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当時の大国・スウェーデンとの北方戦争に勝利し領土を拡大したピョートル大帝が、他のヨーロッパ諸国に対抗する大国にふさわしい宮殿をという思いから生まれたのがこの「ペテルゴーフ」です。広大な敷地の中央に“大宮殿”、その南側の“上の庭園”、そして北側の“下の公園”の３つのパートで構成されています。大宮殿と上の庭園はフランスのベルサイユ宮殿を模しただけあり豪華さが際立つ、ピョートル大帝のヨーロッパへの憧れを表しています。また、見どころが集まる“下の公園”は、フィンランド湾から段々にテラス状にせり上がり大宮殿につながる凝った造りで、ピョートル大帝自らも設計に参加するなど、思いが強く込められた場所なのです。

現在ではツァールスコエ・セロー最大の観光名所となっているエカテリーナ宮殿が建設されて以来、２００年近くもの間、ロシア皇帝はじめ皇族の夏の避暑地として利用されていました。豪華な宮殿の周辺には緑豊かな庭園が広がり平和そのもののツァールスコエ・セローですが、第二次世界大戦時にはこの地を占領したドイツ軍により壊滅的な被害を受けました。今では大部分が見事に修復され往時と変らない豪華さが再現されています。一時は修復不能とまで言われた“琥珀の間”も２４年の歳月をかけて修復され２００３年から一般公開が開始されました。それ以来、エカテリーナ宮殿は夏のピークシーズンになると入場規制されるほどの人気となっています。