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ブラジルやアルゼンチンなど面積の広い国が多い南米大陸。それらの国と比べると小さく見えてしまいますが、実はコロンビアは日本の3倍ほどの面積を誇るかなり大きい国。その分地域による景色は千差万別で、様々な表情を併せ持っているのがこの国の特徴でしょう。
ビル群が建ち並ぶ都会の顔、スペイン統治時代の記憶が残るコロニアルな町並み、アンデス山脈の連なる山岳地域、そして熱帯雨林が広がるアマゾン…きっと知れば知るほどコロンビアの魅力にハマること間違いなし。前回に引き続きこの国の魅力についてご紹介していきますので、「その1」と合わせて読んでいただければ幸いです。
ココアにチーズを入れるのがコロンビア流!?
南米と聞くとなんとなく「肉」というイメージが強いですが、コロンビアも例に漏れず肉をよく食べる国。しかしアルゼンチンやブラジルとは違って、牛肉よりも鶏肉の方がメジャーです。レストランに行けば大抵フライドチキンやグリルチキンが置いてあるので、迷ったらそれを注文したら間違いないでしょう。
コロンビア料理の名物は、トウモロコシの粉で作ったサモサ風の揚げパン、エンパナーダや鶏肉をジャガイモなどと一緒に煮込んだシチュー風の料理アヒアコが有名。コーヒーの生産が盛んなので朝食時や食後はコーヒーを飲む場合がほとんどですが、ココアを飲めるところも多いです。そして実はこのココア、他とはちょっと違います。
コロンビアの喫茶店でココアを頼むと、大ぶりのスープ皿にたっぷりのココアが出てくるのですが、これ味が薄い!こんなの全部飲めないよ~と思いながらスプーンでちまちま飲んでいると「チーズを中に入れて飲むんだよ」と店員さん。いや器の横にやたら大きなチーズがあるなと思っていたら、これ入れて飲むんですか!思わずびっくりしてしまったのですが、これはどうやらコロンビアでは普通の飲み方のよう。ココアとチーズ、一見変な組み合わせですが実際に溶かしながら飲んでみると一気にコクが出て意外と美味しい!もしかしたらその為に薄味だったのかも…所変われば品変わるとはまさにコレのことだと実感。コロンビアに訪れた際は是非ともトライしてみてください!
黄金郷伝説発祥の地、ボゴタ
高原に広がるコロンビアの首都ボゴタ。標高2640mと、富士山の6合目よりも高い位置にあるこの街。普通に観光している分にはそんな風に感じませんが、赤道近くでありながら1年を通して1日の平均気温は14度ほどとかなり涼しめなので、そういったことから標高の高さを実感するかもしれません。
ボゴタは急成長を続ける南米の大都会の一面と、石畳が続く旧市街の二つの面を併せ持ちます。高層ビルが建ち並ぶ新市街とは対照的に旧市街にはスペイン統治時代のコロニアルな町並みが広がり、非常に見どころが多い街です。特に旧市街にある黄金博物館はボゴタ観光の目玉で、黄金郷伝説の名に相応しい展示品を鑑賞することが可能。館内にはその黄金郷伝説のもとになったとされる装飾品や、精巧に作られた黄金製品が3万点に渡り展示されていて、圧巻の一言。4階建てのかなり広々とした建物なので、時間に余裕を持って見学したいおすすめスポットです。
カリブらしい時代を経てきた世界遺産カルタヘナ
コロンビアきっての観光地カルタヘナはカリブ海に面した港町。ヨーロッパ大航海時代には交易の重要な拠点として栄え、金やエメラルドなどの財宝がこの場所からスペインに大量に送られていたのだと言います。統治されていた頃のコロニアルな可愛らしい町並みが残る一方、一際異彩を放つ武骨な要塞もここカルタヘナの歴史を語る上では外せません。
某人気漫画風に言うなら、世はまさに大海賊時代。金銀財宝が集まるこの場所を海賊が目を付けないわけも無く…16~17世紀、カルタヘナでは英仏の海賊によって略奪や襲撃が繰り返されます。そんな中、海賊たちから町を守るために出来たのがこの要塞。
旧市街を取り囲む約4kmに渡る堅牢な要塞の中は、今ではそぞろ歩きが楽しい観光スポット。お土産屋やカフェ、ホテル、ブティックなどが多く建ち並び、ところどころにある広場は人々の憩いの場にもなっています。
陽気な人が多いカルタヘナは首都ボゴタと比べて圧倒的に治安が良く、それもこの町の人気に繋がっているのです。世界遺産にも登録されているカルタヘナは、コロンビアに訪れるなら是非とも見ておきたい必見スポットです。
カラフルな町並みが可愛らしいグアタペ
まるでメルヘンな遊園地に迷い込んでしまったかのように色とりどりの建物が並ぶグアタペの町。コロンビアの大都会メデジンから車で2時間ほどとアクセスはよくありませんが、今インスタ映えすると密かに話題になっている観光地です。
「カラフルな街」の筆頭として必ず挙げられるイタリアのブラーノ島など、世界には彩り豊かな街がいくつか存在しますが、ここグアタペはその中でも群を抜いています。ヨーロッパにあるようなパステルカラーの可愛らしい町並みとは対照的に、目が痛くなるほどの原色がこれでもかと塗られたこの町。まるで子供が作るレゴブロックのおもちゃの家のようにカラフルで、その色使いが南米らしさを感じさせます。
実はかつてゴーストタウンだったというこの場所。40年ほど前に町おこしの一環として一帯を美しく彩ってみたところ、住んでいる人々の気分もハッピーになり、治安面も改善されたのだとか。
思い思いに塗られている建物ですが、実はそれぞれ家の特徴を示すモチーフが描かれています。パン屋ならパンを作っている様子、音楽家なら楽器のモチーフといったようにどの家の壁に施されているので、一目でどんな建物か分かるのが便利なところ。極彩色の階段が特徴的な広場はグアタペの中でも一段とカラフルな場所で、記念写真を撮るのにもってこいです。
丸々としたモナリザがキュート!
コロンビア出身で世界的に有名な画家であるフェルナンド・ボテロ。彼の作品の最大の特徴は描くものすべてが「ふくよか」であること。彼にかかれば人も動物もフルーツもすべて「ぽっちゃり」。そんな一度見たら忘れられないような彼の独特の作風は多くの人々を魅了し、ボゴタ旧市街にはボテロワールド全開の「ボテロ美術館」まで存在します。
ここではボテロの作品の中でも特に有名なモナリザが展示されているのですが、やはりこちらも丸々と太った絵。ダ・ヴィンチが描いたオリジナルのどこか謎めいた雰囲気のあるモナリザに反し、ボテロの作品は温かみがあり母性すら感じさせる1枚です。しかも美術館としては珍しく、フラッシュ無しなら撮影可というのも「太っ腹」!ただ作品から1m以内に近づくとビビーッと防犯ブザーが鳴り響くので要注意。
また館内には絵画以外にもボテロの彫刻や、ピカソ、モネ、シャガールなど多数の貴重な作品も収蔵されており、芸術に興味がある人は是非とも立ち寄りたいオススメの場所です。