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ボリビアにアマゾンがあるのをご存じですか?ボリビア=ウユニ塩湖のイメージが強いと思いますが、実はボリビアの国土の半分はアマゾンジャングル地帯。しかもボリビアのアマゾン地帯は野生動物の楽園で、カピバラ、ワニ、リスザル、ツメバケイ(セレレ)、ピンクイルカ、コンゴウインコ、ホエザル、サギの仲間など南米ならではの珍しい野生動物を見ることができます。本稿ではボリビア・アマゾンの魅力について、実際訪れた私の体験をもとにご紹介いたします。
ボリビア・アマゾンの行き方
ボリビア・アマゾン観光の拠点となるのは、ボリビアの首都ラパスから300km北にある、アマゾン川支流の川沿いにある小さな街「ルレナバケ」です。日本からの直行便は無い為、まずは、アメリカン航空(AA)、日本航空(JAL)、全日空(ANA)、ユナイテッド航空(UA)などのロサンゼルス、ニューヨーク、ダラス、ヒューストン経由便、もしくは、全日空(ANA)とアエロメヒコ航空(AM)のメキシコシティ経由便でペルーの首都リマまで移動。
その後、ラタム航空(LA)、アビアンカ航空(AV)などでボリビアのラパスまで向かいます。ラパスからルレナバケまではアマゾナス航空で移動(約45分)。
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ボリビア・アマゾンの観光内容は?
ボリビア・アマゾンのツアーは湿原(パンパス)を訪れる「パンパスツアー」と熱帯雨林を訪れる「ジャングルツアー」の2種類に分かれます。パンパスツアーはルレナバケから東へ。クマ川沿いに広がるパンパスの「ヤクマ自然保護区」(Yacuma Natural Reserve)内のエコロッジに宿泊しながら、保護区内の川でボートサファリを楽しみます。ピンクイルカと一緒に遊泳したり、アナコンダ探しをしたり、ピラニア釣りをしたりと内容は盛りだくさん、全てツアープログラムに含まれています。
一方、ジャングルツアーは、ルレナバケから西へ。トゥイチ川沿いに広がる熱帯原生雨林「マディディ国立公園」(Madidi National Park )内のロッジに宿泊しながら、鬱蒼と茂るジャングルを散策し、様々な動植物を観察します。
サファリ好きにお勧め「パンパスツアー」
パンパスツアーは、野生動物の観察を目的とする方におすすめです。ツアーではルレナバケからジープとボートで約4時間の場所にある「ヤクマ自然保護区」を訪れ、保護区内の川沿いのロッジに寝泊まりしながらカヌーボートで野生動物を観察します。
ヤクマ川流域は川幅が狭く野生動物を観察するのに非常に適した場所で、カピバラ、ワニ、リスザル、ツメバケイ(セレレ)、ピンクイルカ、コンゴウインコ、ホエザル、サギの仲間などアマゾンならではの珍しい野生動物を見ることができます。特に黄色い体毛とクリクリした目のリスザルはめちゃくちゃかわいいです。朝日にきらめくアマゾン川やオレンジ色の夕陽に包まれたアマゾン川の光景も一生忘れられない場面となるでしょう。
熱帯雨林を体感したい人にお勧め「ジャングルツアー」
ジャングルツアーは動物観察よりもジャングル散策をのんびり楽しみたい方におすすめです。ツアーではルレナバケからジープとボートで約6~7時間の場所にある熱帯原生雨林ジャングル「マディディ国立公園」を訪れ、国立公園内のロッジに宿泊しながら、鬱蒼と茂るジャングルを散策し、様々な動植物を観察します。
マディディ国立公園はボリビアのアマゾン川上流域の国立公園で、面積は18,958平方キロメートルあります。近隣の保護地域マヌリピヒース、アポロバンバ、マヌ生物圏保護区とともに、マディディは世界最大の保護地域の1つです。5,000~6,000種の植物、156種の哺乳類、1,100種の鳥類が生息していることから、世界で最も生物多様性が豊かだと言われています。運が良ければ、ジャングルに生きる野生のトラも見られます。
アマゾンのエコロッジでの滞在は要体験です
ロッジはいくつかありますが本稿では実際に訪れた2つのロッジについてご紹介します。ヤクマ自然保護区にある「トルトゥーガス・エコロッジ」は質素ではありますが清潔感のある山小屋風のお部屋です。部屋にはバストイレ、蚊帳、扇風機、タオル、シャンプーがあり、シャワーは水シャワー、電気はソーラー電気で使える時間が限定されます。
マディディ国立公園内にある「チャララン・エコロッジ」はこの地域に昔から住むインディヘナ「タカナ族」の家屋スタイルで、椰子の木の樹皮とハタタの葉を使って作られています。いずれも、自然環境に配慮されたロッジは質素な施設の為、多少不便さを感じるかもしれませんが、敷地内には様々な野生動物が訪れることも多く、アマゾンでの滞在は貴重な体験となることでしょう。
ベストシーズンは乾季の5月から10月
南米というと何となく常夏のイメージがありますが、実際には行先によってそのベストシーズンが変わってきます。ボリビア・アマゾン観光のベストシーズンは乾季である5月から10月です。乾季の方が野生動物も多く、アマゾンで心配な蚊も比較的少ないようです。
私は雨季の初めである11月末に訪れた為、川の水位が上がったこともあり、おびただしい数の蚊に悩まされました。長袖で完全防備し虫除けも塗りましたが塗りが甘いと靴下の上からも刺されます。日焼け止め、長袖や虫除けの準備をするほか、黄熱病の予防接種を受けることを推奨いたします。
乾期のウユニ塩湖と一緒に訪れるのもおすすめです。
ウユニ塩湖と言えば雨季の時期に見ることができる鏡張りで一躍有名になりましたが、本来は乾季にあたる6月から10月頃がベストシーズンとされています。乾季には塩の大地が現れ、空の青とのコントラストがとても綺麗で、この時期だからこそ見られる絶景と言えます。
遠近法を使って撮るトリック写真も、乾季の方が上手に撮れます。また、雨季に行くことができないサボテンの乱立する魚の島、ミイラが眠るトゥヌパ火山への登山も可能です。ウユニの乾期はボリビア・アマゾン観光のベストシーズンを重なりますので、折角なら一緒に訪れることをお勧めします。
まとめ
いかがでしたでしょうか。ボリビア・アマゾンは南米の中でもなかなか情報が少ない場所ですが、魅力が伝わり少しでも身近な存在になれば幸いです。ここはブラジルのマナウスほど有名ではないお蔭で、観光地化があまりされておらず、より未知なるジャングルが楽しめます。のんびりリゾートというよりは、刺激のある秘境に行きたい方、すでにウユニ塩湖観光でボリビアを訪れた方もそうでない方も、日本人観光客にあまり知られていない“本当の秘境“へ出かけてみてはいかがでしょうか?