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ヨーロッパのアルプスと言えば誰もが思い浮かべるスイスアルプス。ツェルマットにグリンデルワルトなどなどアルペンリゾートはたくさんあります。そしてアルプスはスイスだけではないのです。モンブランの観光の拠点シャモニーはフランス側にあり、マッターホルンの裏側はイタリア側のリゾートです。今回は意外に知られていないヨーロッパのアルプスの穴場的見所ベスト10を、ペンギン案内人2号が独断を交えてご紹介します。ちょっとアルプス通になっていただきましょう!
車が走らない静かな桃源郷ミューレン村(スイス)
ヨーロッパアルプスの中で一番のお薦めはどこ?と訊かれたら、私は迷わず一番好きなスイスのミューレン村と答えます。列車とロープウェイを乗り継いで、標高1,600mの村に着けば、ここがスイスで指折りの絶景スポットだとわかります。目の前に聳えるアイガーの絶壁、メンヒやユングフラウの雪山がスイスで指折りの絶景を作り上げています。村の小道をそぞろ歩けば、木造りのシャレーの窓辺にカラフルな花々が飾られ、スイスを絵にかいたような憧れの風景が広がっています。
ミューレンをもっと詳しく知りたい方はこちら↓
大きなアルペンリゾートと違い、滞在する観光客がそれほど多くないのと、車がシャットアウトなので静かな点がミューレンの良さのひとつです。周辺でお花畑を眺めながらのハイキングを楽しんだり展望台に登ったり、生涯の思い出になるほど素敵な体験となりました。
できれば2-3泊してのんびりするのがお薦めです。私がかなり気に入って今までに3回泊まった大好きな「ホテルアイガー」。目の前に広がるパノラマに大感動の連続でした。
マッターホルンを独占する幸せな場所リッフェルアルプ(スイス)
スイスの3大名峰のひとつマッターホルン。この山を見るにはツェルマットに滞在するのが一般的です。でもツェルマットから見上げても山は近くありません。登山電車に乗って山に近付くことは可能ですが、日帰りだとつまらないので、ここは山岳ロッジに泊まることが必須です。途中駅のリッフェルベルクや終点のゴルナーグラードにもロッジはありますが、私の一押しはリッフェルアルプ2222です。標高2,222mに位置するのでこの名が付きました。この高度だと泊まっても高山病の心配はまずないのです。
駅に着いたら専用の赤いトラムがお出迎え。ホテルでは必ずマッターホルン側の部屋を取りましょう。1日中部屋にいても飽きないほど素晴らしいマッターホルンの雄姿を堪能できます。ホテルの温水プールで山を眺めながらひと泳ぎしたり、周辺をハイキングしたり。泊まる人は少ないので、早朝起きてハイキングをしたら山もお花畑も独り占め。これ以上の贅沢は思いつきませんでした。
リュッフェルアルプスをもっと詳しく知りたい方はこちら↓
日本人にもお馴染みのグリンデルワルト(スイス)
グリンデルワルトは日本人もよく知っているスイスのアルペンリゾートです。夏のシーズンには観光客でかなり賑わいます。歩いても1時間もかからない村と呼んでもいいほどのメインストリートに沿って、スイスらしく可愛らしいシャレーのホテルや土産物店や郷土料理のレストランが軒を連ねています。
村の周りには大自然が広がり、花畑に囲まれたハイキングコースや、パノラマ展望台、神秘的な氷河に雄大な峠など、まさにスイスの理想的な風景が日帰りで堪能できるのです。外せないのは登山電車で行くユングフラウヨッホの展望台。夏の真っ盛りで町では暑くても、山頂は一面の氷の世界。冷蔵庫に入ったみたいに寒いので避暑にも最適です。
またロープウェイに乗って標高2,184mのフィルストの展望台へ。大迫力のアイガーなどのパノラマを楽しみ、ハイキングもできるので私はここがお気に入りのスポットです。
神秘のエッシネン湖を見にカンデルシュテ-クへ(スイス)
エッシネン湖は神秘の湖と聞いていたのでずっと憧れの存在でした。ベルナーアルプスの西の端に位置するカンデルシュテークの村が湖への拠点の村です。カンデルシュテークも静かで花々が咲き誇りとても美しい村。3泊して日帰りでエッシネン湖を目指すことにしました。リフトに乗って登ったら、降りたところから湖はちょうど平坦でらくちんなハイキングコースです。
憧れの山上湖エッシネン湖はあいにくの天気で、色合い的に神秘的な写真にはなりませんでした。でも岩壁に囲まれるようなロケーション、そこに滝が流れ落ちるシーン。やはり他では味わえない景色がここにはありました。ハイキングで湖畔までたどり着くと、パラソルのあるテラスでひと休み。氷河を湛えた山並みの絶景を眺めながら美味しいランチを楽しんでのでした。
オーストリア最高峰グロース・グロックナー(オーストリア)
オーストリア最高峰のグロース・グロックナー山はなんと富士山より高い3,800m近く。展望するためにはザルツブルクから車で片道2時間以上かかるけれど日帰りも可能です。チロルアルプスもこんなに素晴らしいんだと再認識させられる風景が待っています。
道中の風景も楽しめる山岳道路を抜けてフランツ・ヨーゼフ・ヘーエ展望台へと向かいます。道中の車窓風景があまりにもダイナミックで、シャッターを押す手が止まりません。展望台ではオーストリア最大のパステルツェ氷河の絶景が待っています。かつてオーストリア皇帝フランツ・ヨーゼフ1世が皇妃エリザベートを連れて氷河を見物に訪れ、その壮麗な光景に感銘を受けたという歴史にも納得。展望台に行程の名が付けられたのでした。またスワロフスキー展望のハイキングも楽しみです。
モンブラン観光の拠点の町シャモニー(フランス)
モンブランはスイスの山ですが、モンブランを目指す拠点となる山岳リゾートの町はフランス側にあるシャモニーです。ちょうど国境近くに位置するからです。シャモニーは可愛い町並みでいつも観光客で賑わいを見せています。標高3,842mのエギーユ・デュ・ミディ展望台へはケーブルカーに乗って一気に登るので、楽ちんな登山が楽しめます。頂上の展望台からは、白銀のモンブランや4,000m級の山々の大展望が広がります。
シャモニーから赤い車体のモンタンヴェール登山列電車に乗るのもお薦めコースです。モンタンヴェール展望台は標高1,913mで氷河見学の絶好のスポットです。登山電車に乗るだけで手軽に行けるのも 魅力。目の前には標高3,754mの岩山ドリュが迫力ある姿を見せています。 氷河を見学したら、その中へ入る氷の洞窟体験が楽しみです。青く輝く氷の世界を堪能できます。
イタリア側モンブラン観光の拠点クールマイヨール(イタリア)
クールマイヨールはモンブランをイタリア側から観光するアルペンリゾートです。イタリアではモンテビアンコと呼ばれるモンブラン。ロープウェイで登る標高3,466mのブンタエルブロンネールに向かいました。ここがモンテビアンコ展望の最高のスポットなのです。4,810mのモンテビアンコが目の前に聳え圧巻。4,000m級の山々がずらりと並ぶスケールの大きい自然を堪能できました。
クールマイヨールから車で20分ほどにあるフェレの谷では、モンブランを見上げながらハイキングが楽しみました。片道2時間ほどのルートもあるけれど、40分歩けば十分美しい風景を堪能でき、道中は放牧している牛と遊んだりも。谷にあるホテルレストランの屋外テラスの芝生の上で食べたランチは最高。地元の名物でコーンミールを粥状にしてキノコソースなどと混ぜて食べるポレンタや鱒の塩焼き、スパゲッティミートソースなど、屋外で食べる美味しさは忘れられないものでした。
マッターホルンの裏側を見るチェルヴィニア(イタリア)
スイスのマッターホルンは、イタリアではモンテ・チェルヴィーノと呼ばれています。マッターホルンは三角の山というイメージですが、その裏側にあたるチェルヴィーノはどんな山なのでしょうか?マッターホルンの裏側を見に行くために、一路チェルヴィニアへと向かいました。夏のシーズンでも、こちらは地元のバカンス客やスキー客がメインで、観光客は少ない印象です。
ロープウェイを乗り継いで山頂のプラトーローザ展望台まで登ります。道中、眼下にはプルー湖など美しい湖も見えます。着いたところは標高3,500mで、マッターホルンは目の前にその裏側を見せていました。なんとその姿はスイス側とは異なり巨大な岩の塊で、もっと近くに迫っています。ダイナミックさではこちらの勝ち。そして人が少ない分、この雄姿を独り占めしている贅沢な気分でした。
ドロミテの長閑な展望台アルペ・ディ・シウジ(イタリア)
3,000m級の絶景。まるで彫刻のような奇岩群。独特の景観を有するアルプスのリゾートドロミテは、世界遺産に指定されています。西の端の中心となる町ボルツァーノから日帰りで手軽にドロミテを楽しめるのが標高1,835mのアルペ・ディ・シウジです。周囲の谷を切り取られ、ぽっかり浮いたような緑の丘陵はドロミテの展望台と呼ばれる眺めの良さ。反対側のオルティセイに降りるロープウェイ乗り場まで約1時間半のハイキングを楽しみました。
緑の草原にはカラフルな花が咲き、迫力ある岩峰の風景が広がっています。車は走れないので静かなのも嬉しく、平坦な道と昇りの道がミックスした変化に富んだ道のり。あちこちに山小屋があって、馬車も走っているので、ハイジの気分で一度乗ってみるのも楽しい体験です。道中には5つ星ホテルも含め素敵な山小屋風のホテルが軒を連ねています。この辺りは谷間の町や村のホテルに比べ静かで、アルペンリゾート気分を味わえるので泊まってみるのも一押しです。
ドロミテ渓谷東側最大の見所トレ・チーメ(イタリア)
ドロミテ渓谷東側ルートの最大の見所がこのトレ・チーメ。3つの岩山が聳える独特の風景を眺めつつハキングをしにたくさんの観光客が訪れています。トレ・チーメ ハイキングのハイライトと言えるのがラヴァレード小屋から続く坂道を登り切った後にたどり着く展望台。ここからの眺望が一番見事です。ピッコロ、グランデ、オッチデンターレの3つの頂が天を突き刺ささんばかりに空に向かい、絶壁の岩山が迫ってくるように感じられる場所なのです。
もし余力があれば第3の山小屋、ロカテッリ小屋までのハイキングがお薦め。なぜなら縦に並んでいたトレ・チーメが今度は横に並んだ光景を見せてくれるからです。ロカテッリ小屋までは約50分歩くと小屋に向かう道とハイキングの続きの道へと2つに分かれるので、ロカテッリ小屋方向へ向かいましょう。小屋では本格的なレストランも併設されているので、ここで絶景を見ながらのランチが必須となります。
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