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日本のマスメディアでも取り上げられるほど人気が高まりつつあるレバノン料理は、アラブ料理の中でも一番美味しいと言われています。なぜでしょうか?その理由は健康食だからです。肉が中心のアラブ料理にあって野菜メインの料理が多く、ヘルシーな料理として注目を集めています。主に欧米の大都市ではベジタリアン向けやダイエット食としての需要が高い、特に女性に人気の料理です。そんなレバノン料理に関していくつかお話をさせていただきたいと思います。
レバノン料理の概要
アラブ諸国の中で唯一、不毛の砂漠がなく、最も面積の狭い国レバノン。その細長い国土は岐阜県と同じくらいの広さです。人口の約7割がイスラム教徒、約3割がキリスト教徒、その他にも少数のユダヤ教徒など多くの宗派が存在することからモザイク国家と言われています。そしてこの宗教的背景、主にキリスト教の影響で野菜料理が広まり、他のアラブ諸国とは少し違う個性あるレバノン料理の土台が作られたと言われています。
後ほどご紹介しますがファラフェルやホンモスなどのレバノン料理はイスラエルやパレスチナなどの近隣アラブ諸国の料理と基本的に共通しています。また地理的に近いトルコ料理とも共通した要素を持っています。
レバノンの家庭料理
レバノン料理は豆類や野菜を使い、栄養価が高くてヘルシーなのが特徴です。もともとは内戦を避けてヨーロッパやアメリカに移住したレバノン人によって欧米諸国に広まったと言わています。もちろん日本にもレバノン料理のお店がいくつかあります。
アラブ料理で一番おいしいと言われるレバノン料理は、広大な山脈と地中海に面した肥沃な土地柄と温暖な気候から産まれた、豊富な野菜を生かした料理です。メッゼと呼ばれる前菜がたくさん並ぶのが特徴で、オリーブオイルやハーブ類、レモン汁、塩、こしょうをベースに、ゴマやガーリックなどのスパイスを程よく効かせているので、とてもさっぱりしていてクセがありません。それではレバノンの代表的な家庭料理をいくつか紹介していきましょう。
代表的料理の紹介①ホブスとババガヌーシュ
まず最初に紹介するのはホブスというレバノン料理の主食で、日本のお米に相当します。ホブスは1ミリ程度の薄さのもっちりとしたパンです。このホブスをちぎって美味しいペーストにディップして食べるのが一般的なのですがその美味しいペーストの代表格が次に紹介するババガヌーシュです。
ババガヌーシュは焼いたナスをすりつぶしてオリーブオイルや香辛料を混ぜたレバノンを代表する野菜料理です。ホブスにつけてよし、もちろんそのまま食べても美味しいので人気があります。ナスの他に白ゴマ、ニンニク、レモンやオリーブオイルなどを使います。ナスの皮が焦げるくらい、中身がしっとりするまで焼いてから皮を取ってざく切りにします。材料をまとめてミキサーにかけてペースト状にしてお皿に盛りつけます。仕上げにお好みでオリーブオイルやパセリを添えて出来上がりです。味はあっさりしていてクセになるかもしれません。
代表的料理の紹介②ホンモスとファラフェル
豆料理の代表であるホンモス(フンムスやフムスとも呼ばれています)は、ゆでたヒヨコ豆にニンニク、ゴマ、オリーブオイル、レモン汁などを加えてすりつぶし、塩で調味したペースト状の料理です。盛り付けの際、中央にゆでたヒヨコ豆とオリーブオイルがトッピングされます。ホンモスにはオリーブオイルがつくのが一般的ですが、見た目ほど脂っこさを感じない、むしろすっきりとした味わいです。先に紹介したババガヌーシュと並ぶレバノン料理の2大ペーストです。
もう一つおすすめの豆料理はファラフェルと呼ばれるヒヨコ豆で作ったコロッケです。手軽に食べられるレバノンを代表する料理で、欧米ではベジタリアンの人気メニューとして定着しています。
代表的料理の紹介③ワラクイナブ
ワラクイナブ(またはワラアイナブ)はレバノンの正月料理、日本の文化でいうところのおせち料理にあたります。ミント、レモン、ガーリック風味のビネガーライスや挽き肉をブドウの葉で巻いたいわゆるレバノン風ちまきです。葉ではなくズッキーニをくり抜いて中にトマトや肉、ライスをつめるバージョンもあり、いずれもオーブンで蒸して食べます。
レバノンだけでなく中東で親しまれているワラクイナブ。日本人にとってブドウの葉を使った料理はあまり馴染みがないかもしれませんが、意外とさっぱりして食べやすいのが特徴です。但しお腹にたまりやすいのと、ややクセがあるので好き嫌いが分かれるかもしれません。
代表的料理の紹介④タプーリ
女性に人気の料理、タブーリはパセリをたっぷりとかけたレバノンの定番サラダです。サイコロ状に切ったきゅうりやトマト、タマネギにクスクスや細かく切ったパセリをたっぷりとかけて作ります。この大量のパセリがポイントです。そこにオリーブオイルをかけてレモンであえ、仕上げに塩をかけて出来上がりです。
作り方はとても簡単なので日頃ほとんど料理をしない私にも作れます。しかも色どりがとても鮮やかで香りと共に食欲をそそられます。味はあっさりとしていて野菜がたっぷり食べられる健康サラダです。また、そのまま食べるだけでなくホブスに巻いて食べるのも美味しいです。
まとめ・レバノンの行き方とホームステイのおすすめ
レバノンの首都ベイルートにあるラフィク・ハリリ国際空港まで日本からの直行便はありません。最も早く行けるのがイスタンブール乗り継ぎのターキッシュエアラインズでおよそ15時間です。他にもドーハ経由のカタール航空やドバイ経由のエミレーツ航空、アブダビ経由のエティハド航空なども毎日就航しています。
日本人の口にきっと合うレバノン料理。レストランで食べるのも良いのですが、せっかくレバノンに行くのなら現地の人たちと会話を楽しみながらの家庭料理を体験してみてはいかがでしょうか。実際に料理を習いながら、食事を共にすることでより理解が深まるはずです。旅行会社を通じて手配することが出来ますので是非訪問してください。