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サウジアラビアにあるイスラム教の2大聖地と言えばメッカとメディナです。メッカは今も異教徒が入ることは許されていません。しかし異教徒にかつて禁断の地だった聖地メディアの方は、今では観光客も訪問することができるようになりました。イスラム教徒にとって第2の聖地であるメディナには素晴らしいモスクがあり、厳かな聖地としての見どころに溢れています。ビザも取りやすくなって行きやすくなったサウジアラビアでは、聖地メディナを見逃すわけにはいきません!
預言者のモスク
イスラム教徒にとって第2の聖地であるメディナの中でもこの「預言者のモスク」は最大の見どころです。イスラム教の創始者ムハンマドの墓がある非常に神聖なモスクであり、収容人員はなんと100万人。メディナを訪れるなら誰もが必ず見に行くモスクなのです。とはいえイスラム教徒以外は中には入れません。外から見るだけで満足できるものでしょうか?
今回、初めてサウジアラビアを訪れてメディアを訪問した私は、このモスクの外観を眺めただけで大感動!
モスクの手前には黒い線が引かれていて、ノンモスリム(非イスラム教徒)はその中には入れません。間違えて中へ入って写真を撮っていたら注意されてしまいました。忠告を無視して中の方へ入って行って、写真を撮ったスペイン人観光客が3日間監獄に入れられて写真のデータも消されたとか。その辺は気を付けた方がよさそうですね。
青空とのコントラストが美しい純白の外壁のモスクは、装飾の素晴らしい10本の尖塔が見る者を魅了します。世界中から年中たくさんの巡礼者がやってくるので、人々が群れをなしてドドーッと敷地内に流れ込む光景は圧巻です。まさにこの国の第2の聖地ならではの迫力を肌で感じることができます。
モスクの中に入れませんが、聖地の雰囲気は十分味わえるというのが結論なのです。
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クバーモスク
イスラム教で最初の建造物として有名なクバーモスク。イスラム教徒にとっては誰でも知っているほど有名な存在なのです。これはメディナの中で「預言者のモスク」に次いで大きく重要なモスクです。
こちらの外観も華麗で美しく、壮大な4本のミナレットも純白のドーム屋根も、すべての外観に魅せられるはずです。
ムハンマドがメッカから最初に移住したのがここクバー村でした。その後基礎の石を置き、イスラ厶最古のモスクが建てられたわけです。クバーモスクはイスラム歴の初年、西暦でいう622年に建設されたといわれています。
預言者のモスク同様ここも遠い国から巡礼者の姿を多く目にします。
ウフド山
「ウフド山」はかつてイスラム教徒と非イスラム教徒の激戦地となった場所です。ハムザーの墓やモスクがあり、信者にとってはここも大切な聖地です。
山はメディナの町の北部に位置し、標高1,077メートル。小高い丘のような茶色い岩山です。
山の上に登ってあたりを見下ろせば、ハムザーの立派な墓の建物が見えます。これだけでも見ごたえのあるモスクのような白亜の建物です。下に降りて、この建物を眺めれば、背景に岩山のウフド山が聳え、印象的な光景が楽しめます。
マスジド・アル・キブラタイン
「マスジト・アル・キブラタイン」も見逃せないメディナのモスクの一つです。白亜の外観はやはり聖地らしい厳かなムードにあふれています。
「預言者のモスク」とも並ぶ長い歴史を持つモスクです。
キブラ(qibla)とはイスラム教徒が1日に5回行う礼拝で向かう方向のこと。今ではメッカの方向のことです。預言者ムハンマドがキブラをエルサレムからメッカに変更する命令を受けた場所がここだと言われています。
建物の2つのミナレットと2つのドーム屋根が印象的なモスクは、スレイマン1世の時代に修復、再建され現在の形となりました。
これでもかというほど、次々に壮麗なモスクが目の前に登場するメディナの町は、まさに聖地に他なりません。イスラム教徒でない私たちにも感動を与えてくれるのです。
アルアラーリア ファーム
ジェッダからハラマイン高速鉄道(新幹線)でメディナに到着し、最初にガイドさんが連れて行ってくれたのが、このアルアラーリア ファームでした。オアシスの小さな村のようなのどかな農場。鶏やガチョウが放し飼いにされているなごめる田舎のようなところです。
伝統工芸品や民芸品が作られ売られています。昔ながらの木製の細長いポットでお茶を注いでくれたり、デモンストレーションもありました。
関係ない話ですが、お茶を飲みながら世間話をしていると、ガイドさんはなんと奥さんが二人いるとか。そんな話にも驚きつつ、イスラム教徒だから4人までOKというのは本当なんだと実感しました。
またガイドさんが言うには、ここのデーツは国中で一番美味しくて上質とのこと。栄養もあって毎日食べると健康になれるとか。美容にもいいそうです。
いくつかの種類のデーツを味見して、本当に美味しいので箱入りのいいのを買って帰り、日本でも毎日食べている私です。
預言者のモスク拡張プロジェクト博物館
メディナの町ではモスク巡りの他に博物館も訪問してみました。
預言者のモスク拡張プロジェクト博物館は、預言者のモスクのすぐ近くにある博物館です。預言者のモスクがどのようにして大きくなっていったかを時代毎にビジュアルで説明されているのでわかりやすい、モダンな博物館でした。
実際にはイスラム教徒しか入れないモスクの中や、ましてや町自体にも近付けないメッカの様子なども写真で見ることができました。とても煌びやかで美しい映像がたくさんありました。
いつの日か、ノンモスリムでもメッカの町に入れる日が近いうちに来てほしいと切に願ってしまう私です。
ハラマイン高速鉄道でジャッダからメディナへ
今回はジェッダからメディナへの「新幹線」、ハラマイン高速鉄道に乗って移動しました。その距離は400㎞、車だと4時間以上かかるところが、列車だと2時間とスピーディーです。
ジェッダの駅は近未来的な洗練された駅で、階段などないフラットでエスカレーターとエレベータのみのバリアフリーも完璧。駅構内にチェックインデスクは存在しません。チケットの有人窓口もなく自動販売機だけなので、事前にeチケットを印刷して持参するのがベターです。荷物を持ったままプラットホームまで行きます。プラットホームナンバーも曖昧で分かりにくく、うろうろしていると、係員の男の人が教えてくれました。私の乗ったビジネスクラスは反対側のホームでアクセス自体も反対側からでした。
乗った座席は1号車。入口に大きな荷物置き場がありました。座席の配列はスペイン製の新幹線を導入しているため、後ろ向きに走る座席も多く、物置も少なく、飲み物を置く場所もなく、意外に不便です。日本製の列車にすればいいのに!しかもwifiもなく、電源チャージのみありました。
ビジネスクラスの食事サービスは、クロワッサンのサンドイッチやバンズにパテを挟んだもの、ホムスにホブス、フルーツサラダ、甘いチョコパウンドケーキ、オレンジジュースか水。コールドミールのみでした。
座席の後ろに液晶画面があって、映画などをやっていました。面白いのは「聖地でのモスク参拝のマナー」というフィルム。さすがはサウジアラビアの聖地巡礼の列車だと興味深いものでした。
まとめ
高速鉄道でメディナの駅に着いたとき、プラットホームにいたメディナの駅員さんがにこやかに「ウエルカム to メディナ」と私に声をかけてくれたのです。歓迎されているという気持ちで感動した瞬間でした。サウジアラビアが外国の観光客を受け入れ始めて、本当に歓迎ムードなのだと嬉しくなります。
そして訪問したメディナの素晴らしいモスクなどの見どころに感銘を受け、すっかり私は聖地のファンになりました。メディナのモスクにもいつか入れるようになれば、またぜひ訪問してみたいものです。