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南北に長いベトナム。南部の中心はホーチミン、北部の中心はハノイ、この2大都市は有名ですが、ベトナムの様々な魅力を知るためにはこの2都市を訪問しただけではきっと足りないはず。そこで北部の玄関口ハノイから、どんなところへ行けるか、何が見れるのかをピックアップしてご紹介します。世界遺産、大自然、古き良き時代を残す村、など…次回のベトナム北部の旅行ではハノイだけではなく、もう一歩奥に隠された魅力にぜひ触れてみてください。
歴史を見て来た【旧市街】 ノスタルジーに浸りたい
ベトナム北部の玄関口ハノイ。ベトナム最初の王朝の都となったのが11世紀、その後フエに遷都するまでの約800年間、中国からの支配も受けながらもハノイは栄えてきました。19世紀、ベトナムがフランス領インドシナに編入された際にはハノイにも多くのコロニアル建築の建物が建てられ、今のノスタルジックな町並みが生まれました。
ハノイの中心となる旧市街は李朝時代に商人達が集められたことにより作られ、その後中国やフランスの影響を受けながら発展してきました。現在は、様々な時代と様式の建物が残る「歴史的建造物の保存地区」となっています。旧市街の通りには、銀製品通り、ハンコ通り、手芸用品通りなど売っている物の名前がついていて、その通りに行けば目的のものが見つかります。旧市街は今なお人々の生活にかかせない町であり、ここにだけは昔から変わらぬ古き良きベトナムの姿が残っているのです。
エリア | ハノイ |
スポット | 旧市街36通り(ホアンキエム湖北側) |
移動手段 | 徒歩(シクロ、電気カーもありますが徒歩散策がおすすめ) |
補足 | タンロン劇場ではベトナム伝統芸能「水上人形劇」を鑑賞出来ます。(席により10万ドン~) |
1泊2日のクルーズがおすすめ!世界遺産【ハロン湾】
ハノイから車で3時間、ハロン湾は今やベトナムを代表する世界遺産となりました。穏やかなエメラルドグリーンの海に、苔を被った様な黒い奇岩が突き出して生まれる色のコントラストが美しく、それが湾一帯に広がる様は絶景です。ハノイから日帰りで観光も出来ますが、ハロン湾の本当の美しさを堪能するなら夕方と早朝は外せません。その為、船に宿泊する1泊2日のクルーズが人気となっているのです。
まず船に乗船したらクルーズをしながらランチタイム。午後は奇岩の間をカヤックで楽しみ、夕方には奇岩に沈む夕陽を見ながらデッキで1杯、ディナーには本格的な料理を堪能。そして翌朝、朝靄に浮かぶ奇岩を見ながらデッキで太極拳など、穏やかなハロン湾の中で丸1日を過ごすのです。クルーズ船の種類は様々ですが、デラックスクラスはホテル並みの客室で快適です。ハロン湾へは是非宿泊コースをおすすめします!
エリア | ハロン湾【世界遺産】(ハノイから東へ約165キロ) |
行き方 | ハノイから車で約3時間、国内線ヴァンドン空港からもアクセス可能 |
クルーズ | 1日クルーズ(3、5時間のコース)、宿泊クルーズ(1泊2日、2泊3日) |
補足 | 宿泊クルーズは船によって値段は違いますが、デラックスクラスでもツイン利用で一人200~300ドル(30,936円~46,404円)
(アクティビティ、3食付き、ハノイからの送迎料金も込みとなっています。) |
「陸のハロン湾」とも呼ばれる【ニンビン】
北部の世界遺産としてもう一つ有名なのがハノイから車で約2時間、ニンビン省「チャンアン名勝遺跡群」。ここはいくつかの観光地がまとめて複合遺産として登録されています。その中のひとつ「タムコック」は、美しい水田の景色を堪能しながらの川下りが人気です。稲作の時期になると黄金に輝く水田が見事。足でオールを漕ぐ伝統的な姿も見られ、昔と変わらぬ風景を楽しめます。
また、ハロン湾と同様カルスト地形で構成される「チャンアン」は陸のハロン湾とも呼ばれ、連立する奇岩と静かに流れる川とが美しい景観を生み出しています。ボートツアーでは侵食などにより長い時間をかけて作られた鍾乳洞などを手漕ぎボートでクルーズ。途中、洞窟の中をくぐったりジャングルクルーズの様な体験も。ニンビンを観光する際、一緒に訪れたいのが古都ホアルー。10世紀ベトナム最初の独立王朝の都が置かれた場所で、ここには歴史を感じさせる廟が残ります。
エリア | ニンビン【世界遺産】(ハノイから南へ約100キロ) |
行き方 | 日帰りで様々な景勝地を周遊するならツアー利用が便利 (宿泊するのであればバス、列車でニンビンまで行き、現地で車をチャーターなどして周って貰うのがおすすめ) |
クルーズ | <タムコック>12万ドン+ボート代(乗船客で割り勘)、<チャンアン>一人20万ドン(ボート代込) |
補足 | ムア洞窟と呼ばれる石灰岩の鍾乳洞の裏山の頂上からタムコックの絶景が見られると人気となっています。 |
「ベトナムは田舎がいい」文化遺産【ドゥンラム村】
ハノイから車で約1時間半の田舎にあるドゥンラム村。ここには築100年にもなる昔ながらの伝統家屋や寺が残り、村自体が文化遺産にも登録されています。ハノイの喧騒はどこへやら、昔の長閑なベトナムの姿を求めるのであればぜひ訪れたい場所。入り口の門をくぐるとレンガの道が続き、脇道は細く迷路の様に入り組んでいます。伝統的な家屋はレンガや木で造られ、温かみのある雰囲気。そこに木製の家具が置かれとても落ち着きます。
また、この村の特産でもあるピーナッツ餅(チェーラム)はショウガの味も効いて美味しいのでぜひ出来立てを!村の中には古民家レストランもあり、ここではランチも食べられますので、ゆっくり食事を楽しみたい方にはおすすめです。ドゥンラム村はのんびりと散策するのが似合う村、都会の喧騒にちょっと疲れたら来てみるのもいいかもしれません。
エリア | ドゥオンラム村(ハノイから西へ約50キロ) |
行き方 | ツアーを利用か、車をチャーター(村は地図などないためガイド同行が望ましい) |
入場料 | 15,000ドン |
補足 | 歴史ある家を見せてくれてお茶やお菓子も出してくれるお家もあるので、お礼に少額の喜捨を。 |
雑貨好きにはたまらない!陶器の村【バチャン村】
ベトナムには南部のソンべ焼きと北部のバチャン焼きと2つの陶器の産地があります。北部の産地バチャンはハノイより車で約20分の場所にあり、村の人口の9割が陶磁器作りに携わる伝統的な陶器の村です。村は小さく半日もあれば歩けてしまうサイズですが、村のメイン通り沿いには沢山のバチャン焼きのお店が建ち並びますので一軒一軒ゆっくり見ていくともう少し時間も欲しくなるかもしれません。
バチャン村での陶器作りはホン川より運ばれる良質な土が使われ、15世紀にはすでに始まっていたと言われています。路地の壁には窯焚き用の泥炭が貼り付けられ干されている光景もあり、長閑な雰囲気。バチャンの絵柄には、トンボ(幸運)、蓮の花(純粋)、菊の花(金運)がよく使用されていますので、お気に入りの柄を探してみてください。ビンテージものの絵柄に出会えるのもバチャン村ならではです。ハノイ市内より品数も豊富で安く、雑貨好きの女子にはおすすめです。
エリア | バチャン(ハノイから南東へ約10キロ) |
行き方 | ハノイからバスでも行けますが、買い物を沢山予定している場合は車をチャーターすると便利。 |
食器の値段 | 小皿3ドル464円位~ |
補足 | 新しいタイプの「ニュー・バチャン」と呼ばれる食器も登場。 |
棚田の絶景と少数民族に会いに…【サパ】へ
ハノイから車で5時間、寝台列車で8時間の北部山間部にある町サパ。周辺にはいくつもの少数民族が暮らし、独自の文化を継承し続けています。サパの町は夏も涼しく、避暑地としてベトナムの人達にも人気です。ここで訪れたいのが少数民族の村々。少し観光慣れして伝統工芸のお土産を売る村もあれば、昔と全く変わらぬ姿で迎えてくれる村もあり、いくつかの村に訪れると雰囲気も違い楽しいものです。サパの村々には美しい棚田が広がり、その棚田の間をトレッキングするのもおすすめです。
サパに近い町バクハーのサンデーマーケットにも是非足を伸ばしてみて。ここは日曜日だけ開かれる大きな市場で、カラフルな伝統の衣装を纏う少数民族の人々が近郊から集まり、日用品から水牛まで様々な物を買い物をしています。その市場の様子はとってもカラフル!サパに来るなら必見です。また、標高3,134メートルのファンシーパン山へのロープウェイが運行される様になり、数日かかっていた山頂までたったの15分で行ける様になりました。天候に恵まれれば眼下にサパの町が見渡せ、絶景が楽しめると人気です。
エリア | サパ(ハノイから北西へ約315キロ) |
行き方 | 寝台列車かバスを利用、ガイド付きのツアーも便利です。 |
サパ周辺の少数民族 | 黒モン族、赤ザオ族、花モン族、タイ族、ザイ族など |
補足 | 9~11月がベストシーズン。1~3月は寒さが厳しく、6~8月は雨が多い。 年間通して夜は冷え込むので防寒準備は忘れずに。 |
まとめ
首都ハノイだけではベトナムの全てを知る事が出来ません。北部には大自然、歴史、伝統を目の当たりに出来るところが沢山集まっていますので、2度目、3度目のベトナムへの旅にはこのちょっと近郊にも是非足を延ばしてみてください。きっと今までのベトナムのイメージに様々な事がプラスされ、改めてベトナムの良さがわかると思います。北部だけでなく、南部、中部も魅力溢れるベトナムは何度訪れても飽きる事がありません。