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タンザニアは世界で指折りの大自然と野生動物の宝庫。世界自然遺産に指定されたダイナミックなクレーターのあるンゴロンゴロ動物保護区と広大なサバンナのセレンゲティ国立公園。そして今注目の美しいリゾートアイランド・ザンジバル島。でもタンザニアの魅力はこれだけではありません。ヌーの大群を見学できるンドゥトゥ保護区、バオバブと象の王国タランギレ国立公園、知られざる穴場的存在カタヴィ国立公園などなど。アフリカ各地を巡り巡ったペンギン案内人2号がこだわりのタンザニア厳選ベスト10をその1 その2にわけてご紹介します。
ンゴロンゴロ動物保護区ー巨大な火山のクレーターでサファリ
南北16km、東西19km、深さ600mもの巨大なクレーター。すり鉢状のクレーターの底はなんと野生動物の宝庫なのです。世界自然遺産にも指定されているダイナミックなクレーターの大自然の中、ワイルドにサファリカーで動物を探す楽しみはここだけのもの。ランチボックスを持参して、1日中サファリ三昧です。クレーターの中にある湖の畔で屋外ランチタイムも至福のひととき。
クレーター上部の火口縁に立つサファリロッジに滞在すれば、クレーターの全景を見下ろせて、ンゴロンゴロならではのユニークな自然美を満喫できます。中でも私の一押しは「ンゴロンゴロクレーターロッジ」。雄大な眺めはもちろん、センスの良いインテリア、美味しい料理、専属バトラーの至れり尽くせりのサービス付サファリロッジなのです。まるでイギリスからサファリ旅行にやって来た貴族のお姫様みたいな気分が味わえるとっておきの時間です。
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セレンゲティ国立公園ーどこまでも続く広大なサバンナ
面積約1万4763㎢もの壮大なサバンナがあるのは、タンザニアでもう一つの世界自然遺産のセレンゲッティ国立公園です。東京、千葉、埼玉、神奈川が全てすっぽり入ってしまう広さで、どこまでもどこまでも続く大草原。これは国境を接するケニアのマサイマラ動物保護区と同じサバンナを共有しています。
移動性の動物であるヌーや一部のシマウマなどは、国境を越え川渡りもしてマサイマラからセレンゲッティ、ンゴロンゴロへと移動しているのです。推定300万頭もの動物が棲むというセレンゲッティ。ライオン、チーター、サイ、ヒョウ、ゾウ、ハイエナ、カバなどなどサファリで見てみたい動物に出会える確率も高いのです。とにかく広いセレンゲッティ国立公園。年間を通していつどのエリアに動物が多いのか、事前にプロに相談してから行くのが賢明です。
カタヴィ国立公園ー手つかずの穴場で驚きのサファリが待っている
タンザニア南西部に位置するカタヴィ国立公園。国内で3番目に大きい国立公園ですが、ここがあまり知られていないのはそのアクセスの悪さによるのです。国内線のフライトはアルーシャから出発し途中何度も止まりながら4時間以上かけてカタヴィへ到着します。はるばるやって来たー!という感じです。
でもサファリをしてみたら、はるばる来てよかったと心から思うのです。訪れる観光客が少ないせいで、サファリカーにもほとんど出会うことなく、ライオンやヒョウなどの大物が現れてもほとんど独占状態なのです。しかも毎回サファリで出会う動物はピッチャーゴロやヒットを通り越してすべてホームランという素晴らしさ。カタヴィの特徴はカバが多いこと。他では水の中にいるカバしか見られないことが多いのですが、ここでは地上を歩き回るカバもいっぱい。
私が泊まったのは「CHADA KATAVI」。ナチュラルでも居心地よく、洗練されたサファリロッジで、ヘルシーで美味しい料理も最高でした。
タランギレ国立公園ーバオバブと象の王国
バオバブの並木道はマダガスカルが本場ですが、ここタンザニアのタランギレ国立公園でもバオバブの木を見ることができます。こちらのバオバブはマダガスカルのようなツルっと美しい幹ではなく、もっとワイルドで幹は太くデコボコしています。その理由は象が好んでバオバブの皮を剥ぐからです。不思議な形のバオバブが群生している風景はタランギレならではなのです。
タランギレ国立公園はンゴロンゴロやセレンゲッティのようにメジャーではないものの、ンゴロンゴロからアルーシャへ戻る道中に1泊して、サファリを楽しむのがお薦めです。ゾウが多い国立公園なので、運が良ければバオバブの木と象の群れといった最高のシャッターチャンスに出会えるかも。またタランギレリバーの畔には、乾季に多くの動物が水を飲みに集まってくるので、その時期も狙い目です。
一押しホテルはバオバブの木と一体化したとてもユニークなロッジ・タランギレツリートップス。室内はナチュラルながらセンス良くて眺めもいいので最高です。
ザンジバル島ー歴史と文化に彩られた美しいリゾート島
タンザニアの沖合に浮かぶ、サンゴ礁に囲まれた美しいザンジバル島。近年リゾート客に人気があって、手軽にリゾートライフを過ごす観光客も増えてきました。きれいな白砂ビーチとサンゴ礁に集まる熱帯魚といったリゾートとしての魅力もさることながら、ザンジバルの魅力はその奴隷貿易や香辛料、象牙貿易で栄えた歴史や文化の存在が大きいのです。
ケニアやタンザニアでサファリを楽しみ、帰りにザンジバルでリゾートライフ+観光、と言ったプランが一押しですが、ザンジバルだけを目的地としても十分楽しめるほど見どころは多いのです。ストーンタウンの観光をしたら、島で最高のビーチを求めて北東部のリゾートエリアや、最北部のヌングイビーチエリアがお薦め。素敵なリゾートホテルが並んでいます。中でも北東部の沖合に浮かぶ「メネンバビーチリゾート」は私がこよなく愛するホテル。小さな島全体が一つのリゾートで、ナチュラルながら行き届いたサービスの良さが満載の究極の隠れ家ホテルと言えるでしょう。
キリマンジャロハイキングー簡単に楽しめる方法
アフリカ最高峰のキリマンジャロ。登山をするのはかなり厳しいので無理として、一般ルートを取ってハイキングをしようとすると、マラングゲートからマンダラハットへ行って登山をするルートが一般的です。そこを越えないとキリマンジャロが見えないため、森林の中を1日以上歩かないといけません。
簡単にキリマンジャロハイキングを楽しむには4WDで標高3350mのシーラプラトーへ行く別ルートがお薦めです。そこからはキリマンジャロを見ながら簡単なハイキングが楽しめるのです。
高低差のほとんどない道のりは、普段運動していない人でもOK。高山病の心配もほとんどなく、気軽にハイキングを楽しめるベストポイントなのです。雲の切れ間から姿を見せたキリマンジャロの山頂の姿に感動!見たことのない高山植物を観察したり、眺めのいいポイントで美味しいお弁当を食べたり、楽しいひとときが待っています。
ンドゥトゥ地区(ンゴロンゴロ動物保護区内)-ヌーの大移動を見学
ンゴロンゴロ動物保護区(保全地域)の一部のエリアであるンドゥトゥ地区。12月から4月はヌーの大群がこのエリアに大集結します。季節限定でヌーの大移動が見られる時期で、2月から3月は動物の赤ちゃんが生まれる時期でもあり、ヌーやシマウマの赤ちゃんがたくさん見られたり、出産シーンを目撃することも。
そもそもンドゥトゥ地区では他のエリアに比べ、規制が緩く、オフロード走行もできるので、縦横無尽に走り回って動物を見つけたり、本格的なサファリができるメリットは大きいのです。
ンドゥトゥ地区のサファリロッジはヌーの大群を追い掛けるためのモバイルロッジと呼ばれる移動式ロッジが多く、簡易な設備のサファリロッジが多いのが特徴です。そんな中で、ハネムーンにもお薦めできるほどナチュラルかつ素敵な私の一押しお薦めロッジが[& BEYOND SERENGETI UNDER CANVAS]。1年中ヌーの動きに合わせて国中を4-5か所移動してテントを設営。2月から3月はンドゥトゥ地区で最高のサファリとサファリロッジ生活を楽しめます。
エヤシ湖ーブッシュマンと狩り体験!
カラトゥの町から約1時間、エヤシ湖の畔でキャンプして、ハザベ族と呼ばれるブッシュマンと早朝の狩りに同行する体験は一生の思い出になる、まさにタンザニアでもっともディープな旅の1ページです。エヤシ湖はマニャラ湖よりも大きく深く、神秘的な美しさを見せています。自然に一番近い形のテントに泊まることもできるし、設備がある程度整ったテントロッジに泊まることも可能です。
暗いうちからハザベ族の村へ。数人のハザベ族の少年たちとガイドさんと一緒に猟犬を2匹連れて、夜明け前に出発です。矢は鳥用と小動物用と、ギザギザがたくさん付いたサル用があって、いくつも持参します。獲物を見つけたら棘があろうと茂みの中をかき分けて走ります。彼らは鳥を仕留め、時には猿を仕留めます。バオバブの木にいたサバンナモンキーが狙われました。仕留めた猿は村に帰って解体し、皆で焚火で焼いて脳みそまで食べるのです。さすがに我々は衛生上危ないので見るだけですが、他では絶対できない衝撃体験となるはずです。
ムスミ村ーコーヒーの村で異文化体験
キリマンジャロ山麓のムスミ村。チャガ族が暮らす村で、キリマンジャロコーヒーの産地として知られています。この村のキャンプサイトに滞在して、村の人々と触れ合えるプランがあります。スワヒリ語のレッスンを受けたり、コーヒープランテーションツアーでは、コーヒー栽培のプロセスを経験します。
講習は民家で行われるので、自然に現地の人々との交流の場となっています。コーヒーの苗を植え、コーヒーの実を収穫し、皮を取り、豆を煎り、砕いて粉にしてコーヒーを淹れます。希望するなら長期滞在してスワヒリ語をマスターし、コーヒー栽培の手伝いをすることも可能です。キリマンジャロの麓、大自然の真っただ中で日頃できない日々を過ごすのは人生で一度の思い出体験です。
ティンガティンガ芸術村(ダルエスサラーム)ーアニマルアートをゲット
タンザニアの首都ダルエスサラームへ行くなら、絶対立ち寄りたいのがティンガティンガ村の工房です。野生動物や鳥や日常生活などをエナメルペンキで描いた独特の画法のことをティンガティンガと呼びます。カラフルで楽しいアニマルアートは、大小いろいろですが、お土産に日本へ持って帰って飾れば、いつもタンザニアの動物たちのことを思い出すはず。
中でも小ぶりな木のネームプレートは、お土産に最適です。あらかじめ周りにキリンや象など動物の可愛いモチーフが描かれていて、真ん中にスペースがあって、そこに自分の名前をきれいなペンキで書き入れてくれるのです。友達の名前を入れてもらえば、世界に一つしかないネームプレートのプレゼントが完成です。急ぎで10枚くらい頼んだ私。5人がかりですぐに仕上げてくれました。