どこまでも続く広大な荒野。ここは一体?!この世の果て?それとも月面?…いいえ、こちらは紛れもなく現実世界、イスラエル南部に広がる「ネゲヴ(ネゲブ)砂漠」です。モーセが率いるイスラエルの民が放浪していた場所といわれます。ちなみに砂漠といっても、砂ではなく岩でできた“岩砂漠”。サハラ砂漠や鳥取砂丘とは一味違った眺めです。世界遺産に登録されているものの、まだまだ日本人からの知名度が低いネゲヴ砂漠。今回は、そんな謎多き魅惑の絶景までの行き方・楽しみ方をご紹介します。
ネゲヴ砂漠の基本情報
ネゲヴ砂漠の気候
イスラエルは北部と南部で気候が異なります。 ネゲブ砂漠は南部にあり、乾燥地帯なので雨量はとても少ないです。 毎年10月~5月は所によって雨が降ることがあるので、この時期に観光する場合は折り畳み傘があると安心です。気候は温暖で、日本と同じくらいかやや高いぐらいです。夏には40℃を軽く超える気温と、年間の降水量が200ミリほど、場所によって100ミリにも満たない非常に過酷な乾燥地帯です。
ネゲヴ砂漠への行き方
日本からイスラエルまでの直行便はないので、アジアやヨーロッパの空港で乗り継いで行きます。日本からなら、ターキッシュ エアラインズのイスタンブール経由が早く、イスラエルのメインターミナルであるテルアビブまでは所要時間は約14時間40分(乗り継ぎ時間除く)。ヨーロッパ経由だと所要時間は15~18時間(乗り継ぎ時間除く)。
次に、空港のあるテルアビブから聖地エルサレムまで移動しましょう。エルサレムまではバスで約50分、鉄道だと約80分。その後、エルサレムから南下すること車で約3時間半、総面積13000平方kmに及ぶ広大なネゲブ砂漠の入り口となる街「ミツペ・ラモーン」に辿り着きます。長い道のり、お疲れ様でした。ようやくここから4WDのジープに乗り換えて「ラモンクレーター」を目指します。
ネゲヴ砂漠のお役立ち情報
ネゲヴ砂漠に向かうツアーは各種あります。現地で手配するのも良いですが、英語にあまり自信が・・・という場合は、事前に日本の旅行代理店を通して予約する方がベター。なお、色々なツアーがありますが、砂漠の遊牧民族「ベドウィン」の暮らしを学べるツアーがおすすめです。4WDで砂漠をまわったのち、遊牧民族の生き方・暮らしぶりについて説明を受け、敷き物を広げてランチタイム!大自然の中で素朴な食事をいただくひとときは格別。すっかりベドウィン気分に浸れます。
砂漠ツアーは、髪の毛や顔が砂っぽくなりやすいので、帽子やサングラスで防御することをオススメします。食事の際も、清潔さを重視するなら、ウェットティッシュや消毒液があると便利ですね。
地球の神秘「ネゲヴ砂漠」を4WDで駆け抜ける!
ネゲヴ砂漠ツアーは、「ミツペーラモン」という小さな街から始まります。この街からは、「ラモーンクレーター」と呼ばれる巨大クレーターを見下ろすことができます。ラモンクレーターは、いわゆる隕石がぶつかってできたクレーターではなく、1億年以上前の地殻変動と、雨水の浸食作用によって生じた広大な窪地です。長さ45km、幅10km、高さは500mにも及びます。クレーターには黒・赤・白・黄などさまざまな色味の岩石がみられ、これは岩石ができた年代による違いだそうです。クレーターの中にも遺跡があったりして、中を突っ切るトレッキングツアーなどもあります。
…さあ、前置きはこれくらいにして、そろそろ4WDに乗り込みましょうか!
ミツペ・ラモーンの街で、4WDのジープに乗り換えて、砂漠サファリの始まりです。
ネゲヴ砂漠の不思議な風景はまさに自然の芸術。この地球の溝というべき風景を4WDにて疾走するのは実に爽快です。
なだらかな道を気持ちよく駆け抜けてしばらくすると、壮大の風景と突如現れるスリル満点の急カーブ!続いて、車が横転してしまうのでは?と思うほど激しい段差のデコボコ道!がったんごっとん、車体は大きく激しく上下左右に揺れ動きます。車内では、思わずキャーッ!ワーッ!という悲鳴も。ドライバーの運転テクニックを信じて、ツアーを最後までお楽しみください。
なお、今となっては、人が住んでいる気配のない土地ですが、紀元前2世紀頃から紀元3世紀頃、この地に住んでいたナバテア人たちが乳香や没薬といった香の交易をおこない、栄えていたと言われています。そんな歴史もふまえて、帰りのお土産には、水を使わずに植物エキスだけで作った石鹸はいかが?
まとめ
イスラエルというと「宗教」や「聖地」といったイメージが先行しがちですが、そればかりではありません。「大自然」「絶景」など見たことのない風景も魅力の1つです。その中でも特におすすめなのが、今回ご紹介したイスラエル南部にあるネゲヴ砂漠なのです。次の旅行の際には是非訪れてみてください。きっと忘れられない旅になりますよ!