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バルカン半島にあるモンテネグロ。生い茂る木々で山が黒く見えたことが国名の由来といわれるほど自然が豊富です。北はボスニア・ヘルツェゴビナ、西はクロアチア、東はセルビアとコソボ、南はアルバニアと国境を接しています。旧ユーゴから独立した6つの中では最も小さな国で、その面積は福島県とほぼ同じ。コトルとドゥルミトル国立公園の2つの世界遺産の他に、断崖絶壁に聳える秘境の聖地オストログ修道院やツェティニェ修道院、湖上の教会があるペラスト村やビーチリゾートのブドヴァなど小さくても観光資源に恵まれた国です。
面積 | 13,812平方キロメートル(福島県とほぼ同じ) |
首都 | ポドゴリッツァ |
言語 | モンテネグロ語。(コトルやブドヴァなど観光地では英語が通じる。) |
時差 | マイナス8時間(日本が正午のとき、モンテネグロは4:00)※サマータイム時はマイナス7時間 |
通貨 | ユーロ |
モンテネグロ最大の聖地にして最高の秘境【オストログ修道院】
住所 | M2FJ+W64, DABOJEVICI,MONTENEGRO |
オープン時間 | 8:00-20:00(10月~4月は18:00まで)※要確認 |
入場料 | 無料 |
バルカン半島有数の巡礼地であるオストログ修道院は、首都ポドゴリッツァから車でおよそ1時間、標高約800メートルの山奥の断崖絶壁に埋め込まれるように建っています。17世紀前半に修道士の聖ヴァシリエによって建てられた聖十字架教会はモンテネグロ最大のセルビア正教の聖地です。最上部の教会に聖ヴァシリエの棺が安置されています。ご遺体に祈りを捧げると様々な奇跡が起きるとの伝説があって今でも多くの巡礼者が訪れます。
渓谷を見下ろすように切り立った岩の隙間にひっそりと佇むその姿はとても印象的で見ごたえがあります。遠くから見える小さな姿が、山を登って徐々に近づくにつれ大きく見えてくる瞬間は感動的です。
宗教宗派を問わず訪れる全ての人々を平等に迎え入れてくれる、まさに奇跡の聖地。巡礼者の誰しもが、魂が震えるような空気が漂う秘境の聖地はまさに必見です。
かつてのモンテネグロの首都【ツェティニエ】を訪れる
住所 | 9WQC+4MM,CETINJE, MONTENEGRO |
アクセス | 首都モンテネグロから車でおよそ40分 |
かつてのモンテネグロの首都であったツェティニエは人口わずか1万5千人ほどの小さい静かな都市です。ここにあるツェティニェ修道院が最初に建てられたのは15世紀末のこと。その後、何度かオスマン朝との戦争によって崩壊され18世紀に現在のものが建てられました。ここにはイエスの磔刑に使われた十字架の一部や洗礼者ヨハネの右手、そして聖ルカが描いたと言われるフィレルモの聖母という聖母マリアのイコンがあります。
それらを見に日々世界中から多くの巡礼者がこの地を訪れます。穏やかな空気に包まれた街の目抜き通りにはカフェが並び博物館や旧在外公館などの歴史的建造物も多く、ゆっくりと散策も楽しめます。
モンテネグロが誇る世界遺産【コトルの城壁】に登ってみる
アドリア海に面したコトルはモンテネグロを代表する世界遺産の港町です。旧市街は山の麓に建てられた城壁の中にあり、細い迷路のような石畳の道は中世の街そのものと言われています。街のシンボル、聖トリプン大聖堂をはじめ、時計塔や聖ルカ教会、広場などを散策するのが楽しい街です。
一番の見どころは旧市街の背後の山に沿って築かれた城壁からの景色です。頂上からはコトルの街並みと緑色に輝くアドリア海を一望できます。入口から頂上までは険しい階段の連続ですので時間をかけてゆっくり登ってください。山の中腹には救世聖女教会がそびえたち、自然と歴史の美しいコラボレーションを楽しむことが出来ます。頂上まで登りきった瞬間の達成感、そして目の前に広がる無二の絶景を心ゆくまで味わってみてはいかがでしょうか。
※城壁の入場は有料。目安8ユーロ
城壁に囲まれた【ブドゥバ旧市街】を歩く
住所 | TRG IZMEDJU CRKAVA, BUDVA, MONTENEGRO |
コトルからおよそ20キロ離れたところにあるブドゥバは2500年以上の歴史のある古都です。ヴェネチア共和国時代の建築物が多く建ち並ぶ旧市街は重厚な城壁に囲まれており、6ヵ所に設けられた門から入ります。門をくぐると石造りの壁にオレンジ屋根の建物が見えてきます。聖三位一体教会をはじめ中世の面影を残す街並みが広がる光景、城塞から眺めるアドリア海、小さな路地に並ぶ可愛らしいお店などすべての風景がとてもフォトジェニックです。
アドリア海に面するブドゥバはモンテネグロ最大のビーチリゾートとしても知られています。美しい海岸線が続くこのビーチはロシア人富裕層の別荘地としても人気があります。
【ラキヤ】で乾杯! 地元の人たちとのふれあい
ポドゴリッツァには国際空港があり、モンテネグロの玄関口となる街ですが、観光スポットはあまり多くありません。首都とは思えないほどこぢんまりとして静かなので、散歩するにはちょうどいいかもしれません。街の中心である共和国広場の周りにはレストランやお洒落なお店が並んでいます。
街歩きを楽しんだら地元の人たちとのふれいあいを求めてバーに足を運んでみてはいかがでしょうか。バーの数は意外に多く、夜遅くまでにぎやかです。好意的な人が多く、一緒に飲んだり写真撮影も気軽に応じてくれます。お勧めのお酒は地元のブドウで作られた「ローザ」と呼ばれるラキヤ(ラキア)。ラキヤとは旧ユーゴ諸国では広く親しまれているブランデーのことで、無色透明なのが特徴です。日本酒を飲む時に使うような小さなグラスで飲みますが、アルコール度数が高いのでチェイサーをお忘れなく。
まとめ
以上、ご紹介したコトル以外にもドゥルミトル国立公園などモンテネグロには4つの世界遺産があります。ポドゴリッツァまであいにく日本からは直行便がありませんがターキッシュエアラインズのイスタンブール乗り換えで17時間と、他のヨーロッパ諸国と所要時間にあまり差はありません。モンテネグロだけでなく、たとえばクロアチアやボスニアなど近隣国との周遊旅行も楽しいです。是非ご検討ください。