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モンゴルと言えば大草原、子供の頃に読んだ絵本『スーホの白い馬』のイメージを抱いている方も多いかもしれません。モンゴル出身の力士も一般的になりましたよね。
このようにモンゴルは我々日本人にとって比較的身近な国のイメージがありますが、海外旅行先としてはまだまだ馴染みがないかもしれません。
確かに、フランスの「エッフェル塔」やイタリアの「青の洞窟」のように誰しもが思い浮かべるシンボルがあるわけではないですよね。
そんなモンゴルですが実は海外旅行先として、リピーターの旅行者が多い国でもあるのです。一見、草原ばかりで何も無い国モンゴルですが何がそこまで惹きつけるのでしょうか?
モンゴルの知られざる秘密に迫ります。
モンゴルってどんな国?
モンゴルは北をロシア、東と南を中国という大国に挟まれた国です。
両脇に巨大な国がありますので、あまり大きな国というイメージはありませんが、実は日本の国土の4倍以上もの面積を持つ国なのです。
ひと口にモンゴル人といっても、モンゴル系の民族は多岐にわたります。現在モンゴルに住む民族の8割がハルハ族と呼ばれる人々でチベット仏教を信仰しています。
ちなみに言語はモンゴル語で、一般的にはロシアと同じくキリル文字が使われていますが2020年3月に、「2025年までにモンゴル文字表記との併用を推進し、最終的にモンゴル文字への移行を目指す」ことが決まったそうです。
モンゴル観光の見どころとは?
モンゴルの原風景として誰しもが思い浮かべるのは、一面に広がる大草原でしょう。
それもそのはず、草原(ステップ)は国土の5分の4を占めているのだとか。
残りは高原砂漠が標高1000mの南ゴビまで広がっているのですが、実は1960年以降から草原の砂漠化は急速に進んでおり、現在モンゴル政府が直面する社会問題の大きな1つでもあります。
まさに「草原の国」という表現ピッタリなモンゴルゆえ、首都であるウランバートルの中心地から車を走らせることわずか15分で草原が見えてきます。
ウランバートル近郊に外国人観光客向けのツーリストゲル(テント)を運営している旅行会社がいくつもありますので、手軽にゲルでの滞在を楽しみたいのであればウランバートル近郊のゲルに泊まるのがいいでしょう。
ただせっかくモンゴルまで来るのですから、有名高原リゾートのテレルジやウンドゥルシレットでの滞在を個人的には強くおすすめします。
加えて世界遺産の遺跡が残る古都カラコルムや南ゴビの大自然など、草原だけでないモンゴルの様々な面を見に行くことができれば非常に興味深い旅になることでしょう。
モンゴルの首都・ウランバートルの楽しみ方
日本から直行便が運行するモンゴルですが、そのゲートシティとなるのがモンゴルの首都であるウランバートルです。
街の中心には政府機関と銅像、街を取り囲むように造られた大きな幹線道路や建ち並ぶアパートはどこかロシア風の街並みを思わせます。
ウランバートルは標高約1,300mに位置する都市のため、1月の気温はマイナス20℃まで下がることもあるのだとか。世界で最も寒い首都としても知られています。
一方、夏の平均気温は20℃近くまで上昇しポカポカした陽気になることも珍しくなく、非常に寒暖差の激しいのが特徴です。
モンゴルで1番の大都市ですので、キャンプや自然が観光のメインとなるモンゴルにおいては、博物館や寺院などの観光や土産物探しができる貴重な場所でもあるのです。
特にモンゴル最大のチベット仏教寺院の「ガンダン寺」、ウランバートルの街を見渡せる記念碑「ザイサン・トルゴイ」、巨大なチンギス・ハーン像が鎮座する「スフバートル広場」は必見です。
ウランバートル郊外で楽しめゲル泊と乗馬体験
モンゴル旅行の最大の目玉がゲルと呼ばれる、モンゴル式のテント住宅でのキャンプの滞在です。キャンプと言ってもいわゆるアウトドアのワイルドなキャンプとは異なり、ゲルの中は広々しておりベッドも完備。ゲルの床や壁にはフェルトや毛布を幾重にも重ねていますので防寒対策はバッチリです。ストーブを備えているゲルも少なくありません。そのため外は氷点下の日でもゲルの中はポッカポカです。暖かいゲルの中で、来客を招いて食事をすることがモンゴル人は大好きです。
ゲルの滞在中は、近くに住む遊牧民の方が食事に招いてくれたり、乗馬を教えてくれますよ♪
大自然の中をゲルで過ごすことは何事にも代えがたい経験となりますが、「虫が入ってくるのは嫌!」「暖かいシャワーを浴びたい!」、「トイレは水洗がいい!」という方も少なくないはず。
そんな方にお勧めするのがウランバートル郊外にある「HS ハーン リゾート ホテル」。Voyage誌にも掲載された大草原の中のラグジュアリーホテルです。目の前に草原のパノラマが広がる立地ながら、内部はゲルとは思えないほど機能的でモダンな造り。お子様連れや年配の方、ハネムーンの旅行までおすすめできるゲルです。
古都・世界遺産のカラコルムとは?
イタリアの商人・旅行家であるマルコポーロが記した「東方見聞録」にもその存在が記されているカラコルム。
カラコルムはウランバートルから西へ約360km。1235年、モンゴル帝国初代皇帝チンギス・ハーンの命により第2代ハーンのオゴデイが1235年に宮殿・城壁を築いてカラコルムの地をモンゴル帝国の首都に定めました。カラコルムが首都であった時代には駅伝制が整備されるなど、モンゴル帝国の統治がより強固なものになりました。
そんなカラコルムの地位が衰退するのが16世紀末。モンゴルで最古の寺院であるチベット仏教のエルデネ・ゾー建設のためにカラコルムの宮殿より資材調達したことが原因だと言われています。
そして現在、カラコルム一帯は2000年以上の歴史を有する遊牧民の伝統を今に伝える数少ない遺跡として2004年世界遺産(オルホン渓谷の文化的景観)に登録されています。
イメージ通りの大草原!ウンドゥルシレット
ウンドゥルシレットはウランバートルから西へ200km、カラコルムとウランバートルの中間に位置する雄大な大草原とそこを流れるトーラ川の美しい風光明媚なエリアです。まさにイメージ通りのモンゴルの風景と言ってもいいでしょう。
ウンドゥルシレットは果てなく続く地平線の美しさから数々の映画やCMのロケ地として使われました。椎名誠が監督した映画『白い馬』が撮影されたのもこのウンドゥルシレットです。
ウンドゥルシレットでは乗馬トレッキングの他にも熱気球や、トーラ川でのリバーセーリング、フィッシング等幅広いアクティビティが楽しめます。さらに夜になると満点の星空を楽しめますので、のんびり数日間過ごすにはうってつけの場所です。
モンゴルの秘境・知られざる南ゴビの魅力とは?
中国とモンゴルをまたがる総面積約130万平方キロの、世界で4番目の大きさの砂漠であるゴビ砂漠。そんなゴビ砂漠の入り口とも言える南ゴビのダランザドガド市までウランバートルから空路で1時間半で行くことができます。
国土の大部分が草原のモンゴルですが、南ゴビはそれと対照的な荒々しい自然が広がる最もダイナミックなエリアです。
南ゴビの必見スポットは4つ。ホンゴル砂丘・ヨリーンアム渓谷・バヤンザグ・モルツォグ砂丘です。
中でもモンゴルの大草原のイメージから最もかけ離れている景色が楽しめるのがバヤンザグかもしれません。バヤンザグは世界で最初に恐竜の卵の化石が発見された場所として知られています。ゴツゴツした岩肌と赤茶けた大地は、まさに恐竜が出てきそうな光景で迫力満点。夕陽に当たると一層赤く燃えるように見えることから1922年アメリカの探検家より「炎の崖」と名付けられました。
モンゴルへの行き方
そんなモンゴルへ行く場合、最もお勧めしたいのはMIATモンゴル航空です。成田からウランバートルまでを約5時間半で結ぶ、モンゴル国営の航空会社です。
直行便はこのMIATモンゴル航空しか運航していませんので、今のところモンゴルに行くには最適な航空会社と言えるでしょう。
私が搭乗したときには、モンゴル出身のお相撲さんが数人乗られていたのが印象的でした。
団体のお相撲さんが乗っても、重量的に飛行機は問題ないのでしょうか?大丈夫だと思いますが、ちょっとスリルあるフライトになりそうですね(^^;)
直行便以外ですと、ソウル乗継ぎの大韓航空や北京乗継ぎの中国国際航空が候補になるでしょう。ソウルや北京乗継ぎであれば東京まで来なくても地方の空港から運行があるので、お住まいの都市によってはモンゴル航空よりも便利かもしれませんね。
モンゴルへのツアー
数ある国の中でも、モンゴルほど団体旅行に向いていない国はないかもしれません。というのはグループの旅行では毎日観光が必ず詰め込まれるからです。海外旅行に来ているのに「観光」を詰め込まないのも変に聞こえるかもしれませんが、なんせ広大な国ですから毎日移動ばかりじゃ大変ですよね。
それにモンゴル旅行の醍醐味は地平線まで全く遮るものがない、大自然の中で心ゆくまま過ごすことです。日の出とともに目を覚まし、日没が来たら眠るような遊牧民のような暮らしを体験するなら、「予定を入れない」ことが実は何よりも大事なのです。
とは言え、行き当たりばったりの旅行はモンゴルには向きません。広大な草原の国ですから、何事においても移動にはちゃんとした車が必須となります。
タクシーを拾ったとしても、目的地のゲルがどこにあるかなんて、タクシーの運転手はわかりません。街を出てしまえばどこもかしこも草原なのですから。
よってモンゴル旅行に行くなら、必ず現地旅行社あるいは日本の旅行会社に依頼をしておきましょう。在モンゴルの現地旅行社は星の数ほどありますので、どの会社が信頼できるかの判断はかなり難しいところです。そのため日本にオフィスのある、個人旅行のアレンジに実績のある旅行社に依頼するのが最も確実な方法と言えます。
まとめ
いかがでしたか?
モンゴル人力士や『スーホの白い馬』、モンゴルへの直行便が運行しているなど意外に日本と馴染みのあるモンゴルですが、観光旅行というと選択肢に入らなかった方も多いかもしれません。
しかし目の前を遮るもののない、360℃見渡す限りの大草原の地平線の大自然が織りなす開放感はモンゴルにしかありません。「何もない」環境を楽しむことができるのがモンゴルの魅力なのです。
ちなみに寒さが厳しい冬のモンゴルですが、犬ぞりなど普段と違う体験ができるので、もしモンゴルが気に入ったら冬の旅行もおすすめです。冬の観光客は珍しいのでモンゴルの人々に大歓迎されるはずですよ!
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