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アイルランドに行くなら、首都ダブリンだけではなく、西部にも足を延ばしてみるのがおすすめです。なぜなら西部にはアイルランドらしい文化が色濃く残り、アイルランドの良さを存分に味わうことができるのです。イギリスによる植民地政策で、豊かな東側にイギリス人が入り、アイルランド人は西側に追いやられたという歴史があります。西部アイルランドでは現在もゲール語(アイルランド語)が日常的に使われています。緑豊かなコネマラ地方や、世界の果てのようなモハーの断崖など、ここでしか見られない美しい景色を堪能してみませんか?
アイルランド西部の中心ゴールウェイ
アイルランド西部を観光する時に、拠点となるのがゴールウェイの街です。地元の学生も集まるハイストリートは路上ライブが頻繁に行われ、いつも賑わっています。伝統音楽の生演奏を楽しめるパブもありますよ。音楽が身近にある環境のおかげか、アイルランド出身で世界的に有名なミュージシャンもたくさんいます。例えばU2やエンヤ、ワン・ダイレクションのナイルなどなど。聖ニコラス教会やゴールウェイ大聖堂などの観光の見所もあるのですが、ゴールウェイではアイルランドの音楽を楽しむのもおすすめです。
また、港町ならではの美味しいシーフードも堪能したいですね。ゴールウェイでは特に地元でとれる牡蠣が有名です。例年9月には国際オイスター・フェスティバルも開催されます。周辺にも港が多く、新鮮な海の幸が豊富ですよ。
ケルト文化の残るアラン諸島
アラン諸島はイニシュモア島、イニシュマーン島、イニシィア島の3つの島からなり、観光客が多く訪れるのは最も大きいイニシュモア島です。イニシュモアというのは、ゲール語でまさに「大きな島」という意味です。
イニシュモア島へは、ロッサヴィール港かドゥーラン港からフェリーが出ています。島内では断崖に建てられた古代の要塞、ドン・エンガスを見に行くのが定番。要塞の海側が大西洋に面した断崖になっていて、海面から80m以上の高さにあり、壁も柵もないのでかなりスリリングです。風も強いので、海に落ちないように注意しなければいけません。
お土産に買ってみたいのがアランセーターです。この地の漁師さんを寒さや荒波から守るために地元の女性たちが編み始めたものがアランセーターの発祥と言われています。保温性が高く、油脂分が含まれているので水をはじいてくれます。
緑豊かなコネマラ地方
コネマラ地方には、雄大な自然がたっぷり残されていて、豊かな緑の中で癒しの時間を過ごすことができます。コネマラ国立公園という自然公園にも指定されています。羊が広がる牧場やフィヨルドの海岸線など、アイルランドらしいのどかな風景が広がっていますよ。
コネマラ地方の観光スポットとして人気なのがカイルモア修道院です。湖畔に佇む美しい修道院は、まるでおとぎ話の中のお城のようです。元々はイギリスの富豪が妻の為に建てたもので、その後売却されて修道院になりました。修道院の他にステンドグラスのある教会や庭園もありますよ。意外と広いので、できれば時間をとってゆっくり見てまわりたいですね。
あの有名人も滞在した古城ホテル
アイルランド西部には、人気の古城ホテルがあります。古城ホテルとは、かつて王族や貴族の住まいであったり、修道院だった建物を、改築して宿泊施設にしたものです。ヨーロッパのあちこちにありますが、アイルランドにも素敵な古城ホテルがあります。
その1つがアシュフォード城です。13世紀に建てられたお城を改装したもので、現在はコリブ湖のほとりに建つ高級ホテルとなっています。外観だけでなく、お部屋のインテリアやレストラン、バーも映画のワンシーンのような雰囲気があります。140ヘクタールもの広大な敷地で乗馬や狩猟などのアクティビティを楽しめるのも魅力です。イギリス国王ジョージ5世やレーガン元アメリカ大統領、はたまたジョン・レノンやジョージ・ハリスンも滞在したと言われています。
迫力満点のモハーの断崖と、石灰岩のバレン高原
アイルランド西部観光の目玉の一つがモハーの断崖です。太平洋に面した断崖絶壁が約8kmも続き、高いところでは高さ214mもあります。断崖沿いは柵がなく、ギリギリの場所で写真を撮りたがる人も多いのですが、本当に危険です。強風が吹くと、海水が吹き上げられて雨のように降ってきて、自然の迫力を全身で体感できます。ゲール語では「破滅の崖」を意味するAillte an Mhothairと呼ばれていて、その荒々しい景色は映画『ハリーポッターと謎のプリンス』の撮影にも使われたそうですよ。
ツアーではよくモハーの断崖とセットになっているのがバレン高原です。バレンはゲール語で「石の多い場所」を意味し、石灰岩の大地が広がっています。ここにはドルメンと呼ばれる太古の民族が石で作った遺物が残されています。中でも「巨人のテーブル」と名付けられた大きな石墓が有名です。
アイルランドでは小さな町でも必ず1軒はあると言われているのがパブです。お酒を飲むだけではなく、人々の社交場として重視されていて、地元民が常日頃集まる憩いの場となっています。
有名な黒ビールのギネスや、同じくギネス社の出しているハープ、南部の街コークのビール、マーフィーズや暖かいホットポートなどが楽しめます。
また、アイリッシュパブに付き物なのが伝統音楽です。ケルト音楽の影響も受けたアイリッシュ・ミュージックを聴きながら、ギネスビールを飲めば、アイルランドの文化を強く感じられますね。特にゴールウェイではアイルランド音楽のライブが開催されるパブが有名です。
アイルランドの食事
アイルランドのグルメ関連ではギネスビールくらいしか思い浮かばないという人も多いかと思いますが、アイルランドの料理はシンプルな味付けで素材を活かした美味しいものが多いです。特にゴールウェイは食文化の街とも言われています。シーフードが豊富で、世界的に有名な牡蠣やコネマラ地方が有名なムール貝、他にもサーモンやヒラメ、カニなど新鮮な魚介類が楽しめます。