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久しぶりのラジャスタン旅行。ラジャスタンと言えばそれぞれの街並みに色があるのです。黄砂岩でできたジャイサルメールの町は夕暮れ時に黄金色に輝くゴールデンシティ。郊外にはサム砂漠があってラクダ乗りも楽しみ。青く塗られた家並みが面白いジョドプールはブルーシティ。ローズピンク色の建物が立ち並ぶジャイプールはピンクシティ、そして湖の畔に広がる白い大理石の建物が美しい白い世界がウダイプール。ラジャスタンの個性あふれる観光地を堪能する旅に出ました。
満天の星・・・月の砂漠のラクダ乗り
ラジャスタンと言えば絶対に体験すべきなのがサム砂漠のラクダ乗り。今回はジャイサルメール郊外南西に40㎞ほどにあるクーリー村で、ラクダに乗って砂漠の朝日を見に行きました。
クーリー村は観光客も少ない穴場です。暗いうちからラクダに乗って砂丘を越えて日の出を目指します。最初は立ち上がるときにちょっとのけぞってウワーッと叫んでしまったものの、なんとかラクダは立ち上がり、つりそうになった足を庇いつつ、ラクダに内股をくっつけて踏ん張ったのでした。今まで何度か乗っているものの、やはりラクダは私にはスリリング!砂丘の上り下りは特にドキドキします。ラクダの背に付けられた短い棒を必死でつかみ、布団の端っこを握りしめて乗り越えます。フーッ疲れる!でも慣れてくると楽しみが始まります。
日の出前の薄暗い砂漠を、ラクダ引きが紐を引いてくれ進んでいきます。あたり一面、人っ子一人いない静寂の砂漠。空を見上げると満天の星とお月さま。まさに月の砂漠!こんな世界に来ていることが限りなく幸せな気分。そしてなんとも楽しい最高の体験となりました。
日の出のシーンは、真っ赤な大きな太陽が結構なスピードで昇り始め、すぐに辺りは明るく、温かくなり始めました。なぜか我々を先導してくれる野良犬たちがラクダの足元を一緒に歩きます。ラクダ遣いがラクダを急かすチッチッという音が面白くて、真似をしてチッチッと言いながら、私たちのラクダは帰路についたのでした。
ユニークなラクダ車でサム砂漠の夕日鑑賞
早朝にラクダに乗って朝日を堪能したので、夕日の方は別のエリアへ向かいました。サム砂丘のメインの方は欧米人やインド人が多くやって来てキャメルサファリを楽しんでいます。近くにはテントやキャンプも多くあります。
サンセットを目指していくと、ラクダ車という面白い乗り物がありました。ラクダが引く荷台に人が乗れるのです。朝にラクダに乗って疲れたので、このラクダ車に乗ることにしました。荷台にマットが敷かれそこに座って乗ります。
3人くらいがちょうどいいようで、5人乗ったら重すぎて1頭のラクダでは昇りの砂丘に耐えられないようで、ギブアップして立ち止まってしまいました。可哀そうなので3人に減らしました。
ラクダ車で砂漠を進んでいくと、隣をラクダに乗った欧米人やインド人たちが通り過ぎ、お互いに手を振って挨拶します。どこから来ましたか?へえ日本人ですか!などなど。そんなことも楽しいやりとりなのでした。
夕日の沈む砂漠は美しく、印象に残るひととき。やはりジャイサルメールへ行くなら、砂漠で朝陽や夕陽を見るのが一押しです。
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黄金色に輝くゴールデンシティ、ジャイサルメールの珍商売
ラジャスタン地方の最奥地ジャイサルメールはゴールデンシティの異名を持っています。城塞やお城、ハヴェリ(貴族の館)などが黄色の砂岩で造られ、光が差すと黄金色に輝いて見えるからです。
町のシンボル、フォートパレスは巨大で強固な砦であるジャイサルメール城です。城内にあるジャイナ教寺院も内部の精巧な彫刻の数々に圧倒されます。いくつかある貴族の館の中で、とりわけ目を引くパトワ・キ・ハヴェリ。黄金色の砂岩がくり貫かれた全面のレリーフの豪華さは圧巻で見る価値あり。
ハヴェリの前の広場で写真を撮っていると、面白い商売をしている人を発見。クルクル回る台の上でお客さんにダンスをさせて、スマホを取り付けて回りながら撮影する動画の撮影です。娘と二人で手をつないで音楽に合わせてダンス♪自動的にクルクル回るので、背景のジャイサルメールらしい美しい建物がしっかりと映り込み面白い動画が完成です。これで確か100ルピー(約180円)くらいの手数料を払いました。楽しい旅の思い出が180円は安い!!インド人はいろんな珍商売を考えるものです!
インドらしさ満載!ジョドプールの「青い町」はカオスの中に
ジョドプールに行くなら見逃せないのが青い家並みです。青い家並みと聞くとモロッコのシャウエンなどを思い出すかも。
でも行ってみてわかったのは、ここの青い家はシャウエンみたいにきれいなだけじゃないということ。そこには細い路地でクラクションを必要以上に鳴らしてバイクと共に走り抜けるオートリキシャや、ごった返すほどの人の波。人の暮らしがある活気、エネルギーに満ち溢れた青い町なのです。
それこそカオス!それが面白い、やっぱりここはインドだと思い出すはず。そして青い家の壁には様々なインドっぽい壁画が描かれ、それを見て回るのも楽しいのです。サリーを着たインド女性や象、鳥や木々、花々など、インドの風物がセンス良く描かれているのは見ていて飽きないものです。
青い家々は元々カーストの高い家の象徴でしたが今は関係ないそうです。遠くから見下ろすとまばらな青が点在していますが、政府の援助でもっと家を青く塗ってほしいと要請されている人が多いとか。なので、今後は青い家がもっと増えるかもしれません。もしこれほど大きな規模の町が青で埋め尽くされたら、どんなに壮麗な町になるのでしょうか?!
砦の城壁の迫力はジャイサルメールにも負けていないジョドプール
ジャイサルメールでお城の迫力に圧倒されたのですが、次に訪れたジョドプールにもすごいのがありました。
壮大な砦「メヘラーンガルフォート」は130mの岩山の上に36mもの高さの城壁が切り立った巨大な風景。見上げた時の威圧感はかなりのものです。
他にも白亜の霊廟「アスワント・タダ」は、王妃が王のために建てたというエピソードから、ジョドプールのタージマハールと呼ばれています。
宮殿ホテルとしてインド一の格式を誇る「ウメイド・バワン・パレス」。その規模もインド最大で、347もの部屋があるそうです。マハラジャの家族が今でも実際に暮らす上層部の部屋と、ホテルになっている70室ほどの部屋に分かれています。セキュリティが厳しく、申請して行ってみたものの、ゲストでなければゲートから20mほどしか近付けませんでした。でも町中の一つの観光名所のようになっているので、外観の写真を撮るだけでも行ってみる価値あり!?
ウダイプール・湖上の宮殿ホテルで夢の一夜
ウダイプールといえば誰もが知っている宮殿ホテルがレイクパレス。今回はこのホテルに泊まるのも楽しみの一つでした。
ピチョラ湖に浮かぶ白亜の宮殿ホテルがタージ・レイクパレスです。湖に浮かんでいること自体が不思議ですが、ホテル内にいる限りそんなことも忘れるほど、広い庭に木々が茂り花が咲き鳥がさえずる高級ホテルにほかなりません。
船乗り場から専用のボートで到着してフラワーシャワーやお出迎えの儀式もあって、これぞ本物の宮殿ホテルです。
スイートではなく通常のお部屋だったので、それほど広くはないものの、室内のインテリアは本物のラグジュアリー感に溢れています。バスルームのタイルのデザインや照明など一つ一つに上質のこだわりを感じます。
湖の見えるプールサイドには優雅なブランコも。お気に入りのパンジャビドレスを着て娘とブランコに乗って2ショットを撮りました。
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白亜の町並が安らぎをもたらす湖畔の町ウダイプール
ピチョラ湖の畔に広がるウダイプール。白亜の大理石や御影石で造られた建築物が多く、優雅な印象を受ける町です。
町の見どころの筆頭はインドで2番目に大きいシティパレスです。ラジャスタンで最強だったと言われるウダイプールの王の力を表すように、旧市街を見下ろす長さ224m、高さ30mの豪華なパレスは優雅のひとこと。マハラナ(兵士の王)が何代にも渡ってこの地を治めてきたのです。
目の前のピチョラ湖ではモーターボートに乗って夕日を楽しむサンセットクルーズに出かけました。ホテルのゲストが10数人一緒に乗り込みます。ライフジャケットを着こんで、風を切って進むボートは心地よいもの。インドなまりの英語でのガイドの説明はかなり聞き取りにくかったですが。
砂漠の多いラジャスタン地方を周遊して観光した後だったので、湖の上で過ごすのは癒されるひと時となりました。
ピンクシティ・ジャイプールの風の宮殿の裏側はどうなっている?
今回の旅では立ち寄らなかったのですが、ラジャスタン州を語るとき、忘れてはいけないのがジャイプールです。初めてのインド旅行でも、たいていのコースに組み込まれているのがこの町。ラジャスタンの州都で、玄関口のような存在です。
ローズピンクの建物が立ち並ぶことからピンクシティの愛称で呼ばれています。町を取り囲む7つの門もローズピンクだし、町のシンボル的存在の巨大な風の宮殿も美しいピンクカラーです。
正面からの風の宮殿は壮大で美しいもの。ところがその裏側は奥行きがなく薄っぺらい、いわば張りぼて風建築なのです。見に行ったら横から入ってみてください。ユニーク!!
市内観光が終わったら郊外のアンベール城へ足を延ばしました。丘の上に建つ壮大なお城の全景も素晴らしいですが、ここでの楽しみは象のタクシー。象の背中に乗って高い視線でお城と下界の様子を眺めていると、マハラニ気分に。ラジャスタンのマハラジャの世界の旅、始まり始まり~!!
まとめ
ラジャスタンはインドの中でもバラエティに富んだ魅力を秘めたエリアです。マハラジャの世界を垣間見られる宮殿ホテルの存在。湖上の宮殿ホテル。象のタクシー。そして砂漠でラクダに乗って月の砂漠を味わいます。
今度のインドはラジャスタン地方を目指してみてはいかがでしょうか?