードウォッチングと様々なアプローチで野生動物観察を楽しめる |
ムブロ湖国立公園 ホースライドサファリも可能
ムブロ湖国立公園は、ムブロ湖を中心に15の湖と湿地帯・サバンナ・丘陵と小さくても変化に富んだ顔を持つ美しい公園です。草食系の動物が多いので、サファリカーのサファリだけではなくウォーキングサファリや、ホースライド(乗馬)サファリ、湖でのボートサファリも楽しめます。
場所 | ウガンダ南西部キルフラ県、県南部にムブロ湖があり、周辺がムブロ湖国立公園に指定されている |
アクセス | カンパラからは車で3時間程度(カンパラからの日帰りも可) |
HP | https://www.ugandawildlife.org/explore-our-parks/parks-by-name-a-z/lake-mburo-national-park |
備考 | カンパラからの移動の際には、赤道(Equator)のモニュメントで写真撮影も可能です |
ウガンダの国旗は、アフリカ人を表す黒・夜明けの太陽を表す黄色・人民の同胞愛を表す赤、の3色の縞模様が特徴的です。中央に描かれているカンムリヅルは特定の部族や王のシンボルになった事が無い、その中立性から国旗の絵柄として採用されています。このカンムリヅルは、ムブロ国立公園に生息しています。
毎日の食事だって肉ばかりでは飽きてしまうように、サファリだって毎回肉食獣ばかり探していては面白くありません。ときには、草食動物の日常や、珍しい鳥達を探す穏やかな癒しサファリもお勧めですよ。
ウガンダ最大の国立公園 マーチソンフォールズ国立公園
マーチソンフォールズ国立公園はウガンダ最大の国立公園で、野生動物の種類が非常に多く、ウガンダ固有の動物も見られます。中央部には巨大なマチソン滝があり、この滝を境にビクトリア・ナイルは白ナイルに名前を変えます。川幅100mものナイル川が約5mもの幅に狭められ、一気に42mもの落差の滝壺に流れ込む姿は大迫力!その力に圧倒されます。
人はなぜ滝に惹き付けられるのでしょうか?自然の力を知りたいと思ってしまうのは、自然の脅威とどうにかうまく共存して生き残ろうとする我々人間の本能ゆえかもしれませんね。
勿論公園の魅力は滝だけではなく、マチソンフォールズを代表する動物、アフリカゾウをこれでもかとたくさん見ることができます。そして希少動物として知られる野生のロスチャイルドキリンも多く生息しています。ゾウやキリンは群れで生活しているため親子散歩にも遭遇できるチャンス大の場所なのです。
場所 | ウガンダ北西部にあり、アルバート湖の湖岸からビクトリアナイル川周辺、カルマ滝まで内陸に広がっている |
アクセス | カンパラから車で約5時間(マチソン・フォールズ国立公園は幾つかの入口があります) ナイルの北岸⇔南岸にはフェリーを利用します |
HP | https://www.ugandawildlife.org/explore-our-parks/parks-by-name-a-z/murchison-falls-national-park |
備考 | マーチソンフォールズ国立公園は「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約(ラムサール条約)」 に2006年に登録されています |
サイの保護区 ジワ・ライノサンクチュアリー
ジワ・ライノサンクチュアリーは、サイの保護区で、ウガンダの国土のちょうど真ん中にあたるナキトマという場所にあります。レンジャーさんと一緒にウォーキングサファリができるので、アフリカの大地の茂みをかき分けて野生のサイに近づくという貴重な経験ができます。
実はウガンダでは密猟などの理由で1983年に一度サイが絶滅してしまったのですが、再びウガンダにサイを戻そうと隣国のケニアからサイを連れてきて、約8年の年月をかけて繁殖に成功しました。2020年の今では南白サイが22頭までになり、人々の力でウガンダをサイに会える国に戻すことが出来きたのです。歴史の中で人間は間違えることもありますが、それを正すことが出来るのもまた人間です。これからもずっと長い年月、サイのいるウガンダが守られていくことを願います。
場所 | カンパラの北、約180 kmナカソンゴラ県、ナキトマ地区に位置 |
アクセス | カンパラから車で約3時間 |
HP | https://ziwarhinosanctuary.com/ |
備考 | インスタグラム https://www.instagram.com/allabouthechange/ |
ルウエンゾリ山麓 イバンダ村訪問
ルウェンゾリ山地国立公園の麓に位置するイバンダ村は本当に小さな村です。村に行くには車を降りて、ガイドさんと一緒に道なき道を歩きます。正直ウォーキングサファリよりも道はハード。1歩1歩気をつけて歩きましたが、私は足を滑らせてしまい、靴底がぱっくりと壊れました。ショック、でも優しいガイドさんは接着剤を使って補修して下さり、辺境の中でその優しさが心に染みました。
村といっても1軒1軒の家はそれぞれポツンと離れています。自然の他に何もない。その一言がぴったりな村です。家族で、家畜と野菜を育て、手作業でコーヒー豆を作り出荷します。土と草で出来た家はまるで三匹の子豚の藁の家のような本当に心もとない作り。ここに住んでいて大丈夫なんだろうか?と心配になります。でも家族はみんな朗らかで元気いっぱい。子供達の澄んだ目がいつまでも続く未来になりますように。
場所 | コンゴ民主共和国との国境付近に広がる、ウガンダの国立公園。 その名の通り、ルウェンゾリ山地(最高峰の標高5109m)の標高2100m以上を対象とする国立公園 |
アクセス | 「ルウェンゾリ山地国立公園」の近くにある街は、カセセ(Kasese)という場所でカンパラからは車で約6時間 |
HP | https://whc.unesco.org/en/list/684/ |
備考 | ルウェンゾリ山地国立公園 世界自然遺産 1994年 |
ンガンバ島の チンパンジー保護区
首都エンデペからモーターボートで約1時間。ビクトリア湖の静かな海に囲まれたンガンバ島チンパンジー保護区がみえてきます。ここでは、東アフリカ全土から救出された49頭のチンパンジーが生息していて、彼らを野生に返すためのプログラムを行っています。旅程の関係でキバレ国立公園のチンパンジートレッキングには参加できないけれども間近でチンパンジーをみてみたい、という方にもおすすめです。
チンパンジーがコロナに感染するのを防ぐために島内への観光は休業をしていましたが、2020年10月1日からウガンダ国内では入島しての観光も再開されました。コロナ禍でもきちんと保護する事を止めないスタッフの努力を感じます。動物保護は一言では表せない深い問題ですが、旅行者が意識を持つことがまず大切だと思います。
場所 | ビクトリア湖の小島にある保護区。 |
アクセス | エンデペからモーターボートで1時間半 |
入場料 | https://ngambaisland.org/ |
備考 | このチンパンジーサンクチュアリは、非営利団体である チンパンジーサンクチュアリアンドワイルドライフコンサベーショントラスト(CSWCT)によって管理されています。 |
まとめ
ウガンダはまだ日本からの旅行先としてはメジャーな国ではありませんが、欧米諸国から旅行者がとても多い為、国立公園の周辺には海外セレブも宿泊するような豪華ロッジから、利用しやすい価格帯の衛生的なテントサファリまで、水回りも含めて整っているので、観光のしやすさが魅力です。日本のODAなどの協力もあり道路の整備も進んでいるので、旅の途中で日本との繋がりを感じる事もできます。
ファイブスタークラブでは、ガイドブックにも載らない辺境から、おなじみの場所まで世界中の様々な形の旅行をご提案しています。どこへ行きたいか迷ったら是非スタッフにお薦めを聞いてみてください。