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メキシコ料理と聞いて真っ先に思い浮かぶのは「タコス!」という方がほとんどかもしれませんが、実はさまざまな絶品料理が存在します。古代から独自の食文化を守り続けてきたメキシコ料理が、2010年、ユネスコの世界無形文化遺産として登録されたことは記憶に新しい方もいるのでは。そんな伝統的なメキシコ料理からいわゆるB級グルメまで、シティにはお洒落で美味しいお店がたくさん!ここでは時間の限られた旅行中でも気軽にトライできるような、カジュアルかつ私の大好きなメキシコの味をいくつかピックアップしてみました。メキシコシティに着いたら迷わず食べて損はなし。Buen Provecho♡
正式名称 | スペイン語:Ciudad de México(シウダー・デ・メヒコ) |
面積 | 1,485 km² |
標高 | 2,240m(富士山の五合目とほぼ同じ) |
人口 | 近郊を含む都市圏人口は2,000万人以上!メキシコの人口の20%以上を占める。 |
概要 | メキシコ合衆国の首都であり、ラテンアメリカ経済の中心地のひとつ。かつて行政上の正式名称は連邦区 (D.F.=Distrito Federal)であったが、2016年にメキシコシティ(Ciudad de México)に変更され、独立した州となった。 |
皆大好き、メキシコ伝統のスープ「ポソレ」
数多ある大好きなメキシコ料理の中でも私が特に好きなのが、ポソレ(Pozole)というアステカ時代から続く伝統のスープ。骨付きの鶏や豚でとった濃厚なスープに肉や“Maíz”というもちもちした大粒のトウモロコシ、赤カブが入ったハリスコ州&ゲレーロ州の名物料理です。
オレガノでしっかりパンチが効いているのに不思議とマイルドな味で、コクがあるのににさっぱり。お肉も野菜もたくさん入っていて栄養も満点です。メキシコ初心者の方でも美味しく頂ける、複雑な味わいがクセになる一品なのです。
本来ポソレは独立記念日や大晦日、誕生日などお祝い事に食べることが多く、お店によっては限られた日のみ出していたりもするのですが、いつでも確実に食べられるのが“Pozolería”=ポソレの専門店です。そのひとつがポソルカリ(Potzollcalli)。ソカロから3ブロックほどのエリアにあり、旅行者でも気軽にポソレを楽しむことが出来ます。なぜか火曜・木曜に行くと2×1(ドス・ポル・ウノ)といって、ひとつの値段でふたつPozoleが頂けるという出血大サービスが!シティ滞在が火曜、木曜に当たる方は行くしかない!
所在地 | Av. 5 de Mayo 39, Centro Histórico de la Cdad. de México, Centro, Cuauhtémoc, 06000 Ciudad de México, CDMX, MEXICO(※Centro Histórico店) |
ウェブサイト | https://www.potzollcalli.com/ |
メキシコ屋台の定番の味、タコス・アル・パストール(Tacos al Pastor)
メキシコ料理を代表する国民食のひとつで、今や世界中様々なスタイルで楽しまれているタコス。本場メキシコではトルティーヤと呼ばれるタコスの皮に、各種様々な具材をのせ、お好みのサルサ(ソース)をかけて手で包み頬張るのが一般的なスタイル。
具材の例を挙げれば、カルネアサーダ(牛肉のステーキを小さく刻んだもの)、カルニータス(焼いた豚肉を細長く引き裂いたもの)、その他モツ系諸々、肉以外にもキノコや豆、ノパル(ウチワサボテン)などなど、無数に存在。とにかく挟めれば何でもOK!!
実に様々な具材が存在するタコスですが、中でも私が最も好きなものは、タコス・アル・パストール。ドネルケバブのように回転させながら焼いた豚肉を専用ナイフで薄くスライスして、パイナップルやパクチーと一緒にタコスにのせたもの。ライムをたっぷり絞って頂きましょう。タコスって辛いのでは?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、タコス自体に辛さは無く、サルサと呼ばれる辛いソースは突き出しのように分けて出される為辛さはお好みで調整可能。
お勧めのお店はたくさんありますが、私がよく通っていたのはCoyoacán地区にある“Tres Coyotes”。メキシコは屋台でのアルコール提供が禁止(飲酒禁止)されているので、ビールが飲めないのが唯一残念ですが、炭酸の効いたコーラとパストールは最高の組み合わせです。
所在地 | Av Miguel Ángel de Quevedo 654, Coyoacán, 04000 Ciudad de México, CDMX, MEXICO |
ウェブサイト | https://www.facebook.com/tr3scoyotes/ |
トスターダ・デ・マリスコス(Tostada de Mariscos)
トスターダとは、トルティーヤを焼いてパリパリにしたものに、好みの具をのせて食べるメキシコの代表的なスナック。パリパリのトルティーヤの上にフリホーレス(豆ペースト)を塗り、その上にスモークして細かく割いたチキンやポーク、エビなどの魚介類を乗せ、更にその上にチーズ、アボガド、サワークリーム、スライスしたラディッシュなどなど、お好みの具材をトッピング。これを皿代わりのトルティーヤごとバリバリ割りながら頂きます。これで美味しくないわけがない!
私が最もハマったのは、Centro de Coyoacánのメルカド内中央にある屋台“Tostadas Coyoacán”のトスターダ。パリッパリに焼いたトスターダの上に、レモンや塩で味付けされたCamarón(エビ)やBacalao(タラ)等々の魚介を、これでもかと言うくらい豪快にぶっかけてくれます。具の種類の多さもさることながら、Tostada de Mariscos(魚介のトスターダ)はもう全種類やみつきの味で、このトスターダを食べる為に「もう一度メキシコに行きたい!」という日本人が続出しているのです。
所在地 | Mercado de Coyoacán, Ignacio Allende No.49, Del Carmen, Coyoacán, 04100 CDMX, MEXICO |
ウェブサイト | https://www.facebook.com/coyoacanlomejor/ |
ポピュラーなメキシコおやつ、チュロス(Churros)
その昔チュロスはディズニーランドでしか食べられないものだと思っていましたが、メキシコに来て初めてチュロスがカジュアルで庶民的な食べ物という事実を知りました(笑)。
チュロスは元々スペイン・ポルトガルから新大陸に持ち込まれたもので、今では多くの中南米諸国で愛されています。メキシコシティでは屋台のチュロス屋さんを見掛けることがあるかもしれません。屋台はイチゴやらオレンジやらフレーバーがたくさんあって覗くだけでも楽しく、何より安い!店のおじさんとコミュニケーションしながら何種類ものチュロスを大人買いするのも乙なもの。
屋台チュロスも楽しくてお勧めですが、落ち着いた空間と洗練された味を求める方は“Churrería”=チュロス専門店、「El Moro」へどうぞ。El Moroは1933年創業の老舗で、セントロやコンデサなどを中心にシティの至る所で店舗を展開。外観・内装とも白いタイルに水色を基調とする可愛らしくおしゃれなデザインが、これまた女子心をくすぐります。
熱々に揚げたチュロスを、チョコレート、カヘタ(ヤギ乳を煮詰めた、キャラメルのようなソース)などの甘~いソースにディップして、チョコラテ(ホットチョコレート)と一緒に頂くのがメキシコ流。が、甘い×甘いはちょっと・・・という方は、もちろんソース無しでもOK。ドリンクは各種ありますのでコーヒーと一緒に頂きましょう。
所在地 | Eje Central Lázaro Cárdenas 42, Centro Histórico de la Cdad. de México, Centro, Cuauhtémoc, 06000 Ciudad de México, CDMX, MEXICO(※Centro Histórico店) |
ウェブサイト | https://elmoro.mx/ |
メキシコの朝食、コンチャ&チョコラテ・カリエンテ
多くの諸外国と同様、忙しい平日は自宅で簡単にパンとコーヒー、あるいは道端の屋台でささっと朝食を済ませる人も多いメキシコですが、甘いパンから始まり、メイン料理までガッツリと頂くのが本来の朝ご飯。それゆえか、朝食にレストランに行くと、初めに甘いパンが出されることがよくあります。甘いパンを食べた上にメイン料理を食べる。メキシコでは週末に家族が集まり、レストランで遅い朝食をゆ~っくりととる習慣があります。そうやって家族との時間を楽しむのですね。
メキシコの甘いパンの中でも伝統的でポピュラーなのが、「コンチャ」と呼ばれるパン。見た目も形も日本のメロンパンのようですが、パン全体が甘いビスケットのような生地で覆われており、メロンパンより更に水分が少なくパサパサしています。このコンチャをアツアツのチョコラテ(ホットチョコレート)に浸して頂くまでが様式美。
コンチャを食べるにはZócalo近くにある“El Cardenal”がおすすめ。El Cardenalはコンチャのみならず、各地の郷土料理が頂けるメキシコ料理の老舗レストランです。セントロ・イストリコ地区に宿泊される際は是非、El CardenalでDesayuno(デサジュノ=朝食)を頂いてはいかがでしょう。ちょっぴり優雅でのんびりとした、メキシコらしい贅沢な時間を過ごすことが出来ますよ。
所在地 | C. de la Palma 23, Centro Histórico de la Cdad. de México, Centro, Cuauhtémoc, 06000 Ciudad de México, CDMX, MEXICO(※Centro Histórico店) |
ウェブサイト | https://www.restauranteelcardenal.com/ |
ファーストフード界のクィーン、ケサディージャ(Quesadilla)
トルティーヤとケサディーヤは、字面が似ているため同じものをイメージしている人も多いかもしれません。 しかし、トルティーヤはとうもろこしや小麦粉を薄く伸ばして焼いたメキシコ伝統のパンのことであり、ケサディーヤはそのトルティーヤでチーズや具材を挟んだファストフードのこと。とうもろこしのトルティーヤと小麦粉のトルティーヤ、それぞれの良さがありそれぞれ美味しいですが、地元メキシコ人の好みはとうもろこし派が多く、日本人は小麦粉派がやや多い印象。スーパーで市販のトルティーヤを買って、フライパンで軽く焼いたトルティーヤにチーズやハムを挟めば、立派なケサディージャの出来上がり。こんなシンプルな食べ方でも本当に美味しいですよ!
この小麦粉のケサディージャがとっても美味しく頂けるのお店のひとつがCoyoacán地区にある“La Barraca Valenciana”。メニューの中で私の一番のお気に入りはQuesallida con Camarones(エビ入りのケサディージャ)。熱々のトルティーヤの中にチーズとエビがふんだんに入っているのの何と贅沢なこと!タパスやピンチョス(おつまみ)もここは全部美味しく、ハズレ無し。更にはCerveza Artesanalと呼ばれるメキシコのクラフトビールも各種取り揃えており、ビール好きにも嬉しいお店なのです。
所在地 | Centenario No. 91-C, Del Carmen, Coyoacán, 04100 Ciudad de México, CDMX, MEXICO |
ウェブサイト | https://www.instagram.com/labarracavalenciana/ |
カクテル・デ・カマロン(メキシコ風シュリンプカクテル)
中南米で有名なシーフードと言えばセビーチェが思い浮かぶかもしれませんが、セビーチェに負けず劣らずオススメしたいのが“Cóctel de Camarón”(カクテル・デ・カマロン)、メキシコ風シュリンプ・カクテルです。ライムやパクチーの効いたトマトベースの甘辛い冷静スープに軽く塩茹でされたプリップリのエビが大量に入ったとっても美味なシーフードで、初めて食べて感動した料理のひとつです。
日本のレストランで出されるようなシュリンプ・カクテルとは名ばかりの、カクテルグラスに小エビがちょこんと2~3尾のっているだけの代物とは違うんです。メキシコ版は例えるならば、トマトスープの大海原で大量のエビが溺れている… もとい泳いでいる感じ。決して質より量では無く、量も、質も、攻めてます。
カンクンやベラクルスなど海辺のリゾートで食べる機会が多いシーフードですが、コンデサ地区にある“Contramar”や、Mercado de Coyoacánのレストランなどなど、シティでも美味しいお店はたくさんありますので是非お試しあれ!
所在地 | Calle de Durango 200, Roma Nte., Cuauhtémoc, 06700 Ciudad de México, CDMX, MEXICO |
ウェブサイト | http://www.contramar.com.mx/ |
まとめ
この数年日本でもメキシコ料理が食べられるお店は爆発的に増えて来ましたが、その多くは、いわゆる“テックス・メックス”(TEX-MEX)と呼ばれる、テキサス風メキシカン(メキシコ料理とアメリカ料理のフュージョン)のメニューを出しているお店が殆どです。ブリトーやファヒータ、チリコンカンに代表されるようなTEX-MEXも、ビールと良く合い個人的には大好きですが、折角メキシコに訪れるならば、やはり“正統”のメキシコ料理を味わって頂きたい。
他にも、地元レストランの朝食代表(?!)エンチラーダや、ユカタン半島の郷土料理コチニータピビルやソパデリマなどなど、ここではとても紹介しきれない本場メキシコ料理の数々が、シティには盛りだくさん!
是非一度チャレンジしてみて下さい。ライムの酸味やチリの辛さだけじゃない、意外に素朴で繊細な、あの独特の味わいがクセになることでしょう。