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モロッコ vs チュニジア 観光旅行におすすめなのはどっち?違いはどこ?【ツアーも紹介】

カスバ街道沿いの村の風景(カスバ街道/モロッコ)

カスバ街道沿いの村の風景(カスバ街道/モロッコ)

北アフリカの国、モロッコとチュニジア。よくある質問でどちらがいいですか?というのをよく聞きます。両者に共通するのは・・・アラビア語を話すイスラム教の国。同じような地中海の国、そしてサハラ砂漠もあり、昔はフランス領。似ているように感じると思います。さて、どちらが観光におすすめなのでしょうか?違いはどこ? そんな疑問を解消するのがこのコラムです。モロッコ、チュニジア旅行対決6番勝負。さて、勝敗の行方はいかに?

モロッコvsチュニジア 共通点は?

マラケシュのスーク(モロッコ)

マラケシュのスーク(モロッコ)

北アフリカの2つの国。アルジェリアを挟んで、東がチュニジア、西はモロッコです。ともに日本からの直行便はなく、フライトはドバイ、ドーハ、イスタンブールなどで乗り換えをします。例えば、カタール航空を利用する場合、成田からドーハが所要10時間40分、ドーハからモロッコのカサブランカまでは7時間30分、ドーハからチュニジアのチュニスまでは5時間45分と、ほぼ同じのくらいの遠さです。意外と乗り換え地点のドーハから遠いです。それだけに両国ともに、さいはて感があり、エキゾチックな雰囲気が漂います。

両国ともにフランスパンは日常の食事(チュニジア)

両国ともにフランスパンは日常の食事(チュニジア)

モロッコ、チュニジアともに地中海に面していて、内陸部はサハラ砂漠があります。それゆえ、気候は海岸部の地中海性気候から、内陸部の砂漠性気候まであるのはも同じです。
宗教はイスラム教ですが、戒律はソフトでゆるやかなのも共通点です。また2国ともにフランスの植民地だったこともあり、生活にフランス色が根付いています。
これだけ聞くと、なーんだ、よく似た国と思うかもしれませんが、そういう訳ではありません。次の項目に行きましょう。

モロッコとチュニジアのツアーはこちら

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モロッコvsチュニジア 違いはココ

タンネリ・革染色職人街(フェズ/モロッコ)

タンネリ・革染色職人街(フェズ/モロッコ)

まず2国の大きさが違います。モロッコは約44万平方km、日本の1.2倍の大きさですが、チュニジアは約16万平方km、日本の約40%くらいの広さです。モロッコ一周の旅、サハラ砂漠からシャウエンまで回るのには、8日間のツアーもありますが、かなりハード。9日間から11日間の旅と考えたほうがいいです。一方チュニジアは小さな国なのでコンパクトに旅行できます。サハラ砂漠から地中海の町までを一周しても8日間あれば大丈夫です。また、モロッコは4000m級のアトラス山脈の山があり、1周するときは2000m級の峠越えをしないといけない「山の国」です。かたやチュニジアにはそんなに高い山がなく、面積に占める海岸線が長いのが特徴の「海の国」です。

チュニジアで写真を撮ってチップと手を出す人は少ない

チュニジアで写真を撮ってチップと手を出す人は少ない

メディナでのお買い物はどちらの国もしっかり値段交渉をしないとボラれます。チュニジアの方がまだマシかなあ。モロッコの方がよりボラれやすいというのが私の肌感覚です。
モロッコ、チュニジアともに観光立国ですが、人々がすれていないのはチュニジアに軍配があがります。カメラを向けた時、両国共に愛想よく写真を撮らせてくれますが、モロッコではその後に手を差し出す人を時々目にします。つまりチップをくれということです。チュニジアではそのような人は見かけません。
これはマラケッシュのジャマ・エル・フナ広場で大道芸人が写真を撮るとチップをもらうという習慣から全モロッコ中に広まったのではないかと私は考えますが、誰かその原因を知っている人、教えて下さい。
さて、次の項目からは個別の戦いが始まります。

料理対決 モロッコ4.0点✕チュニジア3.7点(5点満点)

タジン鍋(トドラ渓谷/モロッコ)

タジン鍋(トドラ渓谷/モロッコ)

北アフリカで広く食べられているクスクスや、アラブ全域で食べられているケバブ、2つの国の共通点は多いように見えますが、意外と違います。モロッコで代表的な料理タジン。タジン鍋という独特のフォルムの鍋を使い、鶏肉、羊肉などをメインに数種類の野菜を煮込む料理です。このタジン、実はチュニジアではあまり見かけません。というより、チュニジアでは別の食べ物なのです。チュニジアのタリンは卵、野菜、肉をグラタン状にしてオーブンで焼いたもので、キッシュのような料理です。代表的なスープはモロッコはハリラというトマトベースのスープ。チュニジアは唐辛子のスパイス、ハリッサとトマトベースのスープです。

シーフードパスタ(シディ・ブ・サイド/チュニジア)

シーフードパスタ(シディ・ブ・サイド/チュニジア)

全体的にいうと、モロッコ料理は多少フランス料理の影響を受けているものの、ローカルぽくって、楽しくなるような料理です。チュニジア料理の方がフランス料理、イタリア料理や地中海料理の影響を受けています。料理そのものは、モロッコのタジンがおいしいので、私の評価ではモロッコがわずかの差で勝利です!!
でも、チュニジアの方がシーフードを食べる機会が多いので、人によってはチュニジアの方がいいという意見もあるかも。

砂漠対決 モロッコ5.0点✕チュニジア5.0点(5点満点)

ラクダに乗ってサハラ砂漠のど真ん中へ(モロッコ)

ラクダに乗ってサハラ砂漠のど真ん中へ(モロッコ)

砂漠対決はほぼ互角です。どちらも満点の5.0点です。さすがサハラ砂漠です。とはいえどこの砂漠でもいいわけではありません。モロッコの場合に行く砂漠はエルフードからメルズーカ、ここから入るサハラ砂漠の1択しかないので迷うことはないです。かつてはサハラ砂漠の奥地までラクダに乗り、そこでキャンプが1泊するのが好評でしたが、モロッコ政府が自然保護のために、それを禁止したため、キャンプは砂漠の入り口しかできなくなりました。それでもラクダに乗って砂漠の真ん中まで目指す体験は何にも代えがたいものがあります。

砂漠の奥地キャンプ・マルス(チュニジア)

砂漠の奥地キャンプ・マルス(チュニジア)

問題はチュニジアの砂漠です。クサール・ギレンやキャンプ・マルスのような奥地に入っての砂漠体験なら5.0点ですが、ドゥーズのような町に隣接している砂漠なら3.5点となります。ドゥーズは手軽に砂漠にアクセスできること、ラクダに乗って砂漠を体験できることで人気はそこそこありますが、秘境感がなく、おすすめしません。ドゥーズに行っただけで、サハラ砂漠に行ったというのは、どうかなあと感じます。

遺跡対決 モロッコ3.8点✕チュニジア4.5点(5点満点)

ドゥッガ遺跡はチュニジアのベスト遺跡(チュニジア)

ドゥッガ遺跡はチュニジアのベスト遺跡(チュニジア)

そもそも古代の歴史の中心は今のチュニジアのエリアであり、モロッコのエリアではありませんでした。フェニキア人が紀元前6世紀~前3世紀にあって地中海最大の商業の中心として繁栄したのが、今のチュニス近郊にあるカルタゴです。その後、紀元前264~紀元前146年のポエニ戦争でカルタゴはローマに破れ、6世紀までローマの支配が続くのです。
それゆえ、チュニジアではカルタゴ遺跡と他にローマ時代の遺跡、ドゥッガ遺跡、ブラ・レジア遺跡、エル・ジェムの円形闘技場、スベイトラ遺跡などの数多くの遺跡が残っています。

ヴォルビリス遺跡(モロッコ)

ヴォルビリス遺跡(モロッコ)

かたやモロッコではフェズ近郊のヴォルビリスの遺跡くらいしか、必見の遺跡はありません。ここはローマ時代の帝国の勢力範囲の西の端だったようです。つまりヴォルビリスより、西は辺境の地だった訳ですね。モロッコはローマ時代でも辺境の国なのです。
というわけで遺跡巡りの旅はチュニジアが圧勝です!!

町歩き対決 モロッコ5.0点✕チュニジア4.6点(5点満点)

青い町シャウエン(モロッコ)

青い町シャウエン(モロッコ)

町歩きの対決はレベルの高い戦いです。どちらも迷路のようなメディナ(旧市街)の町歩きが楽しいです。まずはモロッコから。メルヘンチックな青の町シャウエン。世界一の迷宮都市フェズ。365日お祭り騒ぎ、エネルギッシュな赤い町マラケシュ。白壁造りのエキゾチックな町ティトゥアン(ティトアン)。個性的で色彩豊かな町並みは世界的に考えてもトップクラスです。

チュニスのメディナ(チュニジア)

チュニスのメディナ(チュニジア)

一方チュニジアも負けてはいません。聖地グランド・モスクを擁するチュニスのメディナ。地中海に面したスースのメディナ、北アフリカでのイスラム教発祥の地、古都ケロアンのメディナ。いずれも世界遺産に指定された重要な町々です。
しかし、モロッコの方が圧倒的に個性が強いので、少しの差でモロッコに軍配が上がります。

海辺対決 モロッコ4.0点✕チュニジア4.5点(5点満点)

シディ・ブ・サイドの白い町並み(チュニジア)

シディ・ブ・サイドの白い町並み(チュニジア)

さて、次は海辺の景色の対決です。「山の国」モロッコは大西洋、地中海と2つの海を持っています。大西洋の白い町エッサウィラやポルトガル時代の城壁都市アル・ジャディーダ、モロッコを代表するリゾートタウン、アガディールなどが行ってみたい場所です。一方、「海の国」チュニジアではチュニジアンブルーと真っ白な壁が映える町シディ・ブ・サイドは必見スポットです。地中海を見渡せる可愛い町並みが魅力でぜひともここで1泊したいものです。地中海に浮かぶ島、ジェルバ島もおすすめ。交易都市としての歴史と、地中海のバカンスを楽しめる雰囲気がバッチリ調和しています。

エッサウィラ(モロッコ)

エッサウィラ(モロッコ)

他にも、ハマメット、モナスティール、スース近郊のポート・エル・カンタウィなどリゾートタウンは目白押し。日本人がアジアリゾートを訪問するような気軽さで、フランス、ドイツ、イギリス、イタリアなどのヨーロッパ人がたくさん訪れます。また、チュニジアは世界第2位のタラソテラピー(海洋療法)王国です。リゾートホテルではタラソの体験にもトライしてください。
と、言うわけで海辺の風景はチュニジアの大勝利です!!

カスバ、オアシス対決 モロッコ5.0点✕チュニジア4.5点(5点満点)

世界遺産のアイト・ベン・ハッドゥのカスバ(モロッコ)

世界遺産のアイト・ベン・ハッドゥのカスバ(モロッコ)

モロッコでいうカスバとは城塞のことです。マラケッシュからアトラス山脈を越えワルザザートからサハラ砂漠に続く道はカスバ街道と呼ばれ、エキゾチックで雄大な景色になっています。赤茶けた大地、土レンガで造られたカスバ、周囲を取り巻くナツメヤシの緑、本当に忘れることのできない風景です。
対してチュニジアではカスバはありませんが、カスバ街道に近い景色があります。アルジェリアとの国境近くの山岳オアシス、タメルザ峡谷です。赤茶けた大地、土色の家々、オアシスの緑、ここにも幻想的な風景があります。

タメルザの旧村(タメルザ峡谷/チュニジア)

タメルザの旧村(タメルザ峡谷/チュニジア)

カスバ、オアシス対決もいい勝負ですが、圧倒的なカスバ街道のスケール感でモロッコの勝ちとします。また、モロッコのカスバである、アイト・ベン・ハッドゥのカスバが世界遺産に指定されているのも高ポイントの一因です。

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まとめ

エッサウィラではシーフードがおすすめ(モロッコ)

エッサウィラではシーフードがおすすめ(モロッコ)

モロッコ、チュニジアの旅行対決はいかがでしたか? どちらも魅力的で、両方に行った方がいいというのが結論です。行く目的によってモロッコか、チュニジアかを決めればいいかと思います。初めて行くので、どちらかを選びたいということでしたら、個人的にはずばりモロッコを選択します。より強烈な印象を受けるので。
ただ、その後、違いを知るためにも、別の機会にチュニジアを訪問することをおすすめします。

モロッコとチュニジアのツアーはこちら

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