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大自然の中で躍動的な姿を見せてくれる野生動物たち。その姿を観察できるアフリカのサファリは非日常の世界で私たちを癒してくれます。アフリカにサファリのできる国はいろいろあれど、その代表格のひとつは動物天国と呼ばれるケニアです。長年にわたりケニアのサファリスポットをあちこち巡り巡った私がお薦めのスポットベスト7をご紹介します。サファリと言ってもサファリドライブからウォーキングサファリ、ボートサファリにアニマルウォッチングなど、バラエティに富んだサファリが満喫できるケニア。その魅力は計り知れないのです。
動物天国マサイマラ動物保護区(マサイマラ国立保護区)
初めてのサファリ旅行を計画している人に、まず最初に行くことを薦めたいのがここ。動物の種類も量もケニアで一番。ライオンをはじめ肉食獣に出会える確率が高いのです。生まれて初めてのサファリドライブで、私はまずシマウマのファミリーを発見して大興奮。次にキリン、象の親子と、どんどん動物リストが増えていきました。早朝と夕刻の涼しい動物の多い時間帯に、1日に2回のサファリをします。
1日目の夕刻のサファリでついに念願のライオンを見ることができた私は、2日目からは見たい動物リストが増えていきます。次はチーター、次はヒョウと大物狙いに。それが満たされることが多いのもマサイマラならでは。
ケニアにはロッジスタイルやテント式ロッジがあって、グレードもいろいろ。ジャグジーバスまで付いていてフレンチやイタリアンも出るような豪華なサファリロッジは、滞在時間の長いサファリライフだから個人的に大好きです。
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キリマンジャロの麓でサファリならアンボセリ国立公園
アフリカと言えばキリマンジャロ。山に憧れて登山やトレッキングを目指すならタンザニアからアクセスしますが、キリマンジャロを背景にしたサファリをしてみたいならケニア側のキリマンジャロ国立公園がお薦めです。一面に広がるサバンナの向こうにはキリマンジャロの壮麗な山並みが一望のもと。山の麓には象の群れがいて、大パノラマの写真が撮れるのです。ただし、山を見るのが目的なら季節を選ぶ必要があります。私は雨季に入る3月に行ったときは、山の下半分が雲に覆われ、9月にリベンジしてやっと山の全景を拝むことに成功。
滞在ロッジは、敷地内から山が見えるところと見えないところがあるので、山にこだわる人はこれにもこだわりましょう。ロッジに居ながらにして目の前にキリマンジャロが聳えているといった理想的なロッジを選べば、食事タイムも幸せ気分に。高級ロッジが好きなら、テントロッジの「トルティリスキャンプ」が一押しです。
希少動物を見るならサンブール動物保護区(サンブール国立保護区)
キリンには3種類あるのをご存知でしょうか?マサイマラ動物保護区にいるマサイキリン、もともとウガンダにいてケニアはナクル湖国立公園にもいる、絶滅の危機に瀕しているロスチャイルドキリン、そしてここサンブールなど北半球にいる網の目状の柄がくっきりと美しいアミメキリン。またサンブールにしかいないグレービーシマウマも、白黒の縞模様がはっきりしていて、ミッキーマウスのように丸い耳を持つ特徴的なキリンです。サンブールの魅力はこうした希少動物の存在と言えます。
マサイマラ動物保護区に匹敵する動物の濃さを求め、次に目指すならサンブールとも言えます。通常の動物も多い中で、ユニークな動物を見つける体験は楽しいものでした。インパラのようなアンテロープ(レイヨウ)のゲレヌクも珍しい存在。初めてこれを見た時は、折れそうに細い2本足で立ってムシャムシャ葉っぱをかじっている姿が愛らしかったです。
フラミンゴがいっぱいいた!(ナクル湖国立公園)
数年前までのナクル湖と言えばフラミンゴ。ナクル湖には一面にピンクの絨毯のようにフラミンゴの大群がいたのです。群れを成している姿も美しいのですが、飛び立つ姿を真下から見た感動たるや!ミネラルを含む湖水を飲んだため羽の色は濃い赤に染まっているので、飛び立った時だけ広げた羽の赤や黒の色彩がクリアに見えて、宇宙生物が飛び交っているかのようでした。
フラミンゴがこよなく愛するミネラルを含む水が減ったため、残念ながら今はナクル湖にはフラミンゴの姿はほとんどありません、2時間ほど北へ走ったボゴリア湖にいたり、他の湖にいたりと、今は特定できなくなりました、それでもナクル湖ではサイや絶滅の危機に瀕しているロスチャイルドキリンが多くみられるし、国立公園間を移動する際にナイロビに泊まるよりお薦めです。
そしていつの日かまた以前のようにフラミンゴが群れを成して戻ってきてくれますように!
オルペジェタ動物保護区(スイートウォーター動物保護区)
サファリロッジに動物たちが遊びに来て、いながらにしてアニマルウォッチングができるデラックスなテントロッジ「スイートウォーター・テンテッドロッジ」。ロッジの前には水飲み場が作られ、とりわけ暗くなってからは動物たちが水を飲みに集まってきます。それを上から見下ろせるバーが人気です。一杯飲みながら野生動物を観察するとは、なんと贅沢な時間でしょうか。
ここでは通常のサファリドライブのほかに、チンパンジーの森でチンパンジーを観察したり、サイの保護区で人に慣れたサイに触って記念写真を撮ったりも可能です。私が最初に行ったときはモレニーという名のサイでしたが、次に行ったときは2代目スーダンがその役目を担っていました。ところが2018年にスーダンが死んでしまったという記事を新聞で読んでびっくり。しかもスーダンが地球上で最後のキタシロサイの雄だったことを知りました。今は雌2頭が残されたそうです。
ロイサバ動物保護区で夢にまでみたスターベッド体験
満点の星空に包まれて、サバンナの真っただ中で一夜を過ごすスターベッド。その写真を見た私はいてもたってもいられず、ロイサバ動物保護区へ飛んでいきました。ケニア北部に位置するロイサバは、自然や野生動物を保護するエコツーリズムを推奨する極上ロッジです。まさにポツンと一軒家のように、広大なサバンナの中に点在するスターベッド。100%自然素材のナチュラルロッジで、ベランダに出された蚊帳付きのベッドの周りには天井も窓もなく、遮るもののないサバンナの空気を全身で感じるのです。
そのサービスは一流で、専属シェフが作ってくれる料理も、大自然の中で頂くとまた格別の美味しさです。昼間はサファリ三昧、夜は象のトランペットやハイエナのいななきを聞きつつ星空の下で眠り、早朝目覚めると、地平線を真っ赤に染め上げる朝陽をベッドにいながら堪能するのです。身も心もリセットできるのは、こんなひとときに違いありません。
ボートサファリが楽しいナイバシャ湖
ケニアでは珍しいボートサファリが楽しめるのがナイバシャ湖です。
まずは小さなモーターボートに乗り込んで、クレセントアイランドへ向かって湖の上でボートサファリです。カバがプハーッと大きな口を開けたり、潜望鏡のように目をクルクルさせたりしています。島に着いたら、入島料を払って上陸します。ここからはウォーキングサファリの始まりです。
ライオンなどの肉食獣はいないので心配無用。シマウマやキリンなど安心な動物と一緒に距離を取りながら散歩を楽しめるので、記念写真を撮ればインスタ映えも間違いなしです。
ナイバシャ湖畔のロッジに泊まる場合は注意点が一つ。私が泊まったときにスタッフが言っていました。「この前、チャイニースのゲストが夜に禁止エリアに一人で出て行って、カバに襲われて亡くなったんですよ」ナイバシャ湖にはカバが多いので、夜は要注意ですね。