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私は大学時代に休学して、バックパッカーとして世界一周の旅に出たのを皮切りに海外旅行にどハマりし、気づけば5大陸・100以上の国・地域を訪れました。自称天邪鬼でひねくれ者なので(笑)、大都市や旅行者に人気の観光地よりもあまり知られていない穴場の目的地の方に魅力を感じることが多く、より印象に残っています。
そんな私がおすすめするこだわりの旅先ベスト20を紹介します。他のサイトやガイドブックなどにあまり載っていない場所を中心にセレクトしましたので、ぜひお楽しみくださいませ。
※こちらはアジアオセアニア編です。同シリーズの「欧州アフリカ中南米編」もぜひご覧ください!
祭り好き必見!クレイジーすぎる台湾の2つの爆竹祭り
ランタン祭りは台湾ファンにおなじみですが、同じ元宵節(旧正月後最初の満月の日)に行われる2つのクレイジーな祭りはまだまだ知られていません。一つ目が嘉義市郊外で行われる鹽水蜂炮。100万発を超えるロケット花火が発射され、莫大な量の爆竹が鳴り響く危険な祭りです。ロケット花火が猛烈に降り注ぐため一見火事のようですが、これに当たると縁起が良いとされているため、参加者はヘルメットや防炎服を身に着けて進んで当たりに行くという理解しがたい光景が見られます。
エリア | 台湾南部、台南の北に位置する都市。東側には阿里山山脈がある場所に位置する |
公式サイト | https://www.chiayi.gov.tw/en/ |
アクセス | 新幹線利用で台北から約1時間30分 バスの場合約3時間半 |
備考 | 嘉義には北回帰線が走っており北回帰線標誌が建設されております |
もう一つが台東で開催される炮炸寒単爺で、こちらは寒単爺という神様に扮した人に爆竹を投げつける儀式。こちらも見るからに痛々しい祭りですが、厄を払い新年の福を願う重要なお祭りです。刺激が欲しい方にぜひ行っていただきたい祭りですが、怪我には十分気をつけて!
エリア | 台湾の南東部にある台東県中部に位置し、西北は卑南郷と、南は太麻里郷とそれぞれ接し、東は太平洋に面している。 |
公式サイト | https://discovertaitung.com/ja/ |
アクセス | 新幹線利用で台北から最短で約4時間(北回り) |
備考 | 南回りの鉄道路線を利用して 高雄などと合わせての周遊もオススメ |
シルクロード新幹線に乗って中国西域を訪ねる
中国版新幹線(中国高速鉄道)は中国全土を走っており、今や総延長は日本の新幹線の10倍以上になっています。かつてのシルクロードにも沿ってレールが敷かれており、秘境のイメージがある西域エリアにも新幹線で行けるのです。ぜひ新幹線で行ってみたいおすすめの都市が敦煌とトルファン。敦煌は世界遺産で中国三大石窟の一つ莫高窟や、絵に描いたような砂丘・鳴沙山がある観光都市。
エリア | 敦煌郊外 |
Webサイト | https://www.mogaoku.net/ |
アクセス | 敦煌市内から、車で約30分。 |
備考 | 1987年に世界文化遺産登録 |
トルファンは漢代の都市遺跡・交河故城や西遊記にも登場する火焔山で有名で、漢民族ではなくウイグル人が多く住み他の中国の街とは雰囲気が全く異なります。また回族やチベット人が多い街でラサへの列車の出発点でもある、青海省の西寧も経由します。蘭州ラーメンで有名な蘭州や知る人ぞ知る幻のメロン・ハミウリの生産地ハミも通るので、グルメの旅も楽しめます。
エリア | 中国新疆ウイグル自治区に位置する |
アクセス | 日本からの直行便は無く、日本から北京・上海・西安乗り継ぎで飛行機でウルムニ入り、ウルムチから車で約2時間 |
真冬のモンゴル極寒の旅!冬ならではの文化を楽しもう
モンゴルを旅する日本人観光客の約9割が、乗馬やゲル滞在を楽しめる夏頃に訪れるはず。冬は気温マイナス30度近くまで下がり、とても旅行に適したシーズンとはいえません。しかしこの時期でしか体験できないユニークな文化があるのです。中国や韓国と同じく旧正月を祝い(ツァガンサール「白い月」と呼ばれる)、この時期は日本と同じく家族や友人の家に滞在し、豪華なご馳走を食べて楽しみます。よく食べる料理が餃子に似たボーズで、来客が多い家では何千個も作るとか。ウォッカも出てくるのでお酒好きにも嬉しいはず!
また旧正月元日は山や丘で初日の出を鑑賞する風習があり、民族衣装に身を包んだ人々が日の出の瞬間祈りをささげる姿は圧巻です。大晦日には伝統の相撲大会があり、ナーダム(夏の祭典)に次ぐ2番目に重要な大会とされています。
正式国名 | モンゴル国 |
場所 | 東アジアの北西部に位置する |
首都 | ウランバートル |
面積 | 約156万6500km2(日本の約4倍) |
人口 | 323万人(統計2018年) |
通貨 | トゥグリグ |
宗教 | チベット仏教、イスラム教 |
民族構成 | 95パーセントがモンゴル人 少数民族にカザフ人等 |
言語 | モンゴル語。英語はホテルや観光地等を除いて一般的にあまり通じません。 |
ヒマラヤの秘境ブータンへはお祭り目当ての旅がオススメ!
政府によって旅行料金が定められていて、旅するのにちょっとハードルが高そうな国ブータン。そのハードルを越える価値大ありの素敵な国ですが、せっかく行くのなら祭りに合わせて行ってみては?最も重要な祭りがこの地にチベット仏教を伝えた聖者グル・リンポチェを称える祭りツェチュで、ほぼ月に1度どこかで行われているので旅行者でもスケジュールを合わせやすい祭りです。
面積 | 約38,394平方キロメートル(九州とほぼ同じ) |
人口 | 約75.4万人 |
首都 | ティンプー |
民族 | チベット系,東ブータン先住民,ネパール系等 |
言語 | ゾンカ語。英語も基本的には通じます。 |
宗教 | チベット系仏教,ヒンドゥー教等 |
治安 | 他の国に比べると、比較的治安は良い国です。 しかし、貴重品の管理や人通りの少ない場所は避ける,夜間の外出は控える等の最低限の安全対策は必要です。 |
時差 | 日本との時差はマイナス3時間 (日本が正午のとき、ブータンは09:00) |
行き方 | ブータンには日本からの直行便の運航がないため、バンコク経由が一般的です。 シンガポール、インド、ネパールを経由するルートもあります。 ブータン国内は列車や国内線は運航がないため、全て陸路での移動となります。 |
備考 | ビザ取得が必要です。 |
筆者はブムタン谷の村で行われた2つの祭り「ニマルン・ツェチュ」と「クジェ・ツェチュ」に行きましたが、いずれも観光客は少なく見物客はほぼ民族衣装で着飾った村人のみ。前者は動物や神々を演じた見事な仮面舞踊が見られ、後者では一年でこの日だけ御開帳される巨大な大仏画(トンドル)が鑑賞できました。何よりも祭りを精一杯楽しんでいる村人の晴れやかな表情が印象的でした。
エリア | ブムタン (ウラ、チュメイ、タング、ブムタンの4つの谷) |
アクセス | 首都ティンプーからブムタン県のゾンがあるジャッカルまで車で約9時間 |
ローカルなモルディブを楽しむ 首都&離島で文化体験
モルディブといえばハネムーンに最適な豪華なオーシャンリゾート。しかし筆者はあえて首都とローカル島に行ってみました。首都マーレは意外や意外、世界で最も人口密度が高い都市の一つで、新宿区の10分の1ほどの面積の島に人々や建物がひしめいています。イスラム教の国だけあってモスクが目立ち、17世紀にサンゴで建てられたモスクもあります。興味深いのが市場で、鰹節や塩辛のような鰹のペーストなどどこか親しみを感じる食材も!
正式国名 | モルディブ共和国 |
場所 | インドとスリランカの南西に位置する,約1200の島々からなる島国 |
首都 | マーレ |
面積 | 298km(全島統計で東京23区の約半分) |
人口 | 53.1万人(統計2019年) |
通貨 | モルディブルフィア リゾートではアメリカドルが広く流通している |
宗教 | イスラム教 |
民族構成 | モルディブ人 |
言語 | ディベヒ語 |
ローカル島に外国人が立ち入れるようになったのは最近のことで、受け入れ設備が整っている島はまだ少なめ。その中でもグラドゥ島はゲストハウスがあり滞在にお勧めです。歩いて1時間足らずで一周できるほどの島ですが、透き通った美しい海、サンゴでできた民家、ローカルモスクなど目にするもの全てが新鮮なはず。
エリア | 南マレ環礁に浮かぶ小さな小さなローカル島 |
アクセス | マレ国際空港からほど近い首都マレから、スピードボートで乗換えを入れて約1時間 |
今注目の国ウズベキスタン。シルクロードの古都は絶景の宝庫
シルクロードゆかりの地で観光資源は多いものの今までアクセスがあまり良くなかったウズベキスタン。しかし近年、ビザ免除措置やチャーター便増便などで一気に注目度が増しています。絶対に見逃せない都市が、青の都として有名なサマルカンドと土壁の旧市街が魅力のブハラ。いずれも緻密で美しいタイルで装飾された、神学校やモスクなどのイスラム建築が見どころです。
正式国名 | ウズベキスタン共和国 |
場所 | 中央アジアに位置し、北と西にカザフスタン、南にトルクメニスタンとアフガニスタン、東でタジキスタン、 キルギスと接し、国土の西部はカラカルパクスタン共和国が自治を行っている。 |
首都 | タシケント |
面積 | 44万7,400平方キロメートル(日本の約1.2倍) |
人口 | 3,350万人(2020年:国連人口基金) |
通貨 | スム |
宗教 | イスラム教スンニ派 |
民族構成 | ウズベク系(84.3%)、タジク系(4.8%)、カザフ系(2.4%)、カラカルパク系(2.2%)、ロシア系(2.1%) |
言語 | ウズベク語。ロシア語を第一言語として使用する人も多い。観光地では英語も通じます。 |
もう少し足を伸ばして、古代王国の古城カラめぐりや、環境破壊の産物であるアラル海の船の墓場へも。またウズベク料理は知る人ぞ知る激うま料理で、新鮮な羊肉とスパイスの絶妙なハーモニーに病み付きになること間違いなし。炊き込みご飯プロフやうどんに似たラグマンは、現地で必ず食べておきたい料理です。刺繍スザニや陶器などの伝統工芸品や小物はお洒落土産として女性に人気です。
都市名 | モイナク |
エリア | ウズベキスタンにある、自治共和国 カラカルパクスタン共和国の北部にある都市。 |
アクセス | ウズベキスタンの首都タシケントからヌクスまで飛行機(直行便)で1時間40分 ヌクスから車で約3時間 |
備考 | アラル海の漁業を中心とした都市であったが、1980年代以降のアラル海の急速な縮小で 海岸線が80km以上先に遠ざかり、産業は衰退している。 |
ギャップ萌え!?見所満載の国イランでほっこり旅
何かとネガティブなニュースが多いイランですが、実際に旅行した人からの評価はかなり高め。第一の魅力は見ごたえのある観光地が多いことです。さすが悠久の歴史を誇るペルシャの地、栄華を誇った広大な遺跡ペルセポリスや、かつて世界の半分があるといわれたほど繁栄した街イスファハン、絶景として人気のローズモスクや万華鏡のモスク擁する古都シラーズなど見どころ盛りだくさん。
正式国名 | イランイスラム共和国 |
場所 | アジア・中東に位置。北西にアルメニアとアゼルバイジャン、北にカスピ海、北東にトルクメニスタン、 東にアフガニスタンとパキスタン、南にペルシア湾とオマーン湾、西にトルコ、イラクと境を接する。 また、ペルシア湾を挟んでクウェート、サウジアラビア、バーレーン、カタール、アラブ首長国連邦に面する。 |
首都 | テヘラン |
面積 | 1,648,195平方キロメートル(日本の約4.4倍) |
人口 | 8,280万人(世界人口白書2019) |
通貨 | イラン・リアル |
宗教 | イスラム教(主にシーア派)、他にキリスト教、ユダヤ教、ゾロアスター教等 |
民族構成 | ペルシャ人(他にアゼリ系トルコ人、クルド人、アラブ人等) |
言語 | ペルシャ語、トルコ語、クルド語等 英語は都市部や外国人が多い場所では通じます |
それ以上に印象深いのは現地の人々の優しさとおもてなしです。どの街でも地元の人々が親しげに声をかけてくれ、頼むまでもなく道案内やご馳走をしていただいたことも一度や二度ではありません。日本在住経験者が多いため日本人に親しみを持っているということもあるようです。イランの旅は行く前のイメージが180度変わるであろう忘れられない経験になるはずです。
国土も首都も分断された不思議の島国キプロス
韓国と北朝鮮のように国土が分断されてしまった国は歴史上いくつもありますが、キプロスは首都までも二分されてしまった珍しい島国。南側はギリシャ系住民が多く住んでいる一方北側はトルコ系住民が多く、この部分を「北キプロス」という国家として承認しているのはトルコのみという状況です。といっても治安は特に問題なく、北キプロスにも見どころが多くあります。古くから海上交易の中心であった港町ギルネや古代ギリシャ時代の遺跡サラミスはぜひ訪れたいところ。
正式国名 | キプロス共和国 |
場所 | トルコの南の東地中海上に位置しキプロス島の大部分を占める |
首都 | ニコシア |
面積 | 9,251平方キロメートル(四国の約半分) |
人口 | 約120万人(世界銀行データ:2019年) |
通貨 | ユーロ |
宗教 | ギリシャ正教、イスラム教 |
民族構成 | ギリシャ系、トルコ系、その他(マロン派、アルメニア系等) |
言語 | ギリシャ語、トルコ語。ただし、英語もほとんどの場所で通用します。 |
首都ニコシアは南北「国境」であるグリーンラインで分断され、北はオスマン時代の大モスクがそびえるトルコ風の街並み、南はギリシャ語表記やギリシャ正教会が目立つ街になっています。今は簡単に南北の行き来ができるので、対照的な雰囲気の街並みを楽しみましょう。
太平洋半横断路線で行くミクロネシア&マーシャル諸島
ハワイとグアム両島を結び、途中の島々を経由して太平洋を半横断するアイランドホッパーという路線があることはほぼ知られていません。このユニークな路線で行ける島国がミクロネシア連邦とマーシャル諸島。いずれもかつて南洋群島として日本が統治していた国です。ミクロネシア連邦は4つの州に分かれ、このうちチューク州はかつてトラック諸島と呼ばれ日本海軍の拠点となっていました。戦時中に多くの艦船が撃沈し、現在は沈船ダイバーの聖地となっています。また絵に描いたような無人島ジープ島が絶景の島として注目されています。
正式国名 | ミクロネシア連邦 |
場所 | オセアニア・ミクロネシア地域。マリアナ諸島の南東、パラオの東、マーシャル諸島の西、 パプアニューギニアの北ないし北東にある。地理的には、カロリン諸島と呼ばれる。 |
首都 | パリキール |
面積 | 700平方キロメートル(奄美大島とほぼ同じ) |
人口 | 約113,815人(2019年、世界銀行) |
通貨 | アメリカドル |
宗教 | キリスト教 |
民族構成 | ミクロネシア系 |
言語 | 英語の他、現地の8言語 |
マーシャル諸島の首都マジュロは数十の小島が周囲100kmにわたって連なる環礁の中にあり、人口数万の小さな首都。郊外の白砂のビーチでのんびりしたり、コテージのあるプライベート島にゆったり滞在してみましょう。
正式国名 | マーシャル諸島共和国 |
場所 | 太平洋上に浮かぶ島国。マーシャル諸島全域を領土とする。ミクロネシア連邦の東、キリバスの北に位置する。 |
首都 | マジュロ |
面積 | 180平方キロメートル(霞ケ浦とほぼ同じ大きさ) |
人口 | 58,791人(2019年、世界銀行) |
通貨 | アメリカドル |
宗教 | キリスト教 |
民族構成 | ミクロネシア系 |
言語 | マーシャル語、英語 |
ソロモン諸島&バヌアツ 知られざる南太平洋諸国へ
太平洋の島国が多いオセアニアの中でも、オーストラリアの北東に位置するエリアはメラネシアと呼ばれます。ニューカレドニアやフィジーが直行便で行けるリゾート地として有名ですが、ここで取り上げたいのはソロモン諸島とバヌアツ。ソロモン諸島の首都ホニアラがあるのは太平洋戦争で壮絶な戦場となったガダルカナル島で、今も戦跡や慰霊碑が島の各地にあります。特にホニアラから車で約1時間で行けるビル村戦争博物館では、貴重な旧日本軍の大砲や米軍の戦闘機を見ることができます。
離島の火山ツアーが有名なバヌアツでは、カバという不思議な飲み物があります。木の根から作られ、見た目も味もまるで泥水のようですが、バヌアツ国民に愛され首都には200軒以上の「カババー」があるとのこと。味はともあれ、ぜひ体験してみたいものです。
首都 | ポートヴィラ |
時差 | 日本との時差は+2時間(日本が正午のとき、バヌアツ共和国は14:00) |
言語 | 英語、ビスラマ語、フランス語 |
宗教 | キリスト教 |
通貨単位 | バヌアツバツ(1バツ=約1円) |
気候・服装 | 1年を通して気温が高く、年間平均気温26℃ほどです。日本の夏服で問題ありません。 |
まとめ
今回アジア・オセアニア偏として、台湾・中国・モンゴル・ブータン・モルディブ・ウズベキスタン・イラン・キプロス・(北キプロス)・ミクロネシア・マーシャル諸島・ソロモン諸島・バヌアツを駆け足で紹介いたしました。
その土地ならではのお祭りや、独自の食文化、オフシーズンの旅、人々とのふれあい、ガイドブックには載らないでも魅力的な場所は世界にたくさんあります。
有名な観光地のすぐ近くでたまたま見つけた寺院がその旅の一番の思い出に残ることもあるので、時間と足を使って是非お気に入りを見つけてみてください。