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南部アフリカの知られざる国ナミビア。南部にある世界最古の砂漠であるナミブ砂漠は、世界一美しく標高の高い砂丘があることで知られています。できれば砂漠の奥地でキャンプして、赤く染まる日の出のシーンを味わいたいもの。そして北部、アンゴラとの国境に近付けば、秘境エプーパの滝と謎のヒンバ族の村のある最深部カオコランドへ。ほかにもサファリの楽しいエトーシャ国立公園など。そんな見どころの多い国ナミビアを愛してやまないペンギン2号が実際に現地を巡った体験を交えてご紹介します。
ナミビアってどんな国?
ちょっとアフリカ通の人ならナミビアと聞いてナミブ砂漠を思い出すはず。もちろんナミビア最大の見所の一つがナミブ砂漠です。でも砂漠だけがナミビアの魅力ではないのです。北部カオコランドには全身を真っ茶色に塗って裸で暮らす孤高の民、謎のヒンバ族の村があって、秘境の滝エプーパでヒンバ族に出会えるのは他では味わえない貴重な体験となります。
エトーシャ国立公園では朝と夕方に2回サファリドライブをしてたくさんの野生動物に出会えます。ドイツ移民の町スワコプムントにはちょっとドイツの田舎みたいな可愛い町並が広がり、それが海岸線に近く、少し郊外に走れば砂丘が迫っているという壮大なロケーションなのも魅力です。足を延ばせば、ウェルウィッチャー(奇想天外)というユニークな植物も見られます。
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ナミビアへの行き方
ナミビアの2つの国際空港、首都ウィントフックかウォルビスベイへは日本から香港やドバイ、ドーハ経由のフライトでまず南アフリカのヨハネスブルクへ飛んで、そこで乗り換えて向かいます。ナミブ砂漠の奥地ソッサスフレイに向かう場合、ウィントフックへ入り、そこから陸路で約5時間でアクセスが可能です。
砂漠の奥地で観光を終えて、ウォルビスベイへ抜けて、その郊外の見所を観光した後、ウォルビスベイ空港から出国するというルートが効率がいいでしょう。またはその逆でウォルビスベイから入ってウィントフックから出るというルートも可能です。行きや帰りにヨハネスブルクなどで1泊と言う場合もあります。
ナミビアのツアー
ナミビアへの団体旅行ではそのほとんどが南アフリカの喜望峰やジンバブエのビクトリア滝との組み合わせの決まったパターンしか見つかりません。団体旅行ではこんな辺鄙な国へのツアーは催行状況はよくないのが一般的。なので添乗員が付かないけれど現地でガイドさんがお世話してくれる個人旅行にするのがベストです。個人ベースなら1人からツアーは催行するので、好きな出発日に出られるメリットもあります。
ほかの国とのコンビネーションのプランもいいですし、ナミビアを奥深く極める旅行も可能です。その場合アレンジを依頼するなら、スタッフが実際に行っていてナミビアに詳しく、親切に相談に乗ってくれる旅行会社を見つけること。そういう会社なら魅力的なモデルプランをいくつも作っていて、気に入ったものをベースにアレンジしていくことができます。世界中で唯一自分だけのナミビアの旅を作ってもらいましょう。
ナミブ砂漠の魅力
ナミビア最大の見どころのひとつナミブ砂漠。砂漠好きの私が雄大なサハラ砂漠の後で訪れて、唯一感動した砂漠はここナミブ砂漠の奥地の砂丘だけでした。スワコプムント周辺の砂丘だけ見ていても本物のナミブ砂漠を見たことにはならないので、砂漠好きならぜひ奥地のソッサスフレイを目指しましょう。標高が130ⅿほどの砂漠デューン45には比較的簡単に登れるので、早朝ここに登ってあたりの風景を眺めるのがお薦め。
ピラミッドみたいな砂丘が荒野のあちこちに点在しているのは不思議な世界。ナミブ砂漠の砂丘のどれもが世界で最も標高の高い大砂丘群だと実感できました。砂漠の真っただ中に滞在し、満天の星に言葉を失い、砂漠が朝日に輝く風景に見惚れ、静寂の世界にどっぷりと浸るのです。これこそがナミブ砂漠の奥地に泊まる旅の醍醐味と言えるのです。
ナミブ砂漠でキャンプする意味は?
あなたが砂漠好きなら、ナミブ砂漠でキャンプすることを強くお薦めします。なぜなら、キャンプすることで大砂丘の日の出シーンが見られるからです。日の出の時間帯に大砂丘の上に立つこと。それこそが大自然のドラマのハイライトシーンを味わうための重要ポイントです。刻一刻と砂漠を美しく染め上げていくシーンは感動のひと言。
セスリウムのホテルに泊まると、国立公園の開門が日の出以降のため、中に入って大砂丘の日の出を見る時間には間に合わないのです。国立公園でキャンプする人だけが日の出鑑賞が可能となるのです。(例外のロッジを除く)ワイルドな体験の砂漠キャンプですが、ちゃんとベッドもあるテントの設置もガイドさん任せ。トイレもシャワーもキャンプ場にあるので安心です。大自然の中で食べるガイドさん手作りのディナーは格別の美味しさ。例えようのない美しい日の出を鑑賞したら、大砂丘でのデザートブレックファストが待っています。生涯の思い出となるひとときです。
謎のヒンバ族と出会う
ナミビア最北端、アンゴラとの国境に位置するエプーパの滝は、原始の世界ともいうべき秘境中の秘境。乾ききった大地に突如として現れる緑のオアシスとワニのいるワイルドな河。丘から見下ろす迫力いっぱいの滝の風景は「ロスト・ワールド」に紛れ込んだ気分です。このエプーパの滝には古い伝統的な生活を続けている誇り高いヒンバ族の村があり、村を訪れて彼らに会うことができます。
ヒンバ族は強い日差しや虫から肌を守るために、赤い粘土をアロマオイルで溶いたものを体中に塗っているので全身赤茶色。腰に皮布を巻いただけのスタイルです。女性はアフリカ民族の中でも特に美しいといわれていて、髪型やアクセサリーもとてもユニーク。私が村へ向かう道中、たまたま村へ向かうヒンバ族の人々をガイドさんが車に乗せてあげました。不思議な歌を歌いながら彼らは楽し気です。なんだかカッコよくて、とても誇り高く心優しい人々だと感じたのです。
広大なエトーシャ国立公園でサファリ
首都ウィントフックから車で北へ走ること約5時間半。エトーシャ国立公園はナミビアが誇る野生動物の楽園です。なんと日本では四国全体位の規模がある自然保護区なのです。ケニアのマサイマラ動物保護区(国立保護区)が大阪府くらいなので、エトーシャがいかに大きいかがわかります。地平線が見えるほどに遮るものが何もない広々としたサバンナは、ちょっと他では味わえないほどの開放感があります。
癒されるほど緑の美しい大自然のなかで、ライオンや象、ヌーにジャッカル、インパラ、オリックス、クドゥ、スプリングボックなどの動物が生き生きとした姿を見せてくれます。特に乾季に当たる冬場には、パンと呼ばれる水辺のエリアに動物たちが集まってくるのを観察できます。 サファリロッジに滞在して、動物の多い早朝と夕刻に2回ゲームドライブをします。ナミビアの旅がより充実したものとなります。ナミビアでサファリをしたいならエトーシャを目指すのが正解なのです。
ドイツ移民の町スワコプムントとその周辺の見所
ドイツ移民の町スワコプムント。大西洋に面したプチドイツのようなコロニアルタウンでは、朝から靄がかかって独特の雰囲気が漂っています。町を一歩離れると大砂丘が広がり、デューン7と呼ばれる美しい砂丘が紺碧の海に迫り、世界でも指折りのユニークな風景を生み出しています。その光景は訪れる旅人に強烈な印象を与えてくれるのです。
海辺の町ウォルビスベイではフラミンゴが群れを成し、赤い羽根を広げて飛び立つ姿も印象的です。土漠の中、ごろごろと切り立った岩場の間をひた走っていると、珍しい植物が見つかります。それが奇想天外(ウェルウィッチャー)と呼ばれる1500年から2000年も生きる砂漠の植物です。そんなウェルウィッチャー探しも楽しいひとときです。