モルドバ、って、ご存知でしょうか?
日本では「モルドバ(正式名モルドバ共和国)」と言っても、その国の位置やどんな国であるのか、いや、それが国の名前であるのかどうかさえ、すぐに分かるような人はあまり多くないと思います。モルドバが普段の会話で話題に上ることもないでしょうし、スポーツの世界でもモルドバの選手がニュースになったりしないようです。
でもこの国は、ぜひ一度旅してほしい国なのです。どうしてか、その理由は、、、、、。
モルドバの基本情報
モルドバの気候
モルドバの気候には四季があり、春夏秋冬それぞれに季節の特徴を感じられます。
夏は温暖であまり猛暑にはなりません。しかし冬は厳しい寒さとなります。また年間を通じて風が強く降水量は少ないです。特に冬は少なくて乾燥状態となります。
ベストシーズンは5月から10月の温暖な気候の頃で、特に葡萄が収穫されワイン祭りが行われる10月は観光に最適な時期と言えるでしょう。
逆に11月下旬から3月半ばまでは寒さが厳しい時期です。
モルドバへの行き方
日本からモルドバへの直行便はありません。首都キシニョウ(キシナウ)へはターキッシュエアラインズ(トルコ航空)を使いイスタンブールで乗り継いで行くのが最も便利。モスクワとドイツのフランクフルトからモルドバ航空、ルーマニアのブカレストからルーマニア航空が飛んでいるので、これらを使うこともできます。
また、モルドバとの国境に近いルーマニアのヤシからキシニョウへ国境をこえて走る長距離バスもあります。
モルドバのお役立ち情報
今は西側の国境をルーマニアと接していますが、かつてはルーマニア東部はモルドバと同じ国でした。モルドバ人とルーマニア人は同系統の民族で歴史的文化的にルーマニアの影響が強く、モルドバ語は基本的にルーマニア語と同じ言語です。
このためルーマニアのブカレストからキシニョウへ航空便があり、国際列車も通り、モルドバとの国境に近いヤシ・キシニョウ間のバスも走っています。
よってこの2国は合わせて旅行するのが便利です。モルドバ国境近くのブゴビィナ地方の「5つの修道院巡り」はルーマニア観光のハイライトとして近年日本からの旅行者が増えていました。
世界最古のワイン生産とソ連の幻影を見る未承認国家
モルドバ共和国は旧ソビエト連邦を構成していた国家の一つで、九州よりやや小さい面積の東ヨーロッパの内陸国です。西にルーマニアと、他の三方はウクライナに囲まれて国境を接しています。
人口は約270万人で大阪市とほぼ同じ。首都はキシニョウ(キシナウ)です。
第二次大戦中の1940年にソ連の構成国家になりましたが、1991年、旧ソ連からの独立を宣言したまだ若い独立国です。
モルドバの平坦な国土と気候はぶどう栽培に適しており、世界最古のワイン生産国の一つで今もワイン作りが盛んです。紀元前3000年頃からのワイン作りの伝統を受け継いだ最上のワインが、ここでは極めて安く購入出来ます。
訪れてほしいのがギネスブックにも認定された世界一のコレクションを誇るミレシュティ・ミッチ・ワイナリー。地下のワインセラーは総距離なんと200km、深さ80mにも及び、ケタ外れの規模です。
ワインの試飲に合わせてランチも楽しめますヨ。
モルドバ共和国の東方、ウクライナ国境に沿った狭い地域にいたロシア系住民は、モルドバがソ連から独立する前年に「沿ドニエストル共和国」という名で独立を宣言し内戦に陥りました。現在もモルドバ共和国の施政権が及ばない事実上の独立国家ですが、国際的にはほとんど承認されず日本も認めていません。
首都とされるティラスポールはキシニョウから約55km、車で1時間ほどの距離です。
事実上の国境を越えますが、このわずかな距離の西と東では異なる世界が生きています。
そこはかつてのソ連の町のような光景で、人々はもちろんロシア語を話し、ソ連風の装飾が無い四角いだけのアパートが建ち、そこここにロシアの国旗やロシア軍と見える兵士が立っていて、「CCCP」の文字(:「ソ連」のロシア語)や「鎌と槌」のマークも見られる、モスクワでさえもとっくに無くなったソ連の幻影を現実に目にすることが出来る場所なのです。