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「今までに行った中でどこが一番よかったですか?」とよく聞かれます。
海外旅行に魅せられて、はや46年。気付くと訪問国は世界94か国、渡航回数は通算450回以上…。旅に人生を捧げたといっても過言ではない私ですが、冒頭の質問をうけた時、リゾートだったらハワイ、住むんだったらシドニー、もう一度行けるならナミブ砂漠と答えています。でも世界は広く数えきれないほどオススメしたいところだらけです。今回は独断と偏見になりますが特に印象に残った20の場所を紹介したいと思います。地球は魅惑に溢れています。(今回の記事では5つの場所をご紹介。残りは、その1,3,4の記事をご覧ください)
「アラビアのロレンス」の舞台、ワディラム(ヨルダン)
ヨルダンの有名な観光ポイントはというと、先ずはペトラ遺跡が思い出されるかもしれません。次に死海でしょうか。その2つに引けを取らない世界遺産があります。月の谷とも称される「ワディラム」です。字義的にはワディとは「涸れ川」、ラムは「高い」という意味です。昔は緑に溢れた川が涸れ、ラム山(1754m)などに囲まれた砂漠の谷になっています。赤茶色の砂漠と巨大な岩で造られた壮大な景色は、様々な映画の舞台となってきました。最も有名なのは「アラビアのロレンス」ですが、他に「オデッセイ」や「スターウォーズ・スカイウォーカーの夜明け」など数多くの撮影がここで行われました。
720㎢もある広大なワディラムを到底1日では回りきれません。前の写真にあるように時間があればラクダに乗って1週間の旅を楽しむのもいいですが、忙しい方にはそうもいきません。4WDに乗って砂漠サファリ・ドライブでしたら短時間に見て回ることが出来ます。最低3時間以上のサファリでしたら、ダイナミックな天然の石の橋まで行くことが出来ます。ビジターセンターからも見える「7つの知恵の柱」をはじめとして、カザリ渓谷では先史時代の壁画やナバタイ文字を見たり、ラム山の麓にあるロレンスが水浴びをしたと言われる名所「ロレンスの泉」も見ることが出来ます。こうしてワディラムの中を回っていくと、その広大さ、自然のままの姿、突き抜けるような空の青さに感動を覚えるにちがいありません。
サンクトペテルブルクは観光の宝庫(ロシア)
サンクトペテルブルクはおよそロシア的でない町です。モスクワは保守的で政治経済の町ですが、サンクトペテルブルクは対照的に開放的でヨーロッパ的、文化芸術の町といえます。ピョートル大帝によって1703年から沼沢地が埋め立てられ西欧に開かれた町が作られていきました。見どころはそれは沢山ありますが、観光客が先ず訪れるのが「エルミタージュ美術館」。収蔵美術品300万点、全部回ると20㎞にもなるという巨大美術館です。私の一押しは、旧参謀本部に入っている新館です。モネをはじめとして印象派の作品がこれでもかと見ることが出来ます。町を歩けば次々と歴史的建造物にたどり着き、ロシアにいることを忘れてしまいます。
サンクトペテルブルクの郊外にも見どころが沢山あります。1714年から贅を尽くした「ペテルゴーフ宮殿」の建設が始まりました。ここの噴水はこれまで私が見た中で最も美しく、64の噴水、142の噴き出し口、37の銅像がある壮大なスケールの噴水です。晴れた青空に映えて、黄金の輝きの水を噴き上げています。もう一つ見逃せないのは1724年にピョートル大帝の妃、エカテリーナの名を取って建てられた宮殿です。青い塗装のロシア・バロック様式の建築で、絵画の間、緑の食堂、青の客間、そして琥珀の間が再現されてから見学のため長蛇の列になっている人気の宮殿です。これ以外にも沢山の見どころがサンクトペテルブルクにはあります。観光の宝庫の町へ行ってみましょう。
プラハに行ったらジャズライブハウスへ(チェコ)
ジャズが好きでもなかなか日本ではライブハウスに行けませんが、なんとプラハで安くて気兼ねない上等なジャズを聴くことが出来、とてもお得な気分になりました。現代ジャズの巨人の一人であるマイルス・デイヴィスの死の翌日、1991年9月29日に旧市街のジェレズナー通りにオープンした「アガルタ」でのことです。1975年発表のアルバム「アガルタ」にちなんで店の名前が付けられ、ジャズ愛好者に人気のクラブの一つです。一流のセッションに聴き惚れ、時間がたつのも忘れ、心が開放された一時でした。満足!満足!
1000年以上の歴史を持つプラハの旧市街は世界大戦の戦禍にもあわず、昔そのままの建築が残っているまるで博物館のような町です。おすすめの観光ルートは、市民会館前の火薬庫を徒歩で出発し、ツッレトゥーナ通りを進み旧市街広場にぶつかり、ヤン・フス像を囲んで旧市庁舎&天文時計台、ティーン教会が目に入ります。さらにカレル通りを抜けカレル橋を渡ると名城・プラハ城に到着です。中世に戻ったかと思わせる絶好の徒歩ルートです。絶品の旧市街とプラハ城のコントラストを味わってください。
心温まるタンザニアの人達(タンザニア)
タンザニアの国立公園では、ケニアのマサイマラのように縦横無尽に車で公園の中を走り回ることはできません。決まった道路のみを走り、動物に恐怖感を与えないようにしています。時にはサイや象が横断するのを待つこともあります。サファリに来る人間は決して彼らを襲わないし、行動を邪魔しません。動物たちは安心感のためか本当に幸せいっぱいの表情をしています。タンザニアの人達は動物を愛し、守り、実際対応しています。動物が幸せなのは、タンザニアの人達が優しいからなのです。
タンザニアは動物の宝庫です。数多くの国立公園や動物保護区がありますが、特筆すべきはンゴロンゴロ動物保護区です。水もエサの植物も十分あるクレーターの中に2万5千頭もの野生動物がいわば仲良く暮らしているのです。人間から襲われる心配もない動物の楽園です。名前のンゴロンゴロは一説には、牛の首につけられた鈴の音からつけられたとのこと。のどかなほほえましい話です。もう一つのおすすめはセレンゲティ国立公園です。「果てしない草原」という意味を持つ公園は九州の3分の1の広さで、どこまで行っても草原が続きます。5月から6月にかけてはヌーの大群がケニアにむけて大移動しているのが見られるかもしれません。
建物も音楽も人々も含めて世界遺産のハバナ(キューバ)
ヘミングウェイの愛したキューバ。毎晩通ったという、首都ハバナの名物レストラン「フロリディータ」にある彼の実物大の像は来店する皆を歓迎して、機嫌よく記念撮影に収まってくれます。ここで彼のお気に入りの「ダイキリ」を飲みながら、優しい笑顔を見ているとほのぼのとしてきます。今はあなたの代わりに、私がキューバのとりこになりましたと心の中で思わずつぶやきたくなります。ハバナでは今でも1950年代のアメリカのクラシックカーが我が物顔で走っていて、1700~1800年代の建物がここかしこに建っています。そこに暮らす人々も含め、町全体が博物館なのです。
ハバナ旧市街の観光は先ずは、最も賑やかなオビスポ通りから。石畳の道を歩き、ライブ演奏中のお洒落なレストランをのぞき、おばちゃんの客引きに手を振り、白人も黒人も褐色人も黄色人もごった煮の中をアルマス広場まで進んでいきます。ここからすぐ向こうは海、少し戻って右に曲がると、カテドラル広場。キューバ風バロックスタイルのカテドラルには圧倒されます。この広場と南に下るところにあるビエハ広場はおすすめです。古い建物がリニューアルされレストランに変身し、プラネタリウムがあったり、粋なコーヒー屋さんがあったり、心地よいのです。最後は何といっても旧国会議事堂。白い大きなドーム天井がそびえ立ち、何本もの柱に支えられ、どっしりと構えています。隣のガルシア・ロルカ劇場も見事な建築物で必見なので付け加えておきます。