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フランスやイタリアなどヨーロッパのメジャーな国を旅した人が次に目指す国のひとつ、チェコ。小さい国なのでポーランドやスロバキアなどの周辺国と旅をする人が多いでしょう。ですが日本の5分の1程度の面積でありながらチェコはたくさんの魅力を持った素敵な国。「首都のプラハだけ巡ったらもう別の国へ…」そんな旅はもったいない!ここでは意外と知られていない魅惑の国チェコで出来る、ひと味違ったお勧めスポットをご紹介していきたいと思います。
面積 | 7万8,866平方キロメートル(日本の約5分の1) |
人口 | 1,069万人 |
首都 | プラハ |
民族 | チェコ人69%、その他スロヴァキア人、ウクライナ人、ベトナム人 |
言語 | チェコ語 |
宗教 | カトリック10.4%、無信仰34.5% |
治安 | 他のヨーロッパ諸国と比べても比較的安全。 しかし観光地ではスリや詐欺もあるので必要最低限の注意は必要です。 |
備考 | 時差は日本より8時間遅れ。(サマータイム時には7時間遅れ) |
中世の世界が広がるプラハの街並み
ヨーロッパ観光の醍醐味と言えば歴史ある美しい街並みですが、プラハはその代表とも言える街のひとつでしょう。「建築博物館の街」などの異名を持つこの街。長い歴史の中で幾度となく他国から侵攻を受けてきたプラハですが、奇跡的に街並みの損壊は免れ、昔のままの華やかな姿を保っています。ロマネスクやゴシック、ルネッサンスなどなど時代と共に変化していった建築様式がこの街では渾然一体となっているのが面白いところ。それがプラハの独特の景色をつくり上げています。
そんなプラハの街を一望するなら旧市街の中心にそびえる旧市庁舎の展望台や、カレル橋がオススメ。街自体はさほど大きくありませんが、プラハ城や聖ヴィート大聖堂などプラハには訪れるべき観光スポットが盛りだくさん。1日だけではとても巡りきれないので、最低でも丸2日ゆっくり見てまわるのが良いでしょう。
電話番号 | +420 224 373 368 |
入場料 | 無料。 ただし、聖ヴィート大聖堂や旧王宮などの中も見学したい場合はチケットが必要。 ■コースA・・・大人350コルナ、子供175コルナ 聖ヴィート大聖堂、旧王宮、プラハ城についての展示、聖イジー教会、黄金の小路、ダリボルカ塔、火薬塔、ロジュンベルク宮殿 ■コースB・・・大人250コルナ、子供125コルナ ■コースC・・・大人350コルナ、子供175コルナ |
営業時間 | 6:00~22:00 |
定休日 | なし |
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本場チェコでマリオネットを鑑賞
実はマリオネットはチェコの伝統芸能。首都プラハではマリオネット劇を鑑賞できる劇場がいくつも存在し、プラハ観光の目玉でもあります。
もちろん劇はチェコ語やイタリア語が中心なので言葉は分からないのですが、コミカルな人形の動きと役者の演技だけでも楽しめること間違いなし!最近では人形を糸で操るだけでなく役者本人も一緒に劇に登場したりと進化をしているそうで、子供だけでなく大人から見ても面白いエンターテインメントとなっています。
そんなマリオネットの本場プラハの市内では、街のいたるところでマリオネット人形を見かけるはずです。劇の鑑賞だけでなくお土産としてもマリオネット人形は人気で、中にはオリジナルの人形を作れるショップまであるほど。是非プラハ市内を散策してお気に入りの1体を見つけてみてはいかがでしょう。
チェコのとっておきグルメ
ビールが好まれるチェコでは肉料理が定番。特に隣国であるドイツやオーストリア料理の影響を強く受けているようで、「ドイツの田舎料理」と例えられることもあります。牛肉や豚肉、鶏肉のほかに鴨やアヒルもよく食され、ビールに合うこってりとした濃厚な味付けが特徴的です。特にスヴィーチコヴァーと呼ばれる牛肉と野菜のクリーム煮込みはチェコを代表する料理のひとつ。モチモチとした食感の「茹でるパン」クネドリーキと合わせて食べるのが一般的で、その相性は抜群です。
また内陸国のチェコではシーフードよりマスや鯉などの川魚がメジャー。グリルやフライにしたシンプルな魚料理もチェコグルメに欠かせません。
私たち日本人でも親しみやすいチェコ料理。プラハはチョコレートでも有名なので、きっといろんな食べ物に目移りしてしまうのではないでしょうか。
世界一の街並みが広がるチェスキークルムロフ
チェコに来たら是非とも訪れたいのが古都チェスキークルムロフ。湾曲したモルダウ川に包まれるようにして建つこの街は、その美しさから街が丸ごと世界遺産に指定されているほど。インターネットで「世界で最も美しい街」と検索すると必ずと言っていいほど名前が挙がる街でもあり、多くの旅人を魅了してやまない絶景が広がります。
ボヘミア地方の自然に囲まれたチェスキークルムロフの街並みは、赤レンガ色の屋根が可愛らしいルネサンス様式。なんと16世紀の建物がそのまま残っているそうで、街をぶらつくだけでも十分楽しめます。センスのいいブティックやカフェ、そして街のシンボル的存在のチェスキークルムロフ城にも足を運んでみてはいかがでしょう。
チェスキークルムロフはプラハから車で3時間ほどなので日帰り観光も可能ですが、同じように考える人で昼間は溢れかえってしまうのが現実。この街を本当の意味で楽しむなら、是非ともこの街で1泊して静寂を取り戻した朝夕に繰り出すのがオススメなのです。
エリア | チェコ南部 |
アクセス | 〔鉄道〕プラハから1日1便、所要3時間 〔バス〕プラハから1日15便、所要約2時間50分 |
絵本の世界のようなカラフルなテルチの街
オーストリアとの国境までわずか30kmという場所にあるチェコの小さな田舎町、テルチ。この町最大の魅力は、なんと言ってもおとぎ話のように可愛らしいカラフルな町並みでしょう。
実は1530年に起きた大火災によって建物のほとんどが焼失してしまったこの町。再建にあたり当時の領主フラデツ家のザハリアーシュは、広場周辺の建物をすべてルネサンス様式か初期バロック様式に基づいて設計するよう市民に呼びかけたのだそう。ただ建物の正面や色味については指定がなかったため、住民たちが各々創意工夫を凝らし個性を出した結果、現在の可愛らしい町並みが完成したのです。パステルカラーで彩られた建物は少しずつデザインが異なり、幻想的ですらあります。
1階のアーチ状になっているところには土産物屋やレストランなどが入っているので、好きなデザインの建物にふらっと入ってみても面白いでしょう。
エリア | プラハから南東へ120km |
アクセス | 〔鉄道〕プラハから所要約3時間45分 〔バス〕チェスケー・ブディェヨヴィツェから所要約2時間 |
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狂気の「骸骨教会」クトナーホラとは
世界広しと言えども、ここクトナーホラにあるセドレツ納骨堂ほど狂気に満ちた不気味な空間は他に無いでしょう。実はこの納骨礼拝堂、内部を大量の人骨で飾り付けられたとんでもない場所なのです!
13世紀にエルサレムから持ち帰った土をここに撒いたことで、聖地として見られるようになったこの教会。以来、この地への埋葬希望が急増します。そこにフス戦争やペスト感染者の遺体なども合わさり、約4万人を超える人骨がこの地に眠っていたのですが、フランティシェク・リントという木彫り職人の手によってこの教会は一変します。
モニュメントやシャンデリアなど内部のいたるところに飾られた人骨。そのあまりの異様な光景は瞬く間に知られることになり、今では毎年40万人以上の観光客が訪れる人気スポットとなりました。
初めてこの教会の存在を知った時は「罰当たりすぎでは!?」と思ったのですが、なんでもこの装飾は「命の儚さ」を説いているのだとか。かなり衝撃的な光景ですが、話のタネにこういったユニークな教会に訪れてみるのもオススメです。
エリア | チェコ中央部 |
住所 | Zámecká, 284 03 Kutná Hora |
電話番号 | +420 326 551 049 |
入場料 | 大人90コルナ、子供60コルナ |
営業時間 | 〔4~9月〕9:00~18:00 〔10~3月〕9:00~17:00 |
定休日 | なし |
バドワイザービールの元祖はチェコ!
実は1人当たりのビール消費量で圧倒的世界一を誇るチェコ。というのもチェコでは安価でビールを購入することが可能。缶ビールが日本円にして50円ほどで、ジュースやコーラよりも安いと言うから驚きです。
それだけ国民の間で愛されているビール。もちろんチェコでは飲むだけでなくビールの生産も盛んで、国内で1,2位を争うブドヴァイザー・ブドヴァル醸造所はとりわけ有名な工場です。
実はアメリカのビールとして知られ多くの人々から愛されているバドワイザーも、ビールの名産地であるこのブドヴァイザーという名前にあやかってつけられたそう。チェコはまさにバドワイザービールの元祖とも言うべき、酒好きには堪らない国なのです。
ブドヴァイザー・ブドヴァル醸造所では工場見学ツアーも催行しており、ビール製造をほぼ全工程見ることができます。ツアーの最後には樽から直接注いだ出来立てのビールをぐいっ!ビールの本場チェコで是非大人ならではの楽しみ方を体験してみては?
住所 | Budweiser Budvar, National Corporation, K. Svetle 512/4, 370 04 Ceske Budejovice |
予算 | 工場見学ツアー 大人120コルナ、子供60コルナ (所要時間約1時間、14時スタート) |
入場料 | 大人90コルナ、子供60コルナ |
営業時間 | 9:00~17:00 |
定休日 | 1月・2月の日曜と月曜 |
南モラヴィア地方の大平原とは
プラハやチェスキークルムロフ、テルチなど美しい町が多いチェコですが、実は南部にあるモラヴィア地方ではまた違ったチェコの美しさを感じられる場所があります。
それが南モラヴィア地方にどこまでも広がるこの大平原です。なだらかな大地にまるで大きな緑の絨毯を敷き詰めたようなその光景。ただの田舎町でしかなかったこの場所が瞬く間に注目を集めるようになったのは、とあるカメラマンがおさめた写真からなのだとか。
風が吹き抜ける度に揺れる緑の絨毯は、まるで大平原が生きているかのよう。また、ひとたび太陽が顔を覗かせれば光を受けて美しく輝きだします。
写真でも十分美しいですが実物を目の当たりにするとより一層の感動を得られるはず。決して広いとは言えないチェコにまさかこんなに雄大な自然があったのかと目を見張ります。秋には草が刈り取られてしまうので、この緑の絨毯を目指すなら春から夏にかけての最も緑が美しい時期がオススメです。
エリア | チェコ南部の州 |
アクセス | 〔鉄道〕プラハから所要約2時間半~3時間 〔バス〕プラハから所要約2時間15分~2時間50分 |
カルロヴィ・ヴァリ温泉の旅
チェコ随一の温泉保養地、カルロヴィ・ヴァリ。ドイツとの国境近くにあるこの町は国内外から多くの人々が足を運んで来る人気の温泉街です。
「チェコでも湯めぐり出来るのか~!旅の疲れを温泉に浸かって癒したいなぁ」なんて思う方もいるかもしれませんが、実はカルロヴィ・ヴァリは温泉を「飲む」ことを目的とした温泉街なのです!
古くから湯治を行っているというこの町。湯治客はまず初めに医者に診てもらい、処方箋通りにそれぞれに合った温泉水を飲むのがセオリーなのだとか。
町にいくつかあるコロナーダと呼ばれる建物は湯治客が自由に源泉を汲んだり飲むことが出来る飲泉スポット。決して美味しくありませんが健康のためにペットボトルを持参している人も多いです。この町に来たら是非飲泉用の可愛らしいカップを買って、チェコスタイルの「湯めぐり」を楽しんでみてはいかがでしょうか。
エリア | チェコ西部 |
アクセス | 〔鉄道〕プラハから所要約3時間15分 〔バス〕プラハから所要約2時間15分 |
ロマンティックなフルボカー城へ
チェコで最も美しいお城の一つと言われているフルボカー城。チェコ南部フルボカという小さな町、小高い丘にそびえる真っ白なお城は、まるでディズニープリンセスが暮らしていそうな壮麗な佇まいです。
いつ誰の手で建てられたのか明らかになっていないこのお城。分かっているのは、約3世紀に渡りボヘミア王家が所有した後、世界的に有名なシュヴァルツェンベルク家の持ち物になったということだけ。莫大な資産で豪奢な装飾を施し、多数の美術品を収集したシュヴァルツェンベルク家。現在フルボカー城に残っている、ため息が出るほど豪華な内装のほとんどは彼らによって整えられたのだといいます。
また19世紀には建築家に依頼し、お城をイギリスのネオゴシック様式に改築。外観や内部の装飾はもちろんのこと、手入れの行き届いた庭園を散歩するのもオススメです。
住所 | 373 41 Hluboká nad Vltavou |
電話番号 | +420 387 843 911 |
入場料 | 〔英語ガイド〕 大人250コルナ、子供200コルナ 〔オーディオガイド〕 |
営業時間 | 〔4・9・10月〕9:00~16:30 〔5~8月〕9:00~17:00 〔11~3月〕10:00~12:00、12:45~16:00 |
定休日 | 4~6,9~3月の月曜日 |
まとめ
いかがでしたか?中世の美しい町並みが広がるプラハはチェコ観光で外すことの出来ない人気観光都市です。しかしそんなプラハにも負けないほどの個性豊かで魅力的な町がチェコにはたくさん点在しています。プラハだけ見て「観光終わり!」ではあまりに勿体ない!
是非この記事を参考にしてチェコ旅行を検討していただければ幸いです。