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聖地ルルド&ピレネー編
ずっと来たかったキリスト教の聖地ルルド。初めて来ることが叶った神聖な場所。厳かな聖地のムードが漂るサンクチュアリーのエリアは、夕方から町中に響き渡る讃美歌の音色から始まって、夜9時ころからは毎晩ろうそく行列が行われ、その時が最も神聖な空気に包まれるのです。大きくてモダンな礼拝堂があって、沢山の信者が一度に礼拝できるスペースです。
屋外に集まった大群衆。その皆が合唱する讃美歌の音色は心の奥深くにジーンと染み込んでくるような感動をくれます。皆小さなろうそくを持って並び、上から行列の人々を眺めます。マイクで歌う神父さんや若い女性信者の声に合わせて皆が口ずさんでいます。
行列の先頭はたくさんの車いすの人々とその介護人である病院ボランティアの人々。シスターも多いし、白装束の信者や教会関係者も続きます。世界中から奇跡を求めて集まってくる病気の人々がものすごい数で、中にはベッドに寝た切りで行列で運ばれているような重病の人もいます。皆さんが良くなるように祈ります。ガイドさんの説明では、今までに実際に起こって実証された奇跡は70人に及ぶそう。全く歩けなかった人が突然歩き出したケースもあるそうです。私も奇跡が起こりますように・・・と祈りました。
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ルルドの聖なる泉の水を飲めば奇跡が起こる!?
グロットという洞窟の岩の上にバシリカ(礼拝堂)があります。グロットの岩を触って祈りを捧げます。そこに湧いている泉の水で身を清め、水を飲むのです。私たちは近くにある蛇口から出るルルドの聖水を飲んで手と顔につけました。泉の水は清らかで腐らないのだとか。奇跡の起こる水。ペットボトルに入れて帰る人も多いようです。
こうした神聖なムードと裏腹に、国際的な観光都市としてルルドの町はかなりの賑わいを見せます。どことなく安っぽい土産物屋やカフェ、ピザ屋をはじめ、センスのなさそうなレストラン、ホテルがズラリと並んでいます。何と言ってもフランスでパリに次いでホテルの数が多いのがこのルルドなのです。
大きい声で話をする観光客であふれるカフェ。他の町では外していたマスクを、ここルルドではよく見かけます。病気治療中の患者も多く、この町ではコロナ感染に気を付けるように注意を受けました。
ルルドの郊外に広がるピレネーの大自然に魅了される
今日から3日間は、オート・ピレネー県観光局のアンナさんの案内で、ピレネーの自然を巡ります。アンナさんは日本が大好きでたこ焼きをこよなく愛する優しくて底抜けに明るい女性。彼女と一緒に楽しい時間を過ごせたのです。
3日に分けて3日間で訪れたのは、ルルドの郊外に位置するピレネーの自然の中です。
1日目はスペイン橋へ向かいます。ルルドの町から車で1時間近く走ると、コーテレCAUTERETS という町に着きます。ここからゴンドラとチェアリフトを乗り継いでポンデスパーニャスペイン橋へ。
氷河湖のように美しいゴーブ湖は山に囲まれて静かで、何もないところで、現地ガイドのDAVIDさんがかつてカナディアンロッキーにいたことがあるけれど、レイクルイーズを見た時に、ゴーブ湖と似ていると思ったそうです。そういわれるとレイクルイーズとかスイスのエッシネン湖にも似ていると私も思いました。
2日目はカヴァルニ観光です。フランス・ピレネー山脈の大自然を一番味わえるのが、ガヴァルニ大圏谷。世界遺産でもあり、国立公園でもあるこの大圏谷へは、聖地ルルドから車で45分のガヴァルニ村が拠点となります。
3日間かけて3つのエリアを訪問するのがおすすめ
ガヴァルニ村からは片道1時間強のハイキングです。最初のうちは平坦な道ですが、途中から軽い上り坂が続きます。徐々に目の前に美しい岩山が迫ってきます。行く手をさえぎるかのような閉鎖的な風景は魅力的です。ガヴァルニ大圏谷の眺望が楽しめる場所に位置するのが、オーベルジュ&レストランの「オテル ドゥ シルク」です。
夏のシーズンである5月末から10月末のみのオープンです。オープンテラスのレストランは多くのゲストで賑わっていました。世界遺産の中にあるため、新たな建物は建てられないらしく、ガヴァルニ大圏谷を展望するためのレストランはここ1軒のみなので混んでいます。
ここでランチを取ります。2人で全部で50ユーロ(8,193円)くらい。
★セップ茸のオムレツ、フリット特盛、サラダ付き
★ハンバーガーとフリット
★コカコーラ
★ペリエ
外せない見どころピック デュ ミディ。2,877ⅿの展望台へ
ランチのあと、マダムとムッシュがオーベルジュの部屋を案内してくれました。現在のご主人が6代目というから歴史的な宿です。とてもスタイリッシュで上品なインテリアですが、昔から引き継がれたピレネーの風景画なども飾られています。大きなバスタブもあるステキなお部屋です。ハイキングで行く山のオーベルジュとはとても思えないセンスのよいオーベルジュです。
ただし、ホテルの宿泊代は2人で2食付き530ユーロ(86,846円)からと少々高めです。もちろんこの絶景を見られるロケーションは他の何にも代えがたい価値はあるかと思いました。
ピレネー3番目の見どころはPIC DU MIDI ピック デュ ミディ。夕べ泊ったカヴァルニーのホテルからケーブルカーの乗り場までアンナさんの運転で向かうこと1時間余り。そこからケーブルカーを1回乗り継いで、眼下に広がる緑の草原や牛の群れなど見ながら標高2,877ⅿの展望台ピックデュ ミディ着。
そこには展望台の他に展望ホテル、レストラン、カフェ、ミュージアムまであるというから驚きです。3,000ⅿ近い高地にこれだけのものを作り上げるたとは容易ではなかったはずです。迫力ある風景が広がります。そこに設置されていた透明な陸橋。まるで大渓谷に張り出したような天空の橋です。恐る恐る歩いて先端まで行ってこちらを向けば、大自然を背景にした記念写真をパチリ!あとで大きく延ばしてくれるサービスもあるのです。
日本に帰って来てからも写真を見る度に、その時吹き抜けていった爽やかな風の心地よさが蘇ります。