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お酒好きの方にとって、旅先での楽しみの一つに現地のお酒を飲む事があげられると思います。中にはそれを一番の楽しみにしている人もいるかもしれません。(私もその一人です笑)フランスやイタリア、スペインなどはワインの産地として世界的に有名ですが、旅していて「え!この国でもワイン造ってるの?」という驚きの出会いをすることもあります。そこで、ここでは珍しい国のワイナリーをご紹介しますので、ちょっと新しい味に興味のあるワイン好きの方はぜひ次回のワイナリー巡り候補に♪
【ミャンマー】中部シャン地方のワイナリー
ミャンマー中部インレー湖の北東、山に囲まれたシャン高原の自然溢れるエリアにミャンマーのワイナリーはあります。ミャンマーのワイン造りの歴史はまだ浅く、1999年にドイツ人Bert Morsbach氏によってミャンマー初のワイナリー「Aythaya wine(エタヤ・ワイン)」が造られました。今ではミャンマーで最も有名なワイナリーのひとつです。
ミャンマーの高地にブドウ畑が!と驚くほど広い立派な畑です。ぶどうはソービニヨンブラン、シラーズ、マスカット、ドルンフェルダーなどフランスやドイツの品種が使用され、味わいもしっかり。試飲も可能ですが、もっとしっかり飲みたい時はレストランで食事と一緒に楽しむ事も出来るので、ランチに訪れるのもオススメです。
紀元前からのワインの歴史を持つ国【トルコ】
トルコのワイン造りは紀元前4000年頃からアナトリア地方で始まったと言われています。今では西部のエーゲ海に近いテキルダー地方やイズミル地方が産地として有名ですが、内陸のパムッカレやカッパドキアにもいくつかのワイナリーがあり、ブドウの生産量は世界トップクラスです。太陽が燦燦と輝くエーゲ海沿岸の町ウルラはオリーブの産地でもあり、ワインも数々の賞を受賞するほどの完成度です。
観光地ではないとなかなか行き辛い場所も多いですが、カッパドキアでは観光の途中にワイナリーに寄る事も出来るので、世界中の観光客にも知られるようになってきました。ボアズケレやエミルなどトルコの固有品種のブドウもあるので、今まで知らなかった味わいのワインに出会えるかもしれません。
アララト山の麓ワインの発祥地のひとつ【アルメニア】
コーカサスの南部にある国アルメニアでは紀元前よりワイン造りが行われていたと言われ、21世紀に入り6100年前の醸造所も見つかりました。古代ギリシアの歴史家ヘロドトスの著書「歴史」にもアルメニア商人がバビロンまで木樽でワインを運んだ事も書かれています。そんな長い歴史を持つワインですが、イスラム勢力時代に縮小し、ソ連時代は衰退してしまいます。それが再び息を吹き返したのが21世紀に入ってから。元々ワイン造りに適した気候ということもあり一気に復活を遂げたのです。
アルメニアでワイナリーが多く見られるのが、アララト山東麓に広がるエリアです。伝統的なカラスと呼ばれる土壺を用いた醸造方法があり、未だその伝統を守っているワイナリーもあります。土着のブドウ品種も多く個性的なワインが造られ、徐々に人気を高めています。
8000年の歴史を持つワイン発祥の地【ジョージア】
アルメニアと同じくコーカサス、黒海に接する国ジョージアでも紀元前よりワイン造りが行われていました。あまり知られていなかったジョージアワインですが、2013年独特なワインの製法「クヴェヴリ製法」がユネスコ無形文化遺産に指定され、世界中にジョージアワインが知られる事になりました。産地としては東部カヘティ地方で7割が造られています。
首都トビリシから車で40分位のカルトリ地方チャルダヒ村にある「Iago’s Wine(イアゴズワイン)」は伝統的製法「クヴェヴリ製法」を用い、一部のクヴェヴリ(壺)は300年前に作られたものを使用しているとの事。ジョージアのオリジナルブドウ品種で作られたワインは長い歴史を感じる深い味わいです。
禁酒の国【モロッコ】で造られるグリワインも試したい
イスラム教国でありながらワイン造りには寛容なモロッコ。フランスの植民地時代にブドウの植樹が行われワインがもたらされました。地中海と大西洋に面し、風土や気候に恵まれた事から様々な土地でワインが造られています。カベルネソーヴィニヨンなどブドウの種類はヨーロッパからの品種が多い様です。モロッコでは通常の赤、白、ロゼに加え、モロッコ独自のグリ(Gris)があります。グリは赤(黒)ブドウから造られる白ワインで色はロゼよりも薄くグレーとも言えます。
モロッコでワインを飲むには場所を選ぶ必要があります。イスラム教国である為、アルコールの製造に関しては禁止されていませんが、イスラム教徒への販売は禁止されています。都会であるカサブランカなどでは外国人向けのお店もありますが、その他の町では公共の場では見せない、飲まない配慮を忘れずに。
まとめ
知られていないだけで、ワイン造りに適した風土、気候を持つ国々でワイン造りが始まっている事もあります。東南アジアでも山岳地域のあるタイやベトナムのワイナリーも少しずつ注目を集め始めました。
こんな暑い国のワインは美味しいの?と躊躇される方もいるかもしれませんが、その国にも涼しい土地はありますし、その気候に合うブドウもあり、その土地に合わせた造り方があります。どんな国でも造り手の皆さんは本当にワインを愛し、丁寧にブドウを育てています。日本で手に入るワインもありますのでワインで世界各国旅行を楽しむのもいいですね。