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2020年はコロナウイルス・パンデミックの年として、長年記憶に残る年になりそうですね。
今年の海外旅行に関しては、泣く泣く諦めたという方も少なくないはず。1年に1、2度の海外旅行を楽しみして、毎日の仕事を頑張っている!という方も多いと思います。私もその1人です。
私は2020年は9月頃にアメリカの中西部を巡る旅を考えていましたが、日を増すごとに悪化していくアメリカのコロナ状況。加えて「BLACK LIVES MATTER」運動、そして大統領選。
これほどアメリカが揺れ動いた年は近年なかったのではないでしょうか。
(2020年12月現在、未だトランプは不正を訴えていますが・・・)2021年は新しく決まったバイデン大統領の元、再び安定した時代となることを願っています。そしてまた自由に旅行できるようになったあかつきには再びアメリカの地へ訪れ、計画を実行したいですね!
妄想アメリカ中部ドライブの旅~日程表~
ニューヨークやロサンゼルス、ラスベガス周辺などの観光地であれば、日本語のツアーは充実しているのですが、当然ながら日本人観光客があまり訪れない場所に関しては日本語ツアーはありません。「日本語ツアーがないなら英語ツアーでもいいや」と思われるかもしれませんが、基本的にはアメリカは車社会ですから各自で車で観光するのが一般的です。そのためいわゆる日本の「はとバス」のような国内旅行者向けの団体ツアーというものはありません。加えて鉄道網も日本と比べても発達していません。
アメリカの国立公園を巡ろうとすると(1週間以上、専用車をチャーターできるくらいの経済的な余裕がある方は別ですが)、必然的にレンタカーという手段になるわけです。
私はこれまでレンタカーで、ハワイ島を始め、サンタフェなどニューメキシコ州周辺、メンフィスなどテネシー州周辺、イエローストーンなどワイオミング州周辺(これのみキャンピングカー)を旅してきました。そして、今回の中部ドライブ旅行が実現していれば5度目のドライブ旅だったわけです。
なぜコロラド州~モンタナ州を選んだかというと、このあたりに私が見たい場所が集中していたためです。それをつないでいくと自然とこのルートになっていったというわけですね。魅力ある観光地は後程紹介いたしますが、この妄想旅行の行程と予算を組み立てたので是非ご覧ください(笑)。
●参加者 私と父
ドライブ旅は少なくともドライバーは2人いたほうがいいです。時差の関係でお昼には眠くなってくる可能性があるので。そのため私はいつも「親孝行」と称して(事実上はドライバー要員)として父を誘っています。
●行程
https://goo.gl/maps/Y9CAPQd4XoLSGkm96
1日目 アメリカン航空でデンバーへ、レンタカーを借りる/デンバー泊
2日目 レンタカーでボウルダーへ 【ボウルダー観光】/ボウルダー泊
3日目 ロッキーマウンテン国立公園へ【ロッキーマウンテン国立公園】/公園付近泊
4日目 約350マイル北上し、途中【マウントラッシュモア観光】/ラピッドシティ泊
5日目 デビルスタワー国定公園へ【デビルスタワー国定公園観光】/ビリングス泊
6日目 約350マイル北上し、グレイシャー国立公園付近へ /セントメリー泊
7日目【グレイシャー国立公園観光】/レイクマクドナルド泊
8日目【引き続きグレイシャー国立公園観光】/カリスペル泊
9日目 アメリカン航空を利用してカリスペルから乗り継いで日本へ
10日目 帰国
●旅の予算(2名参加)
TOTAL 1人当たり28万円
①移動手段:レンタカー9日間 中型車(Medium Sedan) 乗り捨て料金など込み<1,000ドル>ガソリン代別
②宿泊費:基本高速道路沿いのモーテル宿泊なので高くない 8泊分 <10万円>
③食費:ホテルには朝食がついていないことが多いので朝はスーパーで簡単なモノ。
昼は観光途中にピクニックランチ、夜はホテル近くのレストランなどで。<5万円>
④入場料: 計<86ドル>
(内訳=ロッキーマウンテン国立公園<20ドル>、マウントラッシュモア<11ドル>、クレイジーホース・メモリアル<20$>、デビルスタワー国定公園<10ドル>、グレイシャー国立公園<25ドル>)
⑤航空券:2名で計30万円
にわかに注目を浴びるコロラド州・ボウルダーとは?
もしかしたらあなたはボウルダーという街の名前を聞いたことがあるかもしれません。アメリカ合衆国コロラド州ボウルダーは標高1600mに位置し、高地トレーニングのメッカとして知られているためです。女子マラソンの有森裕子、高橋尚子など日本でも有名なメダリストたちもここボウルダーでトレーニングを行っていました。
私がなぜボウルダーに興味をもっていたかというと、ボウルダーはロハス発祥の街と言われており、アメリカ全土の中でも先進的な考え方をもった場所だからです。ロッキー山脈の麓というそのロケーションから自然豊かで風光明媚でありながら、政府の研究機関やハイテク企業、コロラド大学のキャンパスがあるなどアカデミックで開かれた雰囲気があるそうです。そのため「アメリカ人が住みたい街ランキング」でも常連の街でもあります。
ちなみにロハスとは「地球環境保護と健康を重視する生活の仕方」のことです。ちなみに私自身は、特に環境問題に真剣に取り組んでいたりするわけではなく、単純に新しいもの好き、という理由でロハスに興味を持ちました。アメリカの都市部で流行っている新しい業態のものは大体5年程度遅れて、日本でも火がつくわけです。例えばクラフトビールやビーントゥバーのチョコレートなんかがそうですね。そのためアメリカに行くときは都市部の流行っているものをチェックするのもいつもの定番です。
ロッキー山脈の中央部位置するロッキーマウンテン国立公園
ボウルダーから車で1時間、ロッキーマウンテン国立公園に到着しました。
ロッキーマウンテン国立公園はその名の通り、ロッキー山脈内に位置し、壮大な山々の眺めが楽しめるとあって地元の人々に人気の観光地です。アメリカ全土では5番目に訪問者が多い国立公園とも言われています。
こちらのロッキーマウンテン国立公園ではなんと標高3713mまで車で上がることができます。富士山の頂上よりも高い位置まで車でいけてしまうなんて驚きですね。そのため湿原やツンドラ地帯から高山植物、4000m級の山間の景色などバラエティーに富んだ景色が楽しめます。トレイルも充実しているので日帰りもできますが、1泊するのもおすすめ。1番人気のトレイルはベアレイクの駐車場からエメラルドレイクへの往復2時間のコース。透き通った湖と緑深い林、高くそびえる山脈、そして青空が一体になった絶景が堪能できますよ!
知名度は抜群!でも実際行くのはごく少数のマウントラッシュモア
“ロッキーマウンテン国立公園を早朝に出た私たちは、350マイルのドライブを経て、午後3時頃にマウントラッシュモアに到着。
サウスダコタ州のブラックヒルズの岩山に、歴代の大統領4人の顔が刻まれていることはあまりに有名です。左から順に、初代大統領のジョージ・ワシントン、第3代大統領 トーマス・ジェファーソン、第26代大統領セオドア・ルーズベルト、第16代大統領のエイブラハム・リンカーンです。アメリカの彫刻家ガットスン・ボーグラムが1927年から14年の歳月をかけて建造させました。”
その知名度からすると、海外から観光客として訪れる人はまだまだ少ないのが現状です。というのもマウントラッシュモアの最寄りの都市はラピッドシティ。日本からの便が定期運行するような場所でもなく、かといって他の観光場所とも組み合わせて周遊しにくいのが大きな欠点。
そして実はこのマウントラッシュモア、さらに大きな問題を抱えています。大統領の彫刻が彫られたブラックヒルズは、実はネイティブ・インディアンの聖地。そのため建造が決まってからもネイティブ・アメリカンとの激しい抗争がありました。
特に現在アメリカは、「BLACK LIVES MATTER」に代表されるように人種差別の撤廃への道へ進もうとしています。白人至上主義の象徴でもあるマウントラッシュモアは「破壊すべき」との声も上がっているほど。
そういう意味では、ある意味「アメリカらしい」建造物とも言えるかもしれませんね。
まるでSF!? 映画やCMのロケで使われたデビルスタワー国定公園
ラピッドシティから車で約2時間、デビルスタワー国定公園に到着しました。
デビルスタワー国定公園はワイオミング州に位置する岩山のことで、1906年に当時の大統領セオドア・ルーズベルトによりアメリカで初めての国定公園(ナショナル・モニュメント)に指定されました。
このミステリアスな巨大な岩山の正体は約2億年前のロッキー山脈のマグマ。地殻変動によりマグマがこの地域の堆積岩を突き破り上昇した結果、マグマが冷えて硬い火成岩となりました。周囲の堆積岩が浸食・風化して削り取られ、現在のタワーのような形になったそうです。
表面に入った縦線の模様がグリズリーベアの力強い爪痕に似ていることから、デビルスタワーは熊信仰をもつ先住民族(アラパホ族など)にとって大変神聖な存在でした。確かに広大な大平原の中にポツンと巨大なタワーが佇む姿は、自然の力だけとは思えないほど圧倒的な存在感を放っていますよね。
デビルスタワーはロッククライミングの聖地としても人気がありますが、一般的な観光ルートはタワーの周囲をぐるっと一周するトレイルです。一番短いトレイルで約1時間の所要時間なので、ハイキング初心者でも楽しめますよ。
カナダとの国境に位置する雄大で美しいグレイシャー国立公園
前日にビリングスの街を出発したあとは、350マイルのドライブ。グレイシャー国立公園の東側のゲート付近の街・セントメリーにて宿泊しました。
この日は、この旅のハイライトでもあるグレイシャー国立公園の中に入っていきます!
グレイシャー国立公園はモンタナ州の北部、カナダとの国境まで広がる4,047 平方キロメートルの広大な国立公園です。世界遺産に指定されているものの、カナディアンロッキーや他の著名な国立公園ほど観光地化されておらず、落ち着いた雰囲気の中で大自然を満喫できます。また園内には名前のある湖が130以上、1000種類以上の植物と100種を超える動物が生息しており、その豊かな生態系から「大陸生態系の頂点」(Crown of the Continent Ecosystem)とも言われています。
私がこのグレイシャー国立公園に興味をもったのは、ワイオミング州のイエローストーン国立公園があまりに素晴らしかったためです。イエローストーンへの旅行は私の旅行経験の中でも生涯ベスト級に楽しかったものの一つです。その時のアメリカの国立公園ならではの大自然と野生動物との出会いが忘れられず、「大自然と野生動物が豊かな国立公園」という基準でこのグレイシャー国立公園を知ったのがきっかけです。
公園入り口前に鉄道駅があるので、個人でも観光できなくはないのですが、広大な公園ですからやはりレンタカーで巡るのがベストです。グレイシャー国立公園のみを目的に観光するならば最寄空港のカリスペルへの往復航空券を購入して、空港からはレンタカーを利用しましょう。できれば4泊してのんびり過ごすのがおすすめです。
6月下旬~9月上旬を除いては、園内のロッジや公園内の道路も閉鎖されますので、夏のシーズンのみを目指していきましょう。
以上、いかがでしょうか。
アメリカの素晴らしい点は、有名観光地だけじゃなくとも、素晴らしい自然があちらこちらにあることですよね。もし興味のある方はアメリカのドライブ旅にチャレンジしてみてください。自分で運転する楽しさは何事にも代えられない経験になりますよ!