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トリニダードトバゴはリオやベネチアと並ぶ世界3大カーニバルが開催される国。ハチドリや国鳥スカーレットアイビス等のバードウォッチングも楽しめ、愛好家たちの間でも人気のある国です。また「20世紀最後にして最大のアコースティック楽器の発明」といわれるユニークな楽器、スチールパンやダンス音楽カリプソ、この国に多く住むインド系の音楽を取り込んだソカもここが発祥で、音楽好きにも見逃せない国です。本稿ではそんなトリニダードトバゴの魅力をご紹介します。
マグニフィセント・セヴン 壮麗なる7軒
マグニフィセント・セブンはトリニダードトバゴがイギリスの植民地だった1904年~1910年にかけて建てられた7基の歴史的建造物で、ムーア様式、イタリア様式、ネオロマネスク様式、フランス様式、ビクトリア様式など異なったスタイルで建築されています。2021年3月現在、修復中の為残念ながら中に入ることは出来ませんが、そんな壮麗な7つの建築を外から眺めることが可能です。
中でも目を引くのは英国王室の夏の別荘バルモラル城を模した「ストールメイヤー城」とトリニダード・トバゴ最古の高校である「クイーンズロイヤルカレッジ」で、荘厳な作りに深い歴史を感じます。これらの建築群はポートオブスペインの観光ツアーのメインスポットであり、必見です。
カロニー スワンプ バード サンクチュアリ
トリニダードトバゴの国鳥スカーレットアイビス(和名:ショウジョウトキ)は真っ赤な体と長いくちばしが特徴的な鳥。首都ポートオブスペイン近郊のマングローブの森、カロニースワンプバードサンクチュアリでのクルーズで秋から春にかけてその姿が見られます。
夕方船着き場を出発し、ヘビやカニ等野生動物を見ながら水路を進んで湖へ。ここで鮮やかな色をしたスカーレットアイビスがあちこちから飛んできてボートから歓声が上がります。木々に止まると、まるで赤い花が咲いているように見えるほど。肉眼でも見えますが、ぜひ双眼鏡で観賞したいものです。
キング・ジョージ砦
フォート・キング・ジョージは、ポートオブスペインのビュースポットとして大人気の観光スポットです。1818年に、大西洋に面した町スカボローの町外れの小高い丘に建造されました。元々は砦として作られたものでしたが、実際に砦として使われたことはありません。
砦内では当時の大砲やイギリス統治時代の牢獄跡、お仕置き部屋跡などを見ることができます。この砦からは、首都のポートオブスペインの街を一望できるだけでなく、トリニダード島第二の都市であるサン・フェルナンドの街を見渡すこともできます。トリニダードトバゴを訪れた際にはぜひ立ち寄りたい展望ポイントです。
オサガメの産卵地グランドリビエラビーチ
トリニダードトバゴは絶滅危惧種のオサガメ(Leatherback Sea Turtle)の世界最大の産卵地。滅多に見ることのできない珍しいオサガメの産卵を一目見ようと、世界中から観光客が訪れます。特に北海岸にあるグランドリビエラのビーチでは高確率で産卵の様子を見学することができます。
体長約2メートルにもなるオサガメが、ピーク時には1晩に300~400頭(1年間で約8,000匹)も産卵のためこの地にやってきます。その光景はまさに圧巻。更に5月半ば以降は運が良ければ孵化した赤ちゃんカメの保護活動に参加する事も出来ます。産卵の様子を見たい方はピークの4月〜6月に訪れるのがおすすめなのです。
野生のハチドリが集まるハチドリ園「イレット」
ハチドリ園「イレット」は、野生のハチドリが集まる個人宅を一般開放しているハチドリ園です。ここではトリニダード島に生息する16種類のハチドリのうち、13種類のハチドリを見ることができます。
敷地内に吊るされたシュガーポットに群がる無数のハチドリ。ひっきりなしに小さな羽をはばたかせながら猛スピードで飛んでくるので、全く飽きることがありません。あのかわいいハチドリがこんな至近距離で見られるとは…と感動すること間違いなし。朝・昼・夕方の3回ツアーを行っており、スライドショーを用いた肉眼では見えない巣作りなどの生態ガイドも評判です。
野鳥の楽園 ASAライトネイチャーセンター
ASAライトネイチャーセンターは世界中のバードウォッチャーが集まってくる野鳥の楽園です。ここには約150種類の美しく鮮やかな鳥たちが生息する広大な敷地があります。敷地内のコテージに宿泊すればいつでもバードウォッチングを楽しむことが出来るので、バードウォッチャーにはたまらない人気スポットとなっています。ベランダからでも十分鳥を見つけることが可能なので、興味のある方は泊まってみてもいいでしょう。
中でも一番人気はホオカザリハチドリ。トリニダードで見られるハチドリの中でも最小種の7cmという小ぶりなサイズで、その愛らしい姿がバードウォッチャー達のあいだで人気を集めています。敷地内にはたくさんのウォーキングコースがあり、熱帯林の中を自由に散策することもできます。天候のことを考慮し折角なら3泊以上滞在し、観察できる時間をたっぷりとるのがおすすめです。
市民の憩いの場 クイーンズ・パーク・サバンナ
クイーンズ・パーク・サバンナはポートオブスペイン中心部にある国内最大級の公園。美しい木々や鮮やかな花々など自然に恵まれ、癒しの空間となっています。もともとは植民地時代のサトウキビ畑でしたが、現在ではサッカー場や動物園、植物園などがあり、市民の憩いの場所にもなっています。
ここはリオやベネチアに並ぶ世界3大カーニバルのひとつ、トリニダード・カーニバルのメイン会場としても有名です。カーニバルは毎年2~3月のカソリックの暦に合わせて開催されており、巨大スピーカーを積んだトラックから流れるソカ・ミュージックや、スティールパンの演奏にのせ、仮装をしたマスカレーダー(踊り子)がポートオブスペイン市内を練り歩く姿は圧巻です。