目次
北アフリカの国、チュニジア、サハラ砂漠があり、多くの世界遺産の遺跡や町があり、地中海の美しい町がある魅力的な国です。しかし、ツアーで訪問するので、どんな基準でコース選びをしたらいいのでしょうか? ガイドブックを見ても観光地が羅列されているだけでよく分かりません。そこでチュニジア旅行のプロ、川崎が皆様に失敗しないチュニジアツアーの選び方を伝授したいと思います。ここがイイ。ここはイマイチ。というように、本音で観光地選びもします。ぜひ最後まで読んでくださいね。
なんちゃって砂漠で満足できますか??
チュニジアの観光の定番はサハラ砂漠まで行くパターンと、サハラ砂漠までは行かないパターンの2つの定番があります。ここでは、砂漠まで行くパターンのコースを紹介しますが、これのチョイスが意外と難しいのです。
チュニジアの砂漠はサハラ砂漠ですが、奥地にある砂漠や、テントロッジに泊まる秘境感溢れる砂漠から、町はずれにある砂漠、つまりなんちゃって砂漠までたくさんあります。なんちゃって砂漠は、片方は町のビルが立ち並び、片方は砂漠が広がるというような光景です。
しかし、写真に撮ると、なんちゃって砂漠も馬鹿にできません。砂漠方向に向かって写真を撮れば、まるで360度砂漠のような写真も撮れちゃうのです。
このなんちゃて砂漠の代表がドゥーズです。南部の観光地、ベルベル人の住居のあるマトマタから砂漠のオアシス・トズールに行く間にある町なので、周遊する場合に必ず通る町です。町外れにサハラ砂漠の砂丘があり、ラクダ乗りで砂漠を体験できます。秘境感はないけれど、それなりに楽しいですが、反対方向は町の景色です。
あなたは、そんな、なんちゃって砂漠で満足できますか?
チュニジアのツアーはこちら
本格的な砂漠ならクサール・ギレンへ
せっかくチュニジアまで来て、サハラ砂漠を体験したいのであれば、なんちゃて砂漠で満足するわけにはいきません。そこでおすすめなのが、クサール・ギレンです。先程のなんちゃての代表格ドゥーズから約138km, 車で2時間ほど行くことになります。ここは美しい風紋が果てしなく広がる砂丘があります。朝陽と夕陽に真っ赤に染まり、まさにサハラ砂漠のイメージどおりの光景を見せてくれるのです。チュニジアで砂漠を極めたければ、このクサールギレンまで足を延ばしたいもの。しかも砂漠の真っ只中に1泊して、満天の星空を眺める一夜の体験は一生の思い出になるはずです。
宿泊はデラックスで快適なテントロッジ「ヤディス・クサール・ギレン」。テントロッジといってもエアコン完備、ホットシャワーの出るバスルームも付いたお洒落で設備の整ったデラックスなホテルです。大きなプールもあり、リゾートライフも楽しめます。石造りのパノラマ展望台に上って見る朝陽や夕陽に輝く砂漠の風景は感動的なものです。
つまり、チュニジアのサハラ砂漠ツアーはこのクサール・ギレンが入っているかどうかを見極めないといけないのです。
山岳オアシス・タメルザ峡谷周辺も必見
アルジェリアの国境近く、シェビカ、タメルザ、ミデスという3つの村が中心となっているタメルザ峡谷は、チュニジア随一の美しい景観を誇るエリアです。1997年の映画「イングリッシュペイシェント」の撮影地になったことで一躍注目を集めました。荒涼たる大地の中、幾重もの地層がダイナミックな一大パノラマが感動的なシェビカ、ヤシグランド・カスカード(滝)と、廃墟の村が美しいタメルザ、足がすくむような渓谷美のミデスと、どこも個性的なたたずまいを見せています。
砂漠オング・エル・ジャメルには、巨大なラクダの形の岩があり、広々とした砂漠の中に今も映画「スター・ウォーズ」のセットが残されているのがユニークな観光名所となっています。映画ファンならずとも訪れてみたい魅惑のスポットです。先程のクサールギレンとともにチュニジア砂漠ツアーでは訪問したい重要な場所です。これらを周遊するモデルルートは次のようになります。
★日本→機中泊→チュニス1泊→ケロアン→トズール2泊(タメルザ峡谷、オング・エル・ジャメルの砂漠観光)→ドゥーズ→クサール・ギレン1泊→マトマタ→エル・ジェム→スース→チュニス1泊(シディ・ブ・サイドとカルタゴ遺跡観光)→機中泊→日本
サハラ砂漠のもっと奥地へ キャンプ・マルスへ
サハラ砂漠の入り口、ドゥーズから4WDで3時間。砂丘のアップダウンを繰り返しようやく遠くにテントが見えてきます。まるで蜃気楼のように現れるこのキャンプこそ、サハラ最奥地ティンバインにあるキャンプ・マルスです。このキャンプサイトは電気も水道も通っていない、本当に砂漠のど真ん中にあります。大砂丘の麓にいくつものテントが張られていて、内部にはかわいいベッドとソファ、そしてロウソクが。布で仕切られた奥にはエコトイレもついています。夜には360度満点の星空に囲まれ、キャンプファイヤーで焼いたベルベルパンを食べます。砂漠に夜の帳を下ろしていく夕陽を見つめ、数えきれない星空に抱かれ、そして徐々に砂漠を照らしていく朝日…忘れられない一生モノの体験がここにあるのです。
非日常の体験ということからいうと、キャンプ・マルスへの旅はチュニジアのイチオシです。しかし、多少の不便と、悪路は覚悟してください。またこのキャンプがオープンしているのは10月から4月で夏の間はクローズとなります。
キャンプ・マルスへ行くツアーは下記のとおりです。
★日本→機中泊→チュニス1泊→スース→エル・ジェム→マトマタ1泊→ドゥーズ→ティンバイン(キャンプ・マルス)→オング・エル・ジャメルの砂漠観光→トズール2泊(タメルザ峡谷観光)→ケロアン→チュニス1泊(シディ・ブ・サイドとカルタゴ遺跡観光)→機中泊→日本
地中海沿岸の遺跡や町を周遊する旅もイイ
サハラ砂漠に行かずに、地中海沿岸の遺跡や町を周遊する旅もチュニジア旅行では考えられます。砂漠に行かない分、他の観光地で時間が取れゆったりとした日程となります。手軽に回れるのは下記のルートです。
★日本→機中泊→チュニス2泊(シディ・ブ・サイドとカルタゴ遺跡観光、チュニス市内観光)→スース1泊→エル・ジェム→ケロアン→チュニス2泊→機中泊→日本
白い壁と青い窓枠、チュニジアで最も美しい町シディ・ブ・サイドと5つの世界遺産を周遊します。カルタゴ遺跡、エル・ジェムの円形劇場、古都ケロアンなど、見どころ満載のコースです。フリータイムも多いツアーです。
チュニジアの遺跡のベストはドゥッガ遺跡です。規模、保存状況ともに最もいい遺跡です。チュニスから日帰りで行けますが、ドゥッガ遺跡を含めた周遊コースで行くのもいいでしょう。下記がモデルルートです。
★日本→機中泊→チュニス→スース1泊→エル・ジェム→ケロアン1泊→ドゥッガ遺跡→チュニス1泊→カルタゴ遺跡→シディ・ブ・サイド1泊→チュニス→機中泊→日本
このコースはドゥッガ遺跡を含めチュニジア6大世界遺産を観光する充実コースです。白と青の町シディ・ブ・サイドに泊まるのもウリです。シディ・ブ・サイドは昼間はチュニスからの観光客でかなり賑わっています。ここにホテルは少ないのですが、ダール・サイドというおしゃれなプチホテルに宿泊します。観光客が少ない時間帯、つまり朝夕の静かな時間帯のシディ・ブ・サイドが楽しめるのが何より楽しいです。
地中海のリゾートの旅はいかが?
砂漠とか、遺跡の周遊ということは忘れて、地中海リゾートでのんびり滞在する旅もチュニジア旅行では考えられます。エーゲ海の島に行くように、またはイタリアやスペインの島に行くように、ヨーロッパからのバカンス客がチュニジアを訪れます。ツーリストゾーンには4つ星や5つ星のホテルが立ち並び、チュニジアではないようにすら思われます。ただし、それはツーリストゾーンの話。各リゾートにもスーク(市場)があり、そこを訪れば、エキゾチックな町角の光景を目にすることができます。また、チュニジアはフランスに次ぐタラソテラピー(海洋療法)の国なので、タラソにトライするのもいいでしょう。
タラソテラピーは本来、1週間くらいのプログラムですが、4つ星、5つ星のホテル内のタラソは半日や1日のプログラムもあるので、それを利用するといいでしょう。
地中海のリゾートのおすすめNo.1は地中海に浮かぶジェルバ島です。チュニスから空路1時間です。この島は長い歴史の間、イスラム教、ユダヤ教、キリスト教の宗教が混在してきました。町並みや人々の民族衣装に、色彩豊かな文化を感じ取ることができます。
手軽に行ける場所として、チュニスから車で1時間ほどで到達できるハマメットもいいかもしれません。ハマメットにはチュニジアを代表するタラソテラピーのホテル、ハズデゥルバル・タラサがあり。このホテルのタラソ設備は圧巻です。
チュニジアは少人数催行のツアーがおすすめ
ハードスケジュール、団体行動、蜜なる観光バス、融通の利かない日程・・・。いくら秘境の国チュニジアといえども、大人数の団体旅行はマッチしません。とはいえ、航空券とホテルだけを取っての個人スタイルの旅のハードルは高いです。公共交通機関に不便があり、都市間の移動が大変だからです。
withコロナ、afterコロナの時代には、新しい旅のスタイルが必要です。それが少人数催行のツアーです。1名からツアーが催行でき、アレンジも自由自在。これこそ一歩先をゆく、次世代型パッケージ旅行です。
こうした少人数催行のツアーはチュニジア専門の旅行会社で催行しています。日本でそうした会社は数は少ないですが、ネットで探せばすぐに見つかります。そうした会社の中から選択するといいでしょう。探し方のコツはこの5つです。①モデルルートの料金が提示されている会社(何でもかんでも1から見積もりでは時間も手間もかかる) ②モデルコースの数が30コース以上ある会社 ③そのモデルコースをベースにアレンジも気軽にしてくれる会社 ④スタッフがチュニジアに旅したことがあり、現地の情報に詳しい会社 ⑤そうしたスタッフを担当者に指名できる会社
こうした5つのことが可能な旅行会社は頼りになるし、自分自身の旅をより充実させてくれることでしょう。
チュニジアとのコンビの国は?
チュニジアに行きたい、しかし、他の国も行きたいという欲張りさんには、チュニジアとのコンビにふさわしい国を紹介しましょう。その場合、チュニジアで時間が取れるのは3泊くらいです。日程としては下記のようなのがベストです。白と青の町シティ・ブ・サイド、カルタゴ遺跡、チュニスにチュニジアNo.1遺跡のドゥッガ遺跡はマストです。
1日め 日本を出発→機中泊、2日め →チュニス着 チュニス泊、3日め 終日:シティ・ブ・サイドとカルタゴ遺跡観光、チュニス市内観光 チュニス泊 4日め 終日:ドゥッガ遺跡観光 チュニス泊 5日め:チュニスから次の国へ出発
コンビとする国はマルタがおすすめです。理由はわずか1時間のフライトで全く違う文化の国に行けること、マルタ自体が小さな島のため短期の旅先に向いていることが挙げられます。
次に考えられるのが、同じフランス語圏、同じ北アフリアのモロッコとの2国周遊です。似ているようで違う国、モロッコとチュニジア、2つの差を発見する楽しい旅になります。問題点はモロッコが大きすぎる国であることです。モロッコ、チュニジアで9日間の場合、モロッコで3泊しか取れません。行けるとしたら、青い町シャウエンと迷宮都市フェズくらい。それでもいいのなら、この旅も興味深いと思います。
もう1つ、モロッコ、エジプトの2国周遊もいいかも。エジプトはカイロ、ピラミッドくらいしか行けませんが、2国で世界遺産を5箇所行けます。
まとめ
いかがでしたか? チュニジアの観光はこれが王道をいうお決まりのパターンというのはなく、むしろ旅する人の趣向により、いろいろな選択があるということを理解していただいたのでは? これを参考に、あなただけの特別感のあるチュニジア旅行を見つけ出していただいたら幸いです。