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中米の観光のハイライトとなる国、グアテマラには2つのキーワードがあります。まずは「遺跡」。ティカル・キリグア等マヤ文明を代表する遺跡が大きな見どころの1つ。もう1つは「民族」。今なお多くの先住民が生活していて、伝統的な生活を守り続けています。彼らとの触れ合いは旅行者にとって貴重な体験となるはずです。本コラムでは以上の2つのキーワードを踏まえてグアテマラの見どころをご紹介いたします。
密林に佇む神殿ティカル
グアテマラ北部にある古代マヤの代表的な都市遺跡ティカルは、世界遺産に指定されていてその規模は中米最大です。ジャングルの中に潜む多くの遺跡巡りはまさに探検気分。その素晴らしさをたっぷり味わうためには日帰りツアーでは物足りません。遺跡の入口にあるロッジに1泊するプランがお勧めなのです。
昼間のツアーでは体験できないサンセットを鑑賞したり、早朝真っ暗闇の中、鳥や動物の鳴き声を聞きながら神殿を目指して公園内を歩きます。その神秘的な雰囲気はまるで夢の中を歩いているような気分です。鬱蒼とした樹木のさらに上に聳え建つ4号神殿の上から眺めるサンライズは圧巻!!一生忘れられない思い出になるでしょう。
エリア情報 | グアテマラ北部、ペテン県東部 |
住所 | 100 Selva Tropical, Tikal National Park |
入場料 | 150ケツアル(約2400円) |
オープン時間 | 毎日4:00~18:00 |
アクセス | 首都グアテマラから国内線でフローレス島へ。フローレスからツアーバスで約1時間半 |
備考 | 世界遺産(1979) |
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多くの石碑が残るマヤ文明の都市遺跡キリグア
キリグアは、グアテマラ東端部、イサバル県のモタグア川中流域にある古典期に繁栄したマヤ遺跡のひとつで、1981年に世界遺産に登録されています。8世紀にキリグア王がコパン王を殺害したあと全盛期を迎え、中央広場を囲むように神殿や宮殿、ピラミッド、球戯場などがつくられました。この遺跡は歴代の王の姿を彫った石碑(ステラ)で知られており、遺跡の中には最大で12mにもなる巨大な石碑の数々が残されています。
石碑で注目すべきはその側面に彫られたマヤの歴史です。解読されたマヤ文字から王の功績など当時をしのばせる記述、マヤ暦の終末などマヤ史に関する様々な記述を見て取ることができます。うち「石碑C」は、2012年12月に人類滅亡を迎えるという予言が記されているとして話題となりました。遺跡自体の規模はそこまで大きくありませんが、巨大な石碑群や自然の石の形を利用して精巧な彫刻が施された獣形祭壇は必見です。
エリア情報 | グアテマラ東端部、イサバル県のモタグア川中流域 |
住所 | グアテマラ、イサバル県、キリグア(ロス・アマテルの東側) |
入場料 | 80ケツアル 又は10.45米ドル(1,616円) |
オープン時間 | 毎日08:00~17:00 |
備考 | 世界遺産、撮影する場合は追加代金がかかる |
美しき古都アンティグア
グアテマラシティから車で45分に距離にあるアンティグアは富士山を思わせるアグア火山の麓に広がっています。このかつての首都はスペイン統治時代の風景を今に残すコロニアル調のカラフルな街並みで知られ、その美しさはユネスコの世界文化遺産に登録されています。
まるで中世にタイムスリップしたかのような雰囲気で、どこを見ても思わず写真を撮りたくなります。石畳の道が走る碁盤目状の街には、おしゃれなお土産屋やカフェがたくさんあり、フォトジェニックなスポットもたくさんあるので、写真を撮って、友人に自慢しちゃいましょう!アンティグアの町が一望できる「十字架の丘」もおすすめスポットです。
エリア情報 | グアテマラ・サカテペケス県 |
アクセス | グアテマラシティより車で約1時間 |
備考 | 世界遺産(1979) |
インディヘナの市場は必見!チチカステナンゴ
チチカステナンゴは、グアテマラの標高約2000mの高原地帯にある小さな町で、毎週木曜と日曜に開かれる露天市には、周辺に住む先住民が何万人も集まり、その日だけは活気に包まれます。それぞれの民族衣装である赤を基調にした、異なる柄の色鮮やかな織り布を身にまとったインディヘナたちが一同に集まった風景は、まさに色の洪水のよう。
お土産に最適なのがカラフルな色合いが魅力的なウィピルと呼ばれる民族衣装の生地を使った小物やバッグ等の雑貨です。各都市でも買うことができますが、チチカステナンゴのマーケットではその数は群を抜いています。お土産以外にもマーケットから徒歩5分のところにあるカラフルな墓地も必見です。墓地の中に入るとまるでおもちゃ箱のようなパステルカラーに彩られたお墓が目の前に広がります。あわせて訪れてみては。
エリア情報 | 首都グアテマラシティから北西に140km、キチュ県 |
アクセス | グアテマラシティより車で約3時間 |
備考 | 最大の見所である露店市は木・日のみ、その日にあわせての訪問がおすすめ |
世界一美しい天然プール「 セムックチャンペイ」
セムックチャンペイはグアテマラ中部のジャングルにある、クロアチアのプリトヴィツェ国立公園を彷彿とさせるエメラルドグリーンの水棚で、「世界一美しい天然プール」と旅人の間では呼ばれています。水は澄んでいるので、上から覗くだけで魚がよく見えます。水に入るとドクターフィッシュのように、小魚が足をつっついてきます。石灰棚を滑り降り、自然のウォータースライダーのように楽しむこともできます。
20~30分ほど登った高台の展望台から見るエメラルドグリーンの水棚もまさに絶景です。この水棚はグアテマラシティから約200キロ以上離れたコバン(ランキン)からさらに約70km、陸路で約3時間の山奥にある秘境中の秘境でのため、まだ訪れる人は少ないのですが、アドベンチャー好きの方には是非おすすめしたい場所です。
エリア情報 | グアテマラ北部アルタベラパス県(コバン近郊) |
住所 | San Agustín Lanquín, グアテマラ |
オープン時間 | 毎日08:00~16:00 |
入場料 | 50ケツアル |
アクセス | グアテマラシティより車で約6時間半 |
備考 | 通常グアテマラシティより1泊2日の行程(コバン・ランキン経由) |
ケツァールの保護区 ピオトポ・デル・ケツァール
ピオトポ・デル・ケツァール(正式名称マリオ・ダリー・リベラ自然保護区)は、手塚治虫の火の鳥のモデルとなった鳥「ケツァール」を保護するために設立された熱帯雲霧林に属する保護区です。グアテマラシティからバスで3時間半の山林の中に造られたこの保護区内には2kmと4kmの遊歩道があり、ミニトレッキングと森林浴を楽しむことが可能です。
ただしケツァールに遭遇できる可能性が高いのは、園内ではなく保護区の入り口の駐車場付近または保護区近郊のホテルの庭です。保護区からケツァールがホテルの庭に用意した餌を食べに飛んでくるのでケツァールを見られる可能性が高いそうです。見ごろの時間は早朝の5時から6時までなので、できれば保護区近郊にあるホテルに泊まることをお勧めします。
エリア情報 | グアテマラ中央部、グアテマラシティとコバンの中間地点 |
住所 | CA14, グアテマラ Biotopo del Quetzal |
オープン時間 | 毎日07:00~16:00 |
入場料 | 20ケツアル |
アクセス | グアテマラ北部の町コバンより車で約1時間 |
アティトラン湖の湖畔の村パナハッチェル
パナハッチェルは首都グアテマラシティから西へ150km、標高1500mのアティトラン湖の湖畔にある先住民の村です。ここでは美しい湖の景色を眺めつつ、それぞれ異なる村の雰囲気や民族衣装の趣を楽しむことができます。
パナハッチェルは周辺の町や村を訪れる基点となっていて、サンティアゴ・アティトラン、サンタ・カタリーナ・パロポ、サン・アントニオ・パロポといった先住民の村へはパナハッチェルから船やバスの便があるので、ぜひ市の立つ日に訪れてみてはいかがでしょうか。どの村ものんびりとした美しい村ですが、村ごとに雰囲気も変わり、カフェやお土産も充実しています。グアテマラの民族衣装ウィピルを使った小物も充実しており、グアテマラらしいお土産を探すのにピッタリです。
エリア情報 | アティトラン湖の畔 |
アクセス | グアテマラシティより車で約2時間半 |
備考 | できれば1泊してアティトラン湖の夕日を拝みたい。 |
まとめ
中米グアテマラの観光ポイントについてご紹介しましたがいかがでしたでしょうか。日本からの旅行先としては、まだまだメジャーではありませんが、コロニアルな街並みが残る「アンティグア」やマヤ文明の遺跡「ティカル」や活気ある露店市が有名な「チチカステナンゴ」、美しい湖「アティトラン湖」、エメラルドグリーンの石灰棚「セムック・チャンペイ」など沢山の見所があります。是非次の旅行先の候補に加えてみてはいかがでしょうか。