ダージリンティーという言葉は、よく耳にしますが、その生産地はどんなところなのか知っている人は多くありません。
インドの西ベンガル州に位置し、平均標高は約2134mという高地にダージリンはあります。ダージリンの元の名称はチベット語の「ドルジェ・リン」=【金剛の地】という意味でしたが、イギリス統治下で現在のダージリンに変化していきました。その他、 基本情報から楽しみ方まで余すことなくご紹介します。
ダージリンの基本情報
ダージリンの気候
ベストシーズンは4~5月と9~10月。雨も少なく気候が安定しているのでおすすめです。6~8月は雨季で天候が悪く、ヒマラヤの山々の絶景を見るには少々不向きです。日中に30℃を超えることもありますが、湿度が低いので過ごしやすいです。日差しが強くサングラスを常備携帯しておくと便利です。標高が高い場所にあるので、年間を通して朝夕は冷え込みます。夏場でも薄い防寒着は持って行った方が良いです。
また冬場(12〜2月ごろ)は空気が澄んでいますが、かなり冷える(最低気温が0℃まわることも)ので寒いのが苦手な人は避けた方が良いでしょう。
ダージリンへの行き方
インドの玄関口デリーから国内線で2時間ほどで、バグドグラ空港へ。(※デリー以外のインド各地方からも路線はあります。)
バグドグラからダージリンまでは、傾斜の急な山道を車で4時間ほど。乗り合いのジープも出ており、地元の人はこれを利用するのがほとんどです。
ダージリンのお役立ち情報
治安面で言えば、デリーやアグラなど都市部や観光地の方が治安は良くないです。そこと比べるとダージリンは安全です。
しかし、都会では無いので夜は早くに町の明かりが消えてしまいます。比較的治安がよいとはいえ、夜間の外出は控えて。朝以降に行動しましょう。
また数年前に大規模のデモやストライキがありましたが、現在は落ち着いている様子です。集会などには近づかないようにすれば特には問題ないかと思います。
世界遺産の列車トイトレインとサンダクプーでトレッキング
ダージリンティーは、その名称になんとなく馴染みがあることから、一般的な紅茶の一つだと思っている方も多いかと思います。しかし実は非常に貴重な紅茶なのです。というのもインドの紅茶生産量のうち、ダージリンティーが占める割合はたったの1%程度。その貴重さは「紅茶のシャンパン」とも例えられるほど。
また、春摘み、夏摘み、秋摘みで味が変わり、その味わいの多様性も魅力の一つです。
ダージリンでは、豊富な種類のダージリンティーをお得な金額で購入できるので、お土産には是非紅茶をおすすめします。
世界遺産のダージリン・ヒマラヤ鉄道では、トイトレインの愛称で親しまれているミニ蒸気機関車が訪れる人の目を引きます。盛大に汽笛を鳴らし、煙を吐いて進む機関車の姿は、どこか懐かしく、そして絵本やオモチャの中の世界観があって可愛らしいです。
このトイトレインは、ダージリンからニュージャイバイグリ間の総距離88km、標高差2000メートルをゆっくりと走っています。試しにちょっとだけ乗ってみたい…という事でしたら、ダージリン駅から次のグム駅までの区間がおすすめです。
トイトレインは一般道路を路面電車のように車と並行して走っていきます。道路脇の民家に手が届きそうになるほどで、人々の暮らしをとても近くに感じられます。さらに途中、花畑のところで観光できる時間も。絶好のシャッターチャンスです。窓から顔を出して写真を撮っていると、すすで黒く汚れてしまうこともあるので要注意。
富士山とほぼ同じ高さにある山頂サンダクプーへは車を2台乗り継ぎます。
ダージリンから車で1時間半ぐらいで、インドとネパールの国境線があるマニバンジャンという町に到着。ここで車を旧式のランドクルーザーに乗り換えます。
途中2度、ネパールの国境越えを経て、そこから約5時間かけて悪路を進み、サンダクプ―に到着。
道のりは決して容易くはありませんが、そこには絶景世界トップ5のうち、エベレスト山を含む4つを眺められる世界で唯一の展望台があります。
尾根をトレッキングすれば更に標高が高い場所へも行けます。