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「インドに到着すると、カレーの匂いがする」なんてよく聞きますが、あながち間違っていないのではと思います。
実際には空港でカレーを作ってるわけではないと思いますが、インド全土で食べられているスパイスが、空気に交じって、そしてインドの人たちの体から染み出してきているのだと思います。日本に到着した時はお醤油の匂いがするのかもしれません。
インドを想う時、スパイスの匂い、そしてインド料理が無性に恋しくなります。まだインドに行ったことが無い人にも是非食べて欲しい、インド料理の魅力をお伝えします。
北インドと南インドの料理の違い
日本の約9倍もの面積があるインド、同じインドといっても、デリーがある北インドとチェンナイがある南インドでは、まるで違う国のように雰囲気が異なります。
料理も同じく北と南では大きく違っていたのですが、最近ではどちらの料理もどこでも食べられるようになってきています。
日本のインド料理屋さんでよく見るナンは北インドでよく食べられていますが、南インドではお米を食べることが多いです。また、カレーの具も北インドは肉が中心なのに対し、南インドでは野菜が中心です。
このように違いが生まれてくる理由としては、気候の違いが挙げられます。米栽培に適した気候である南インド、そして南より気温が低い北インドではスパイスを沢山使って刺激的な辛さが好まれているようです。
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種類豊富なベジタリアンメニュー
インドに行ったら是非チェックして欲しいのが、ベジタリアンメニューの豊富さです。野菜や豆、チーズを使ったカレーの種類と美味しさは、日本ではなかなか出会えないです。
お肉が無いとちょっと物足りないんじゃないの?と思うかもしれませんが、流石人口の約6割がベジタリアンの国、種類が豊富すぎてわくわくしちゃいます。
日本でベジタリアン生活をしようとすると、結構色んな制限があって窮屈な思いをしてしまうのですが、インドだったらレストランメニューがしっかりベジタリアンとノン・ベジタリアンに分かれていたり、ちょっとしたリクエストでも、ベジタリアンなのでと伝えると快く対応してもらえます。
とっても美味しくて種類豊富なので、インド旅行は全日程ベジタリアンで過ごしてみるのもお勧めです。
宗教と料理の関わり
こんなにベジタリアン料理が豊富なのは、宗教の影響が大きいです。
よく知られているように、ヒンドゥー教では牛を食べることが禁止されています。また、インドでヒンドゥー教に次いで教徒が多いイスラム教では豚肉を食べることが禁止されており、厳格なジャイナ教では微生物や虫も殺してはいけないとされています。
ジャイナ教の人も食事をするので、微生物まで殺さないのはなかなか難しいですが、こうした宗教上の考えを重んじるインドだからこそ、ベジタリアン料理がここまで発展したのでしょう。
宗教上の理由と言われてもあまりピンと来ない日本人の方が多いと思いますが、インドの多くの人たちは宗教に基づいた料理を重んじています。
郷に入っては郷に従え、この考えに少し寄り添って料理を楽しんでみるのも素敵じゃないでしょうか。
路上でチャイを飲もう
インド料理を語る上で避けては通れない飲み物がチャイです。
最近は日本でも専門店が出るほど親しみがあるチャイですが、インド人は本当によくチャイを飲みます。ちょっとショッピングでお店に入ればチャイが出てきますし、町中にチャイ屋さんがあって、本当に一日中チャイを飲んでいます。
チャイはスパイスが入ったミルクティーですが、これが日本のとは異なり、めちゃくちゃ甘い!多分日本で飲んだらびっくりするくらい甘いのですが、インドの気候では丁度良く、疲れた体がぐんぐん元気になります。
また、道端のチャイ屋さんではよくぐい飲みサイズの素焼きコップでチャイがでてきます。そして飲み終わったらこの素焼きコップを地面に叩きつけて割るのが現地流。最初は驚きますが、なんだかすっきりするので病みつきになっちゃいます。
屋台飯に挑戦
どんな国に行っても、手軽に安く簡単に美味しそうな料理が食べられるのが屋台飯。インドにもたくさん屋台飯があるので、是非挑戦して欲しいです。ただ、どうしても屋台となると衛生面で心配がありますので、ご自身の体調や、お店の裏側、お客さんの有無などを見ながら慎重に見極めることが大切です。
町中にはホットサンドや焼き飯、スナックのサモサなど色んな種類の屋台が出ていて、現地の人たちが通勤時や昼食時によく利用しています。また、電車で旅をしていると、駅に泊まった時に駅弁屋さんのように様々なものを売りに来るので、窓からそういった食べ物を購入するのもわくわくします。
本場のカレーとは
日本でカレーというと、白米の横にカレーを注ぐ「カレーライス」が一番最初に頭に浮かぶかと思いますが、意外にもインドにはこの「カレーライス」はありません。多くは小皿にカレーが入っており、ナンやお米をつけて食べます。
日本にある多くのインドカレー屋さんは北インドのスタイルなので、ナンが多いです。
日本のカレーライスは数種類の野菜と肉が入っていて、色は茶色が基本ですが、インドのカレーは基本的には1種類か2種類の野菜や肉を使用し、色はオレンジや緑、白いカレーなどバラエティー豊かです。
北インドではトロっとした辛みのあるカレーが、そして南インドではさっぱりとしたシャバシャバのカレーがメインです。「インドのカレーは辛い」とよく言われますが、実際にはそこまで辛くなく、日本で食べる辛口カレーの方が辛いんじゃないかと思うほどです。
スナックもスパイシーで面白い
ちょっと小腹がすいた時にお勧めなスナックですが、スパイスの国インドではスナックですらスパイシーな香りがするので、是非挑戦してみてください。
インドの定番スナックと言えば、日本でも馴染みのあるサモサが挙げられます。ジャガイモやタマネギなど数種の野菜と挽肉、そしてスパイスを混ぜ、三角形の生地で包んで揚げた軽食で、インドではどこででも食べられる料理の一つです。
ほっくりとした優しい家庭の味で、安くて手軽で腹持ちが良いので、旅のお供にベストです。青唐辛子のソースがついてくることもあり、ピリリとした辛さがたまりません。
またインド版クレープで、南インドを代表するスナックがドーサです。スパイスで味付けしたジャガイモの炒めたものやタマネギを包んで食べます。スナックとしても人気がありますが、ホテルの朝食にもよく出てきますので、是非挑戦してみて下さい。
まとめ
国土も人口も日本とは桁違いのインド、料理の世界も非常に広く深く面白いです。
「インドに行ったらカレーばっかりで飽きるでしょ?」とよく言われますが、実際そんなことないので、心配せずにインドへ行ってみて下さい。
あと、インド料理を語る上で一つ伝えておきたいのが、手で食べるという習慣です。これは人それぞれの考え方とは思うのですが、もしできそうだったら、是非手で食べてみて下さい。日本に来てくれた外国人がお箸を不器用ながらにも使ってくれてると嬉しい、そんな感覚です。
熱いかどうか、どんな食感なのか、何が入っているのか。インドではまず手で味わってから、舌で味わうと言われています。上手に食べるコツは、人差し指~薬指の三本で掬い、親指を使って口に押しこむことです。
是非魅力的なインド料理を楽しんでみて下さい。