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ポルトガル観光・プロが教える失敗しないツアーの選び方

世界遺産のバターリャ修道院(バターリャ)

トラベルアドバイザーの川崎と申します。世界204カ国を訪問しました。かつ、ポルトガルのツアープランナーもやっていて20数年の月日が立ちました。そんな経験を生かし、ぜひともいいポルトガルツアーを見つけてほしい、という思いからこのコラムを執筆することにしました。ちょぴり独断もあるかもしれませんが、ポルトガルを愛する旅人の一意見として、聞いていただければ幸いです。

ポルトガルは個人旅行に限ります

ポルトガルで最も美しい村の1つ、モンサラーシュ

ポルトガルの面積は日本の約4分の1と小ぢんまりした国です。主要都市間は鉄道の便があるので、移動はそんなに不便を感じません。田舎へ行く場合は専用車を利用。旅はやはり個人旅行に限ります。
団体旅行の一番の問題点は、とにかくハードに観光をつめこむことです。多くの町を訪問するのはいいことというのは、もう昔の話です。ポルトガルの場合、「地球の歩き方」に載っている町すべてがおすすめの町ではありません。「できれば行きたい」「興味があれば行ってみたい」くらいのレベルの町を訪問すると、少々失望ですこともあります。

ファティマ地区のファドレストランにて(リスボン)

そうです。時代は変わりました。今は足し算の旅ではなく、引き算の旅。多くの町を旅するのではなく、行きたい町だけを行くというのが今の旅のトレンド。
その点、個人旅行なら行きたい町だけに行くので、そんなに消化不良を起こしません。旅のペースはできるだけ、ゆっくりとを心がけてください。
そんな個人旅行の手配をするのには、ポルトガルの個人旅行を得意とする旅行会社に相談するのが一番です。ポルトガルのことに詳しいスタッフが担当になってくれるような対応をしてくれ旅行会社なら、なおさらOKです。

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6日間しかないのなら、リスボンとその周辺へ

エドゥアルド7世公園(リスボン)

休みの関係で旅行日数が6日間しかない人にもおすすめできるのが、ポルトガルです。
ヨーロッパで6日で楽しめる国は他にチェコ、ベルギー、ハンガリーなどが考えられます。小さくてコンパクトに周遊できるからです。逆にイタリア、スペイン、フランスなどは見どころが多いため6日間で行くのは中途半端です。
旅行日数が6日の場合、欧州系航空会社の昼便を利用すれば4泊6日。中東系航空会社の夜便を使えば3泊6日というのがポルトガル旅行の日程です。この場合は全泊リスボンスティをおすすめします。

カリャリースは市電のフォトジェニックなスポット(リスボン)

リスボンに2日、リスボンの周辺に1日、残りの時間は予備というのが配分です。この短い行程でもポルトガルの良さを70%くらいは理解できると思います。リスボン名物・市電に乗ること。ポルトガルの民族音楽ファドを聞くこと。坂道の多いこの町でケーブルカーに乗ること。ベレン地区で大航海時代に思いを馳せること・・・。リスボンで楽しみたいことは数多くあります。

7日以上あるのなら、第2の町ポルトへも行こう!

ドウロ川沿いのロープウェイから旧市街を眺望(ポルト)

首都リスボンから北へ約300km。列車で3時間の場所に位置するのがポルトガル第2の町ポルトです。ポルトガル発祥の地であり歴史ある港町です。また、ポートワインの集散地でもあり、ワイナリー巡りは必須です。
7日以上のポルトガル旅行はリスボン、ポルトを中心に2都市から4都市くらいを周遊するのが一般的です。例えば3都市なら途中にある大学の町で有名なコインブラを訪問するのがいいでしょう。
また本格的にワインの旅を志向するのなら、ポルトから列車で2時間のドウロ渓谷へ行くことも考えられます。川沿いにぶどう畑が広がり、世界に誇るポートワインの光景を楽しむことができます。

ワイナリー・サンデマン(ポルト)

日本からKLMオランダ航空、エールフランス、ルフトハンザ、ターキッシュエアラインなどは乗り継ぎでポルトまでのフライトがあります。ですので、航空会社は上記を選ぶと便利です。行きリスボン、帰りポルト、またはその逆ルートで回ることが可能なので、効率がいいです。リスボンしかフライトがない航空会社を選ぶと、リスボンIN/OUTとなります。ポルトからリスボン間を片道分が余分にかかります。

小さなかわいい町や村に滞在しよう

まるで絵本のようにかわいい町オビドスでは宿泊がマスト

ポルトガルで一番のおすすめは小さな可愛い町や村。ここではいくつかのおすすめの村を紹介してみます。リスボン+可愛い町や村又はリスボン+可愛い町や村+ポルトのような極端な選択をするのがイマドキの旅なのかと。
○オビドス→「谷間の真珠」と呼ばれる絵のように美しい町。白い家に壁の一部は青や黄色に塗られていてカラフル。窓際にはお花も飾られラブリーな村です。リスボンから日帰り可能ですが、できれば宿泊してほしい。
○モンサラーシュ→スペイン国境近く。白い壁、煉瓦色の屋根の家が立ち並び、中世のムード満点の村。「空気が止まった村」ともいわれる静寂の空間。

不思議な巨石の村モンサント。超ユニークな村です。

○モンサント→不思議な巨石の村。巨石を利用した家があちこちに点在。まるで岩ごとアートのような村。自然の石の芸術と、そこに住む人の暮らしがハイライト。

憧れのポサーダに泊まりたい

ポサーダ・デ・サンタ・マリーニャは修道院を改修したポサーダ

ポサーダはお城や修道院など歴史的な建築物を改装したり、景勝地に建てられたり、ポルトガルのムードが満喫できるホテルです。中でもお城や修道院を改修したポサーダは中世にタイムスリップしたような体験を得られるので、人気が高いです。おすすめのポサーダは下記のとおりです。
○ポサーダ・デ・サンタ・マリーニャ(ギラマンイス)→初代ポルトガル国王が生まれた町で世界遺産の旧市街が残るギラマンイス。修道院を改装し、宮殿のような趣きのあるポサーダになっています。

ポルトにもあるポサーダ、ポサーダ・ド・ポルト

○ポサーダ・ド・カステロ→歴代の王妃に愛された美しい村オビドス。この村を訪問したときはこのポサーダにスティするのがおすすめ。15世紀の城を改修したもので、白い町並みを囲む城壁の頂きに立っています。部屋数が少ないので早めの予約が肝心です。
○ポサーダ・コンベント・デ・エヴォラ→アレンテージョ地方の古都エヴォラにあるポサーダ。ディアナ神殿の目の前、カテドラルもすぐ近く。観光にバツグンのロケーションです。15世紀に建てられたロイオス修道院を改修したもので、マヌエル様式の回廊や迷路のような廊下の散策が楽しい。

この世のエデン、シントラの観光には時間が必要

標高529mの山頂にあるペーナ宮殿はおすすめ

リスボンの郊外、西に28kmの山中にある美しい町が「この世のエデン」ともたたえられた世界遺産のシントラです。リスボン滞在中のほとんどの人が訪問する町ですが、観光するには2つの方法があります。1つはオプショナルツアーなどであるように、シントラとヨーロッパ最西端ロカ岬などと一緒にいく方法です。この場合、シントラは1時間くらいしか時間がなくて、王宮くらいしか見られません。もう1つはシントラを徹底的に見る方法です。標高529mの山頂にあるペーナ宮殿や、シントラの町を一望できるムーアの城跡にも行き、王宮とともに、シントラの3大ハイライトを訪問します。

王宮近くにて(シントラ)

シントラの町を十分楽しむのならば、この3大ハイライトを訪問する方がベターです。その場合、シントラで丸々観光に1日くらい取ったほうがいいでしょう。シントラに1泊するという方法もいいかもしれません。とにかく、ペーナ宮殿やムーアの城跡は交通の便が悪いです。また、よく歩くので、そのつもりの服装を考えてください。

大西洋に浮かぶ緑豊かなマディラ島とは?

切り立つ断崖カマラ・デ・ロボス(マディラ島)

リスボンの南西1000kmの大西洋上に浮かぶマディラ島は1419年にはポルトガル領になりました。モロッコ沖合にあるため、地理上はアフリカの島のような位置にあります。
青い海と輝く太陽、咲き乱れる色鮮やかなトロピカルフラワーやフルーツなど年間を通じて南国情緒を楽しむことができるため、ヨーロッパ各地から観光客が訪れる人気の観光地です。島の成り立ちから海岸線は断崖絶壁が多く砂浜のビーチはほとんどありませんが、ワイルドな景観が楽しめます。また、甘みが強くアルコール度も高い世界3大酒精強化ワインの1つ、マディラワインの島としても有名です。

マディラ島ワインの試飲(マディラ島)

ポルトガル本土とは文化も違うので、マディラ島まで足を伸ばすのもアリかと思います。フライトはリスボン、ポルトからそれぞれ飛んでいるので、ルートはリスボン→マディラ島(フンシャル)→リスボンのルートか、リスボン→マディラ島(フンシャル)→ポルトの2つのルートが考えられます。

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まとめ

アレンテージョ地方の陶器工房(エヴォラ)

いかがでしたか? ポルトガルのツアー選びのポイント、理解してもらえたでしょうか? いすれにしろポルトガルの旅は自由自在に楽しむのが秘訣。気ままな町歩きこそ、思い出に残る旅になるはずです。

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