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インド旅行に興味のある日本人の中で、ヒンドゥー教の聖地ベナレス(バラナシ)を訪れたいと思う人は多いはず。特に有名なガンジス川での沐浴風景は、旅番組やSNSでもよく目にします。しかしながら、具体的にベナレス滞在でできることって何があるの?衛生面が不安だけど、女子旅でも楽しめるの?と思う人もいるでしょう。ご安心ください。今回は実際にベナレスでの滞在を満喫しつくした私が、女子旅のためのベナレス観光ベスト5をご紹介します。
ガンジス河での沐浴風景
ヒンドゥー教徒にとってガンジス河は信仰の対象。ガンジス河で沐浴すれば全ての罪が洗い流されると、ヒンドゥー教徒は毎日沐浴に出かけます。老若男女、多くのヒンドゥー教徒が祈りの言葉を口ずさみながらガンジス河で沐浴する様子は、これぞベナレス!という風景。ベナレス観光では絶対に見逃せないものです。
おすすめは早朝、ボートに乗ってガンジス河から眺めること。人々で溢れるガート沿いの喧騒を気にすることなく、沐浴風景はもちろんのこと、火葬場の様子までゆったりと楽しめます。「火葬場は気になるけれど、正直荼毘に付す途中の様子は近くで眺められないかも…」という人にもおすすめです。
日本語ガイド付きのボートライドが含まれたツアーであれば、漕ぎ手との料金交渉という面倒な手間も必要ありません。ぼったくり被害に遭うこともないため安心して観光できます。強制ではありませんが、降りる際は漕ぎ手にチップを渡すと良いでしょう。
また、時々男女問わずバックパッカーが沐浴にチャレンジしている動画を目にしますが、正直全くお勧めはできません。せっかくベナレスに来たんだからチャレンジしたいと思う気持ちもあるかもしれませんが、体調を崩しても構わない!という覚悟や、私なら体調崩さない!という強靭な体を持つ人以外は、旅行中の勢いに流されないように気を付けましょう。
ガートの散策
ガートとは、ベナレスの町からガンジス河への道となる階段状の堤のこと。84のガートがありますが、沐浴する多くの人々で一番賑わうダシャーシュワメード・ガートや、最大の火葬場とされるマニカルニカー・ガートなど、場所によって異なる様子が伺えます。
それぞれのガートを巡るには、歩いて散策するのが一番。祈りを唱えながら沐浴する人々、水辺に建てた台で説法をするバラモン、物売りの少年少女、賑やかなドラの音、充満するお香の煙…。ボートでゆったり眺めるだけでは味わえない、聖地ベナレスらしさを味わうことができるでしょう。
散策に疲れたら、露店で売っている甘~いチャイを飲みながら一休みするのも良いでしょう。ベナレスの日常の一員となることで、人生とは、祈りとは何なのかを考えられる時間となるかもしれません。
ちなみに、「ガンジス河沿いの露店でチャイ…?お腹壊さない?」と不安になるかもしれませんが、私は全く問題ありませんでした。あくまで「私は」ですが…。
また、沐浴風景や祈りの様子などを写真にとっても特に問題ないとのことですが、火葬場の写真撮影は厳禁ですので気を付けましょう。
施設名 | ダシャーシュワメード・ガート |
エリア | ベナレス |
住所 | Dashashwamedh Ghat Rd, Ghats of Varanasi, Godowlia, Varanasi, Uttar Pradesh 221001 インド |
営業時間 | 24時間 |
休館日 | なし |
入場料 | なし |
バラモンによる祈り・プージャの見学
ヒンドゥー教の最高階級であるバラモン(僧侶)は、早朝や夕方にプージャと呼ばれる礼拝を毎日行います。特に日没時、ダシャーシュワメード・ガートで行われるプージャは必見!前半はガンジス河の聖水やお香を使って穏やかに、後半は火の灯る燭台を華麗に操りながら、ドラや鐘の音に合わせてまるで踊るように。1時間ほどのプージャですが、クライマックスに向けて盛り上がり祈りを捧げるバラモンの姿はとても幻想的です。プージャの周辺はインド中から礼拝に来たヒンドゥー教徒だけでなく、世界中からの観光客でも大変賑わいます。人々の賑わいや熱気も相まって、まるで劇場でショーを見ているかのようです。
バラモンが礼拝を行う台の前には、プージャの見物用に椅子やベンチが並んでいます。座りながらゆったりと見たい人は、プージャが始まる少し前から場所取りをしておくと良いかもしれません。また、時期にもよりますが身動きが取れないほど多くの人で賑わうこともあるとのこと。スリには十分注意し、必要最低限の荷物で見物に出かけましょう。特にプージャ終了後は一斉に帰路へ着く見物客でガート周辺が大変混み合います。ある程度プージャに満足したら、終了する少し前に退散するというもの一つの手です。
穏やかなベナレスの一面を味わう
インド国内屈指の大学で、世界中から学生が集まるバナラス・ヒンドゥー大学(BHU)。ベナレス中心地の喧騒や人混みから離れた立地にあり、その広大な敷地は豊かな緑で囲まれた穏やかな場所です。大学内に病院があったり、学生寮や観光客向けのお土産ショップもあったりと、さすがインド屈指の大学!とその規模に驚かされました。また、敷地の中心にはヴィシュナワート寺院がありますが、ガート周辺にある黄金寺院と呼ばれる方のヴィシュナワート寺院とは異なり、ヒンドゥー教徒以外も訪れることが可能です。白くそびえる外観もさることながら、内部にあるシヴァ神の像、バラモンと説法を受けるヒンドゥー教徒の様子が見られるのも貴重な体験となるはずです。
また、ガンジス河の対岸にあるラームナガル城もお勧めの場所。マハラジャの居城として1750年に建てられた歴史ある建物で、現在は博物館となっています。マハラジャが利用していた車や服飾品、銃や槍などの武器といった数々の展示品はもちろんのこと、マハラジャの居城として優雅にそびえる建物自体も見応えがあります。ガート側のガンジス河とは違い、穏やかに流れるガンジス河の様子も楽しむことができ、ベナレスの穏やかな一面を知るにはもってこいの場所です。
施設名 | ラームナガル要塞 |
エリア | ベナレス |
住所 | Varanasi Rd, Ram nagar, Ramnagar, Uttar Pradesh 221008 インド |
営業時間 | 9:30~17:30 |
入場料 | 200Rs |
公式サイト | https://kashiarchan.in/ramnagar-fort/ |
備考 | 館内は撮影禁止 |
仏教の聖地・サルナート観光
サルナートはベナレスから日帰りで簡単に観光できる立地にあり、仏教の重要な聖地です。仏教が日常に根付いている日本人としては、より馴染み深い場所ですね。
一番の見どころはダメーク・ストゥーパ。かのブッダが初めて説法を実際に行ったとされる場所に、アショーカ王が建てた6世紀のストゥーパ(仏塔)です。表面は剥がれてしまっている部分が多いですが、堂々とそびえるその姿は何とも神秘的な様子です。また、ダメーク・ストゥーパのあるモニュメントサイトの敷地内では瞑想している人々も多くみられ、ベナレスとは全く違った穏やかな時間が流れています。
もう一つ訪れたい場所が、ムールガンダ・クティー寺院。外観はシンプルなものですが、内部の壁にはブッダの生涯が描かれた見事な壁画があります。この壁画の画家、なんと野生司香雪という日本人が戦前に描いたものとのこと。恥ずかしながらブッダの生涯を詳しく知らず、ガイドさんの説明をしながら眺めていましたが、説明なしでも見事な壁画には圧倒されること間違いなしです。
サルナートは他にもタイ寺院や中国寺院、日本寺などの仏教寺院はもちろん、ジャイナ教寺院なども点在しています。様式によって異なる寺院の様子、雰囲気を満喫してみてはいかがでしょうか?
施設名 | ダメークストゥーパ |
エリア | サールナート |
住所 | Dhamekh Stupa, Dharmapala Rd, Singhpur, Sarnath, Varanasi, Uttar Pradesh 221007 インド |
営業時間 | 6:00~17:00 |
休館日 | なし |
入場料 | 300Rs |
アクセス | ベナレスから車で約30分 |
番外編・ガートの高級ホテルBRIJRAMA PALACE
ガンジス河に面し、ダシャーシュワメーダ・ガートから徒歩5~10分ほどの好立地にある宮殿を改装したホテルがBRIJRAMA PALACEです。200年以上の歴史を持つその堂々とした外観はさることながら、一歩中に立ち入れば混沌としたガート沿いにいるとは思えないほどゆったりと穏やかな時間の流れる空間が待っています。客室はもちろんのこと、ベジタリアン料理が美味しいと好評なレストランや、ガンジス河を優雅に眺められるテラスでの時間は格別なものとなること間違いなしでしょう。入り口のエレベーターですら歴史を感じる美しい構造で、感動のあまり思わず感嘆の声が漏れてしまいます。
アクティビティも豊富で、特にホテルが所有する専用ボートで沐浴風景やプージャの見物もそのボートを利用できるのだとか。まさに至れり尽くせり、さすがの5つ星宮殿ホテルです。スタッフの方々もとてもフレンドリーで丁寧に対応して下さいます。客室数は32と少なくはないですが、欧米人からも人気のホテルでベストシーズンの予約は早々に埋まってしまうそう。ベナレスに行くなら絶対にBRIJRAMAに泊まりたい!という方は、大体の予定が定まり次第、できる限り早く予約することをお勧めします。
施設名 | BRIJRAMA PALACE |
住所 | Darbhanga Ghat, Dashashwamedh, Uttar Pradesh 221001 インド |
TEL | 91 80 6905 7700 |
営業時間 | 25,000Rs~ |
休館日 | 32室 |
公式サイト | https://www.brijhotels.com/brijrama-palace-hotel-in-varanasi/ |
まとめ
いかがでしたか?
女子旅にお勧めのベナレス観光ベスト5をご紹介しました。
1泊だけでも十分に満喫できる内容ですので、インド旅行をご検討中の方は是非ご参考ください。
これぞインド!な景色を楽しみたいそこのあなた!ベナレスは欠かせない旅先です。